Nandito Ako (18) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード18


【海岸】
ジョシュ:そうだね、ホリー。誰かを愛する気持ちを抑えるべきじゃない。たとえそれが、あっというまに落ちた恋であっても。
ホリー:じゃあ、教えて・・・。誰と、恋に落ちたの?
ジョシュ:ホリー、ごめん。僕は、ほかの人を愛してるんだ。
ホリー:誰かほかの人・・・?私の知ってる人?
ジョシュ:・・・。
ホリー:セレブの人?
ジョシュ:・・・。
ホリー:歌手?
ジョシュ:その人は・・・、遠くにいる。その人とは、遠く離れているんだ。
ホリー:それって・・・、そのガールフレンドはアメリカにいるってこと?
ジョシュ:ほんとうにごめん、ホリー。こんなつもりじゃ・・・。
ホリー:違う、違うの。ただ、聞いてるだけ。
ジョシュ:ホリー・・・。(抱きしめる) いつもいい友達でいてくれて、ありがとう・・・。
(ジョシュ、去る)
ホリー:あなたと、友達以上になりたかった・・・。

【アーニャの家】
テレサ:アーニャ。こっちへおいで。話すことがあるの。
アーニャ:なに、お母さん?
テレサ:お母さんのこと、怒らないでね、いい?いろいろ事情があって、ちょっと込みあってるのよ。どうか、お母さんを理解してくれる?
アーニャ:いったいなにがあったの、お母さん?
テレサ:世の中にはこれほど多くの人たちがいるのに、どうしてあのマルガレートって人の娘さんと友達になったの?
アーニャ:ホリーのお母さんを知ってるの?
テレサ:マルガレートは、私が関係を持った男性・・・ジェイムの、奥さんなの。そのときあなたはまだ幼かった。でも、その人が既婚者だってわかったとき、私はすぐに別れたわ。でもマルガレートはそのことを知ってしまった。と言うのも、彼が亡くなったとき、病院で私と会ったから。それからというもの、今でも、あの人は私を許していない。
アーニャ:でも、なんで今、それを私に話すの?私がいないあいだ、何かあったの?
テレサ:マルガレートがここに来たのよ。あなたを探しに。彼女の言うことには、ホリーがいなくなったって。それで彼女は、あなたたちふたりの友情を壊すって脅したの。
アーニャ:あの人は、うちが貧乏だからってずっと、ホリーとの仲を壊そうとしてきたわ。でもお母さん、私とホリーはそれを乗り越えてきた。
テレサ:でももしホリーが、私が彼女のお父さんと浮気したことを知ったら?あなたたちの友情にヒビが入るかも。
アーニャ:入らないかもよ、お母さん。私とホリーは、お母さんたちの過去とはなんの関係もないもの。そんなこと、私たちの友情に影響させてたまるもんですか。
テレサ:そうだといいけど。本当に、そう願うわ。私が起こした間違いのせいで、あなたに友達を失ってほしくない。

【バタンガスの海岸/アーニャの部屋】
アーニャ:もしもし?
ホリー:もしもし、アーニャ。元気?
アーニャ:元気よ。ホリーは?
ホリー:ジョシュはとても幸せそうよ。こんな時間に電話しちゃってごめんね。
アーニャ:私こそ、早くに電話できなくてごめん。お母さんとは話したの?
ホリー:まだよ。どうして?
アーニャ:もう話したのかなあ、って思って。お母さんからなにか聞かされたかと・・・。
ホリー:なんの話を?
アーニャ:私たち、ふたりのこと。
ホリー:アーニャ、いまそのことは話したくない。アーニャに聞きたいもっと重要なことがあるの。ジョシュとあなたの間に、なにかあった?
アーニャ:・・・なにかって?
ホリー:ジョシュが愛する女性についてよ。なにか知ってるの?

