Nandito Ako (22) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード22


【病院】
医者:あなたの腫瘍は、場所が場所なだけに手術が不可能です。私たちにできる手立ては、放射線治療です。それで腫瘍を小さくし、それから、残った癌細胞を確実に破壊するために化学療法を行います。
ホリー:私、どのくらい生きられるの?
医者:もし、じゅうぶんな治療が間に合わなければ、4か月です。
ヤヤ:あなたはきっとよくなります。神さまは見放したりしません。だから、気を強く持ってくださいな。
マルガレート:先生、外でお話しできますか?

【アーニャの家】
テレサ:アーニャ、焼き具合をちゃんと見て!
アーニャ:ごめん、お母さん。こっちはちゃんと見てるから。
テレサ:これじゃあ焼き過ぎね。売り物にならないわ。
アーニャ:ごめんなさい。
テレサ:どうかしたの?このところずっと、浮かない顔してるわね。ジョシュのこと?何かあったの?
アーニャ:なんでもない、お母さん。ただ、ホリーのことが心配なの。
テレサ:話はしたの?なんて言ってた?
アーニャ:なにも。でも、きのうの夜、悪い夢を見たの。すごく嫌な夢よ。私、どうしてもホリーと話しをしなくちゃ。
テレサ:もし行くなら、私もついていく。あの母親がまた、あなたをひどく扱ったら許さないから。
アーニャ:お母さん、大丈夫よ。私ひとりで行く。これを解決できるのは私とホリーだけだから。加えて私、関係修復のためになんでもするし。
テレサ:ねえ、娘よ、あなたにとってホリーが大切なのはわかる。でもときに、あなたがどんなに頑張っても、修復できないこともあるのよ。いろんなことがあったわ。ホリーの親と私のあいだの確執は言うまでもなくね。あなたたちの友情が、取り戻せないこともあるかもしれない心の準備も必要なのよ。
アーニャ:私、あきらめない。

【病院】
ヤヤ:私たちは乗り越えられます。私はここにいますよ。この病気と闘いましょう。
ホリー:ヤヤ、ありがとう。もしあなたがいなかったら、私どうなってるか・・。
ヤヤ:私はどこにも行きませんよ、わが子。いつだって必要なときは、私がいつもおそばにいます。
ホリー:ねえヤヤ、私、すごく嬉しい。あなたはいつも、“わが子”って呼んでくれる。そう言ってくれるのは、あなただけ。何があろうと、私を愛してくれる人がいるって確信を持てるの。あなたのことよ。ありがとう、ヤヤ。
ヤヤ:あなたを愛してるひとは、他にもたくさんいますよ。すぐそこにいます。あなたのお友達にも、病気のことを知らせるべきです。
ホリー:ヤヤ、それはやめて。あのふたりには知られたくないの。いい? 哀れんでほしくない。
ヤヤ:まだ、ふたりのことを怒っているのですか?
ホリー:わからない。わからないわ、ヤヤ。私は怒っているのか、それともただふたりに嫉妬してるのか、わからないの。だって、ふたりはとても幸せで、愛しあっていて・・・。あのふたりがいま持っているものを、私も持ってたらいいのに。でも私には、ないの。
ヤヤ:そんなこと言わないでください。あなたにも素敵なことが起こりますよ。
ホリー:本当に、私にはジョシュしかいなかったの、ヤヤ。まさか、彼がほかのひとを愛するなんて、思いもしなかった。

【ホテル】
チー:(電話に向かって)ジョシュはコンサートの準備で忙しいと伝えて。いま、それに対応はできないわ。ええ、もうすぐ公式発表をしますから。そうです。はい、じゃあ。
カーラ:今度はなんなの?
チー:スティーブが起こしてる問題をなんとかやめさせないと。
カーラ:いったいぜんたい、あのスティーブは何をしようとしてるわけ?
ジョシュ:僕をこの国から引ひきずり出そうと、躍起になってるのさ。それで、お母さんやアーニャと二度と会えなくさせようとしてる。
チー:これは単にお金の問題なのかしら。あなたが資産を全部、管理してるの?あいつは自分の取り分を奪おうとしてるんじゃないの?
ジョシュ:もしそれがあの人の狙いなら、全部くれてやるよ!僕は、お金なんてどうでもいいんだ!
チー:ええっ、だめよジョシュ、そんなのだめ!ほかの方法があるわ。あいつに接近禁止令を出すのよ。なにができるか、弁護士に相談してみましょう。
ジョシュ:いいや…、それはやめよう。あの人は、それでも僕の家族なんだ。いまやっていることがどうであれ、あの人が僕の面倒を見てくれたことに変わりはない。あの人のおかげで、いまの僕がある。
チー:ジョシュ、あいつは、あなたにずっとプレッシャーをかけてきたのよ。あなたをスターにしようと決めて、あなたから子どもらしい楽しみすら奪ってきた。
カーラ:あいつと一度話し合ってみたら?そしたら解決するかも。
チー:ありえない!あのスティーブのことだもの、ひとの話なんか聞きっこないわ。あいつにとっては、いつも自分だけが正しいの。
ビリー:えーと、いいか?さらにヘコませて悪いんだけど、あの記者会見でのことがもうネットに流れてる。じきに、世界中のマスコミが嗅ぎ付けるぞ。
チー:ああもう、悪夢だわ!どうしよう…。
ジョシュ:心配すんな、チー、いいか?数日後にコンサートなんだ、そのことだけを考えよう。最後にはなんとかなるさ。
チー:そうならいいけど。だって私、マジにもうキレそうなのよ!あなたのスティーブ叔父さんに、私なにをするかわかる?あいつの喉をおさえてギューっと締め付けてやる!あいつにはほんとイライラさせられる!