【バタンガスの海岸/アーニャの部屋】
アーニャ:え?うーん・・・。ジョシュがなにか言ったの?
ホリー:誰かを愛してるって。でも、誰だか教えてくれなかった。だからアーニャは、ジョシュから何か聞いてるかなと思って。
アーニャ:ええと・・・、私は何も聞いてないよ。ジョシュは何もそんな話はしてない。私たち、それほど親しくないもの。それに、私はジョシュの恋愛事情には興味ないし。
ホリー:でも、私が興味あるの、アーニャ。ジョシュが誰を愛してるのか知りたい。それだけ・・・。ただ、知りたいだけだから・・・。 その娘は本当に幸せよね、違う? 私だったら、よかったのに・・・。アーニャ、わかるでしょ。 自分がジョシュと一緒になれなくても、ジョシュが他の人を愛すれば傷つく・・・。屈辱よ・・・。わかるでしょ・・・。なんで私じゃないの・・・。

【カーラの家】
カーラ:毎日こうできたら、ってずっと願ってきたわ。あなたが寝るときに、布団をかけてあげるの。まだすごく小っちゃかったとき、私がこうしてあげてたの、覚えてる?
ジョシュ:うん。歯を磨いて、そのあとすぐにパジャマに着替えるんだ。
カーラ:そうね。
ジョシュ:たまに、お話を聞かせてくれた。でもたいていは、歌を歌ってくれた。(起き上がって)お母さん。
カーラ:なあに、息子?
ジョシュ:僕と一緒にアメリカに来て欲しいんだ。居心地のいい生活をさせてあげるよ。なんなら、エミルを連れて来てもいい。お母さんともっと一緒にいたいんだ。これまでの失われた年月の埋め合わせをしたいんだ。
カーラ:私もよ。あなたと一緒にいたい。私がどれほどそれを望んでいるか、神さまはご存じだわ。でも・・・。
ジョシュ:でも、なに?
カーラ:今すぐには決められないわ。私には、ここでやらなくちゃならないことが、たくさんあるの。
ジョシュ:どんなこと?僕は、すべてを与えてあげられるんだよ。お母さんが思う以上のことを。お母さんの面倒をちゃんと見るって、約束する。
カーラ:わかってる・・・。でも、私にはいま別の人生があるの。 あなたが連れ去られてから、私の人生は粉々に砕け散った。毎日、あなたのことを思ったわ。いつか、あなたを見つける日が来るのかしら、って。それで、あるとき、私は教えることに目覚めたの。
ジョシュ:なにか教えてるの?
カーラ:そうよ、ジョシュ。子どもたちに音楽を教えてるの。貧しい子どもたちに。あの子たちは、私を頼りにしてる。見捨てられないわ。だから、わかってちょうだい。
ジョシュ:わかった・・・。

【アーニャの家】
ボルタ:なんでパトカーがここに?
警察:テレサ・ディオニシオを探してるんだが。
ボルタ:どうして?
警察:誘拐の申し立てがあった。
スティーブ:甥っ子はどこだ!?
テレサ:この男は、あんたよりよっぽど気が狂ってる!こいつ何の話をしてるの?誘拐っていったいなんの話よ?
マルガレート:このウソつき!テレサ、否定するのはおやめ!目撃者がいるのよ。あんたはこの家にジョシュ・ブラッドリーを隠してるでしょ。いますぐ出しなさい!
テレサ:あんた、どこの気狂いにそんなこと吹き込まれたのよ?
タシン:私よ、私!私が目撃者よ!そうでしょ?ここにジョシュ・ブラッドリーを隠してるんでしょ?
マルガレート:なにをボヤボヤしてるの!?この女をさっさと捕まえなさい!

【留置所】
アーニャ:お母さん!
テレサ:アーニャ、ここで何してるの?弟のことは誰が見てるの?
アーニャ:ゴッドマザー・ボルタとエマンおばさんが。お母さん、どうしてお母さんが拘留されたの?なにも悪いことしてないのに!
テレサ:私がジョシュ・ブラッドリーを誘拐したって言うの。あの叔父ってのは、頭がおかしいわ!あのマルガレートも!
アーニャ:でも、誰もジョシュを誘拐なんかしてないのに!
テレサ:信じてもらえないんだよ!ずっとそう言ってるのに、あいつら信じようとしないんだ!あいつらみんな、バカなんだよ!
アーニャ:心配しないで、お母さん。私がなんとかする・・・。お母さんをここから出すためなら、なんだってする。
テレサ:私はここでも平気だよ。
マルガレート:こいつもそうだ!この娘もジョシュの居場所を知ってるはずだよ!
テレサ:マルガレート!この恥知らず!娘はほっといてちょうだい!この子を責める理由はなにもないはずだ!これはあんたと私の問題なんだ、だから、私を相手にしな!
マルガレート:あんたがどう思おうと、もうこの娘は関係してるんだよ! さあ、ジョシュ・ブラッドリーを出したらどう?!
スティーブ:甥っ子はどこなんだ!
チー:スティーブ、やめて!あなたが首を突っ込むと、収拾がつかなくなるわ!
スティーブ:ジョシュがどこにいるか知りたいんだ!どこにいるのか教えろ!誘拐は重大な犯罪だぞ!
アーニャ:私は誘拐犯じゃないわ!誰も誘拐なんかしてない!それに、お母さんだって、なんの関係もない!
テレサ:娘を傷つけたら承知しないよ!おまえらに、そんな権利はないだろ!
マルガレート:いくらでもわめくがいい!留置所で朽ち果てろ!
スティーブ:ジョシュはどこにいるか言え!
アーニャ:私たちのことは放っておいて!
テレサ:出て行け!おまえらもみんな!
マルガレート:私が生きているうちは、おまえらを放ってなんかおくもんか!覚えとくがいい!
テレサ:出て行け!

【ピクニック】
ジョシュ:慈善コンサートをやろうと思うんだ。チャリティだよ。
カーラ:チャリティ?
ジョシュ:そう、チャリティ・コンサートだ。すべての利益を、お母さんの学校と、そのほかの音楽を教える学校へ寄付するんだ。
カーラ:ありがとう、ジョシュ!あなたってほんといい人だわ。
ホリー:おばさん、ジョシュは、やると言ったら必ずやりとげる人です。彼が言うことは、いつだって本気なんです。
カーラ:あれだけのことがあったのに、あなたが立派な人間に育ってくれて本当によかった。
ジョシュ:お母さん、僕はすごく恵まれてる。自分のこの人気を、他人のために使いたいと思ってた。だから、これが絶好の機会なんだ!
カーラ:あなたを誇りに思うわ、息子!
ジョシュ:お母さんが、僕に教えてくれたんだよ。それから、もうひとつ!お母さんとエミルおじさんために新しい家を建てようと思ってるんだ。これからは、ツアーがなくて休みのときには、できる限り訪ねて来るよ。
カーラ:でも、あなたのアメリカでの生活はどうなるの?
ジョシュ:アメリカは、ただ居住してるだけの場所だよ、お母さん。フィリピンがぼくの故郷だ。そして故郷とは、お母さんと一緒にいる場所ってことだ。
ホリー:すみません、ちょっと電話するので・・・。
カーラ:さあ、息子、食べなさい。どれがいいの?
ホリー:もしもし、ヤヤ?
ヤヤ:まあホリー、電話くれてよかったわ!もう私のこと、怒っていなければいいのだけど。
ホリー:もうその件はいいわ、ヤヤ。
ヤヤ:それで、いまどこなのです?
ホリー:バタンガスよ。ジョシュと一緒なの。でも、もうお母さんを見つけられたから、もうすぐうちに帰るわ。
ヤヤ:すぐに帰ってこないといけませんよ!あなたのお母さまが、悶着を起こしてるんです。運転手が言うには、お母さまはあなたのお友達の家まで行ったそうです。
ホリー:ええ?どの友達?
ヤヤ:アーニャですよ!
ホリー:アーニャですって?ヤヤ、お母さんは何をしたの?
ヤヤ:ジョシュの誘拐でアーニャを告発したんですよ!それで今は、アーニャのお母さんが留置所に入ってるんです。(電話が切れる)
ホリー:ヤヤ?ヤヤ?!