【病院】
(ホリー、回想している)
マルガレート:あんたは私の娘にふさわしくない!何の価値もない人間だ!あんたは私の娘なんかじゃない!

アーニャ:私も、愛してるわ、ジョシュ。

医者:誠に残念ですがホリー、あなたは脳腫瘍です。

ホリー:こんなのいや!こんなものいらない!こんなもの、全部いらないわ!

【ホリーの家】
アーニャ:おはようございます。
お手伝いさん:はい?どちらさまですか?なんのご用で?
アーニャ:アーニャと言います。ホリーの友達です。ホリーはいますか?話があるんです。
お手伝いさん:いいえ、ここにはいませんよ!聞いてませんか?昨夜、病院へ運ばれたんです。

【病院】
(マルガレート、回想している)
マルガレート:わからないの?あなたなんて、誇りになど思えないわ。学校でこんなくだらないことばかりして!

マルガレート:私のいうことを聞きなさい!
ホリー:お母さん!お母さん!お願い、話を聞いて!
マルガレート:しばらくそこに閉じこもってなさい!

マルガレート:本当に頭が悪い子ね!面汚し!

(ヤヤが寄り添う)
マルガレート:私、自分が恥ずかしい、ヤヤ・・・。ホリーに対して犯した過ちを、こんな形で後悔することになるなんて・・・。私はいつも、あの子に言ってた・・・。あんたは能なしの娘だって。でも本当は、私がろくでもない母親だったのよ。
ヤヤ:母親はみな、いろいろな意味で、自分の子どもと欠点を共有するものですよ。マルガレートさま、まだ間に合います。ホリーと仲直りするのです。
マルガレート:私が壊してしまったあの子との関係を、どうしたら変えられるのかしら?
ヤヤ:あなたに愛してもらえる時を、ホリーはずっと待ち望んでいました。いまがその時です。いまを逃したら、もう二度とないかもしれませんよ。

【アーニャの家】
アラジン:ジョシュお兄ちゃん!
ジョシュ:やあ!
アラジン:お母さん、お母さーん!
テレサ:あら、ジョシュ!
ボルタ:ジョシュだわあ!
ジョシュ:こんにちは。
テレサ:アーニャはいま、いないのよ。あとで帰って来るわ。
ジョシュ:構わないよ、おばさん。僕、アーニャを待つから。
テレサ:ほんとに?じゃあ、中に入ってなさい!もうすこししたら、夕ご飯をつくるから。
ジョシュ:ありがとう。
テレサ:さ、入って!
ジョシュ:待って、おばさん。いま、夕ご飯をつくるって言った?
テレサ:ええ。
ジョシュ:僕も手伝っていい?アーニャに料理をつくってあげたいんだ。
テレサ:ほんと?
ボルタ:まあ、優しいわあ!
アラジン:僕も手伝うー!
テレサ:よし!じゃあ中に入んな!
ボルタ:ジョシュにシシッグ料理を教えたら?さあて、私の友よ。これでもまだ、白馬の王子様はいないって言うつもり?
テレサ:まあね、白馬の王子様はたしかにいるわ。でも私は、結末がハッピーエンドじゃないことを恐れてるの。
ボルタ:まあ!どこまでも頑固だこと!

【病院】
マルガレート:ホリー!ホリー、どうしたの?
ホリー:私もう、こんなのいや!もうこれ以上、お母さんの負担にはなりたくない。
マルガレート:いいえ、ホリー。あなたはなにも悪くないのよ。悪いのは私のほう。だから私に埋め合わせをさせて、お願いよ!
ホリー:私、まだ死にたくない、お母さん・・・。死にたくないよ・・・。
マルガレート:私が死なせやしない。まだよ・・・。あなたの命を延ばすためなら、どんな治療でもする。だから、あなたはまだ死なない。
ホリー:怖いよ、お母さん・・・。
マルガレート:怖がらないで・・・。私がそばにいるから。一緒に向き合っていくの・・・。

【アーニャの家】
ジョシュ/アラジン/テレサ/ボルタ:おかえり~!
アーニャ:ここでなにしてるの?
ジョシュ:夕ご飯つくったよ!
ボルタ:そうよ!これ全部、ジョシュがつくったのよ!
アラジン:僕も手伝ったよ、お姉ちゃん!
テレサ:アーニャ?なにかあったの?
ボルタ:バングス、大丈夫?
ジョシュ:僕が料理つくって驚かしたの、嫌だった?
アーニャ:私、気が変わったの。もうやめたい。私たちは終わりよ。
ジョシュ:えッ?アーニャ!待って、待ってくれ!アーニャ!!なんでだ!?
アーニャ:なんでって?!私、人気セレブをボーイフレンドにするなんて、無理だってことがわかったのよ。訳がわかんないわ。私、素朴な暮らしがしたいの。
ジョシュ:なに言ってるんだ、アーニャ。なんでそんなこと言うんだ?ホリーのためか?
アーニャ:ホリーは関係ない。私の問題よ。私、もううんざりなの!マスコミやら、噂やら、あなたを好きになってから私の生活は、めちゃめちゃになった!
ジョシュ:アーニャ、もし有名人であることが問題なら、そんなのいつでも辞めてやるよ!きみと一緒にいるためなら!
アーニャ:なんでそんなことするわけ?!頭おかしいんじゃない?!私のために、富と名声を手放すの?!
ジョシュ:アーニャ、お願いだ。僕はなんだってする。きみのほうが大切なんだ、アーニャ!お金や名声がなくたって、僕は生きていける。でも、きみなしでは、生きていけないんだ!
アーニャ:でも、私があなたと一緒じゃ、生きていけないの!まるで、年がら年中、締めつけられてるみたいなの!息ができない!だからお願い。もう終わりにしよう。もしあなたが去らないのなら、私が出て行くわ。
ジョシュ:お願いだ、アーニャ!僕は、なんだってするから。
アーニャ:ならば、私のことは忘れて。それがあなたがすべきこと。さあ、行って!
ジョシュ:こんなことしないでくれ、アーニャ。アーニャ!待ってくれ、アーニャ!お願いだから、やめてくれ、アーニャ!!

【テラス】
ビリー:おい!もう帰ってたのか!アーニャと夕めし食ってるのかと思ってた。ずいぶん早かったな。
カーラ:息子、なにかあったの?ここに座って、話してごらん?
ジョシュ:アーニャにふられたんだ。
カーラ:え!なんで?
ジョシュ:もう僕と一緒にいられないんだって。彼女の人生を複雑にするから。
チー:アーニャはあなたのこと、とても愛してると思ってたけど?これがジョシュの人生の一部だって、承知してたはずよね?
ジョシュ:僕だってそう思ってた。
ビリー:ホリーのことが原因だって可能性はないのか?アーニャは、罪の意識を感じてるんだろ?
ジョシュ:それは聞いたけど、ホリーは関係ないって言われた。アーニャがそんなに簡単に諦めるなんて、信じられない。アーニャにとって僕は、その程度なのか?
カーラ:それは、アーニャにしか答えられない質問ね。
ジョシュ:ふたりが一緒にいるためならすべてを手放してもいい、って言ったんだ。僕は心からそう言ったのに、 お母さん。
カーラ:わかってるわ、息子。
チー:で、これからどうするの。
ジョシュ:アーニャを取り戻すまで、あきらめない。

【アーニャの家】
テレサ:アーニャと話さなくちゃ!
ボルタ:ねえ、落ち着いてよ!そっとしておきなさい。時が来れば、あの子のほうから話すわよ。だから落ち着きなさって。アラジン、あんたもね!
テレサ:なんでジョシュと別れたの?!アーニャはあなたに何か言ってた?何か知ってるの?
ボルタ:私?とんでもない、何も知らなわいよ!私の勘では・・・ただの勘よ、いい?ホリーが関係してるんじゃないかしら?友達を傷つけたくないために、ジョシュと別れたとか。私のゴッドチャイルドって、なんて優しいのかしら~。
テレサ:そのせいで、今度はアーニャとジョシュが傷ついてるわけ?
ボルタ:だからなに?私のゴッドチャイルドが決めたことなのよ。バングスの決断を尊重してあげなくちゃ。だから、あの子を支えてあげるのよ、いい?