【ピクニック】
ジョシュ:どうした?
カーラ:なにかあったの、ホリー?
ホリー:私のお母さんが・・・、なにかとっても悪いことをしたみたいなの。
ジョシュ:どんな?
ホリー:あなたを誘拐した罪でアーニャを告発したの。アーニャと彼女の家族が、危機に瀕しているみたい。

【アーニャの家】
ボルタ:アラジン、ねえ、お食べよ。ちゃんと食べなくちゃだめよ。そんなんじゃ、お母さんが出てきたときにはあなた、骸骨になっちゃってるわよ。栄養失調になってもいいの?ほらあ、私があんたのお母さんに叱られちゃうんだから。
アラジン:ボルタおばさん、お母さんは出てこれるの?
ボルタ:もちろんよ、心配いらないわ。ちょっとの辛抱よ。お母さんは無実なんだから。ウソじゃないわ。すぐに出てくる。
(マンドが入ってくる)
ボルタ:マンド!なにか進展はあった?議員さんはなにか言ってた?助けてくれるんでしょ?
マンド:残念だが、だめだった。
ボルタ:そんな・・・。
マンド:アーニャは?
ボルタ:バングスはお母さんのとこに行ってるわ。面会してる。
マンド:もし俺に、金さえあれば!そうすれば、テレサおばさんの保釈金が払えるのに。そうすればアーニャも悲しまなくてすむ。
ボルタ:マンド、気にしちゃだめ。アーニャの問題を、あんたがすべて解決してあげる必要ないんだから。アーニャにはあんたという友達がいる、それでじゅうぶん。あんたみたいな頼れる友達がいるってだけで、アーニャはじゅうぶん幸せよ。わかった?
マンド:いったいあのジョシュのヤローはどこにいるんだ!?あいつのひとことで、すべてが解決するのによ!あいつが、テレサおばさんはなんの関係もないって証言さえすれば!

【道】
ホリー:アーニャの携帯はまだオフだわ。
ジョシュ:ほかにアーニャに連絡とる方法はある?
ホリー:アーニャのゴッドマザーの番号も私は知らないし。
ジョシュ:全部、僕のせいだ。
ホリー:ジョシュ、違うわ。あなたのせいじゃない。私が悪いの。私のお母さんは私に怒ってるの。アーニャに申し訳がたたないのは私だわ。お母さんは、私を痛めつけるためにアーニャに八つ当たりしてるだけなのよ。
カーラ:自分を責めてはいけないわ。ここにいる誰のせいでもない。いずれ、すべてうまくおさまるわよ、ジョシュ。
ジョシュ:一緒に来てくれてありがとう、お母さん。本当にありがたいよ。
カーラ:もちろんよ。あなたは私の息子だもの、あなたの問題は私の問題でもあるわ。それに、今こそあのスティーブと直面すべき時だわ。行きましょ!

【事務所】
スティーブ:あの女にもっと圧力をかけて白状させろ。ジョシュの居場所を吐かせるんだ!
チー:スティーブ、私はやっぱり、テレサを刑務所に入れるべきじゃないと思うわ。
スティーブ:おまえは引っ込んでろ!俺が決めることだ!この事件は今後、この弁護士が扱う。
(ジョシュが入ってくる)
スティーブ:おまえがこの混乱を引き起こしたんだ!なんて無責任なことをしたんだ、ジョシュ。
ジョシュ:じゃあウソはどうなんだ?それこそ無責任じゃないのか?
チー:ジョシュ、あなたは誘拐されたって話になってるの。叔父さんに刑務所に入れられた人もいるのよ。
ジョシュ:知ってる。だから、はっきりさせるために来た。誰も僕に、なにも強いちゃいない。僕は自分で抜け出すことに決めたんだ。
チー:言ったでしょ?あなたは罪のない人を刑務所に入れたのよ!
スティーブ:黙ってろ!
ジョシュ:おまえが黙れ!叔父さんは僕にウソをついた。みんなにウソをついた。お母さんは死んだって、僕に信じ込ませてきた!もし誰かが刑務所に入るとしたら、それはスティーブ叔父さんだ!
スティーブ:なに言ってるんだ?おまえの母親は、死んだんだぞ!
ジョシュ:いいや、死んでない!
(カーラを部屋に入れる)


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