【病院】
ホリー:(携帯を見ながら)これ、本当かしら・・・。ジョシュとアーニャが別れたって。ヤヤ、私のせいじゃないわよね?私の病気のこと、あのふたりは知らないわよね?ヤヤ、誰かに話した?
ヤヤ:いいえ。きっと、なにか別の理由があるんですよ。もう、そのことを考えるのはおやめなさい。いまは、病気を治すことだけを考えましょう。なにがあったとしても、いずれわかりますよ。あなたがアーニャと話さえすればね。

【アーニャの家】
マンド:よお、アーニャ。
アーニャ:マンド。
マンド:ほんとか?
アーニャ:なにが?
マンド:おまえが、もうジョシュと付き合ってないってこと。
アーニャ:えっ?
マンド:ほんとなのか?
アーニャ:できるなら、そのことは話したくないの。
ジョシュ:アーニャ!
アーニャ:ここで何してるの!? もう会いたくないって、私、言わなかった!?
ジョシュ:アーニャ、聞いてくれ。僕は帰らないぞ。
マンド:アーニャが消えろって言ってるの、聞こえないか!?
(マンドとジョシュが殴りあう)
アーニャ:マンド、やめて!もうそのくらいにして!
ビリー:もうやめろ、ジョシュ!(マンドに)おい、余計な手出しはするな!
アーニャ:もう行って!帰ってよ!早く!
(ジョシュが走り去る)
ビリー:ジョシュ!

【病院】
(ホリー、携帯でアーニャのアドレスを見てる)
マルガレート:私の娘・・・、ねえ、もうからだを休めなさい。あとで放射線治療の予定が入ってるのよ。
ホリー:うん、お母さん。

【アーニャの家】
テレサ:どうしたの!いったい何があったの?なんで湿布なんて貼ってるの?
ボルタ:マンド、あなたの顔ったら!どうしたの?
アーニャ:お母さん、さっき突然、ジョシュが来たの。
マンド:アーニャに強引に言い寄ってたんだ!
テレサ:それで大騒ぎしてケンカを始めたってわけ?アーニャ、あなた、どうかしちゃったの?!
アーニャ:ごめんなさい、お母さん。
ボルタ:さあマンド、家に帰るわよ!
マンド:でも・・・。
ボルタ:でもじゃないの。家に帰るのよ!私が連れて帰るわ。
テレサ:ありがとう。
ボルタ:さ、行こう、マンド。
テレサ:あんた、こっち来て、ちょっと話しましょう。アーニャ、まだジョシュのこと好きなの?
アーニャ:うん、お母さん。でも、いまはホリーにジョシュがもっと必要なの。ホリーは重い病気なのよ。脳腫瘍なの。
テレサ:どうしてそんなこと知ってるの?

【病院】(回想シーン)
アーニャ:ヤヤ・ロサ。ホリーはどこですか?話がしたいんです。
ヤヤ:アーニャ、いまは無理です。あの子は、いまの状態であなたに会いたくないって言ってるんです。
アーニャ:なぜ?なにがあったんです?
ヤヤ:ホリーは癌なんです。
アーニャ:ウソでしょ!?
ヤヤ:あなたとジョシュには知らせないと約束したんです。あの子は、あなたたちに哀れんで欲しくないんです。
アーニャ:でも、ホリーは友達なのよ。
ヤヤ:もし本当に友達なら、そのお友達を幸せにしてあげてください。せめて、あの子の残り少ない人生を・・・。
アーニャ:どうやって・・・?
ヤヤ:アーニャ、これが、どんなに自分勝手なお願いか、わかっています。でも、これでホリーを幸せにできるのなら、アーニャ、どうか私を許してください。どうか、あなたが、わかってくださいますように・・・。

【アーニャの家】
アーニャ:お母さん、ホリーは私の友達なの。私は、ホリーが大好きなの。ホリーにこれ以上、余計な苦痛を与えたくない。そんなこと、私にはできない。
テレサ:でも、あなたとジョシュはどうなるの?

【道】
ビリー:ジョシュ!ジョシュ・・・!ジョシュ!おい、待て!もう行こうぜ!
ジョシュ:アーニャを失った・・!
ビリー:ああ、おまえが大変な状況なのはわかった。でも、もうホテルに戻らないと!ひとに気づかれるぜ!
ジョシュ:おまえは先に行ってろ。僕はあとから行く。ちょっと考えたいんだ。
(バイクにぶつかる)
ビリー:ジョシュ!!


コメント(0) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。