さよならなんかじゃない - デヴィッドのビデオブログ [David's Video Blog]


さよならなんかじゃない (2012/3/28)
ミッションに発つ前にブログをもうひとつ。家族や友達と過ごして感傷的な1週間だった。この4年間応援してきてくれたみんなに、ありがとうって言いたかった。2年後にまた会おう。

theofficialarchuleta
やあみんな、デヴィッドだよ。ミッションに発つ前のうちにいるあいだに、もうひとつビデオブログを撮っておこうと思って。これが、最後になると思う。まだ家にいて、ミッションに入ってなくて自由なうちのね。まず、みんなに伝えたかったのは、いまのぼくの心のあり方をちょっと少し。ぜんぶは説明できやしないけど。
先週は、すごく感傷的な1週間だった。多くの家族や友だちが来てくれて、ぼくは、みんなに最後のお別れの言葉を告げたんだ。この日曜日だ。近所のひとたちや友だちや家族を集めて・・・、このことはみんなが知ってるけど、でもぼくにとってすごく私的なことだから、プライベートなものにしときたかった。みんなもそれを尊重してくれるよう、願ってる。もちろん、きみたちは尊重してくれてるから、すごく感謝してる。でも、あれだけの人たちが集まってくれて、顔を見られて、素晴らしい時を過ごせた。この近所でみんなで集まったんだ。何年ものあいだずっと支えてきてくれた、ぼくにとって大切な人たちがみんな来てくれた。いい時も悪い時も僕を支えてきてくれた昔からよく知る人たちが、話を聞きに集まってくれたんだ。
それでぼくは、いま準備や荷造りにがんばってるとこだ。2年もいなくなるんだから、いろんな物が必要で。たいへんな作業だよ、あはは。でも、多くのひとが手伝ってくれてる。経験のある人たちがいろいろ相談に乗ってくれたりアドバイスをくれたりして、ぼくがこの次なるステージへ飛び込む準備を助けてくれてる。ありがたいよ。
(ドアの開く音)あ、家族が帰ってきたみたい。ともかく、みんなに会えなくなって寂しくなるな。家族には会えなくなるし連絡も取れなくなるから、寂しいよ。それから、きみたちみんなとも話せなくなる。近況を報告したり、ぼくの意味不明な行動や考えを分かち合うこともできなくなるから寂しい。でも、みんながいつもそばにいてくれたことに感謝してる。
みんながたくさん登場してるDA2014ビデオも見れたよ。すごく嬉しかった。最初から最後まで全部見た。みんなの応援し続けてくれる姿はぼくにとってすごく意味があるんだ。この4年間の思い出をどうもありがとう。みんながいなかったら、ぼくはいま、ここにいない。みんなと一緒にここまで来れて・・・、いやじつは、みんながぼくを、この旅に連れて出してくれた。ぼくが学んできたこと、経験してきたことを、みんなと分かちあえてこれて感謝してる。みんなと一緒に、みんなのおかげで、だ。意味が通ってればいいけど。ぼくがいないあいだでも、みんなのため出来る限りのことができるようベストを尽くしたってこと、分かってほしい。すごいことになると思う。南米に行くんだけど、スペイン語圏の文化、ラテンの文化を体験できることにわくわくしてるよ。でも、みんながそれでもこれを尊重し、理解してくれればいいと思う。とても私的な決断にも関わらず、ぼくがこれからすること、専念しようとしてることを、みんなが尊重してくれたことに感謝してるよ。これまでは、この旅にみんなを一緒に連れて来ることができたけど、これからはもっと私的な、何か違うことにぼくは専念しようとしてる。音楽のキャリア以外にね。こっち側では、ぼくはみんなのために全力を尽くしてきた。でも、あちら側にいるうちは、みんなもそれを尊重してほしいんだ。
時々は、みんながどうしてるか知りたいから、ロード・マネジャーのカリがぼくのツイッターのアカウントを管理して、みんなにつぶやいてくれることになってる。そして、ぼくに状況を知らせてくれることになってるんだ。でもそれ以外では、ぼくは行く先の人たちのことだけを考えるようベストを尽くしていく。大きな犠牲を払うことになるけど、それは、父なる神と一対一の時を過ごすためなんだ。今度は、主との関係に取り組む時なんだということを、どうか分かってほしい。いままで、ずっと捧げたいと思ってたのに捧げられなかった時間を、今度は主のために捧げることになるんだ。
だから、みんなが尊重してくれますように!ごめん、ベラベラとりとめなくしゃべっちゃって!でも、きみたちみんなにはほんとに感謝してる。きみたちが聞かせてくれる話が、ぼくを前に進ませてくれ、やってることを価値のあるものにしてくれた。
だから、戻ってきたら、また会おう。これからリリースされる曲をみんなが気に入ってくれたらいいな。すごくがんばったから。去る前にできうる限りのベストを尽くしたよ。
じゃあみんな、2年後にまた会おう。神のお恵みがありますように。元気で。


2012/3/28、ついにデヴィッドは2年間のミッションに出発しました。まずはMTC(ミッショナリー・トレーニング・センター)へ入って数週間程度、語学や教典を学び、その後に南米チリへと布教活動に向かいます。

デヴィッドも全部見てくれたという、世界中のファンが寄せた写真で制作されたDA2014ビデオ。私は所用でバタバタしてるうちに写真を撮りそびれてしまい(あーあ)不参加でしたが、すべてのファンの想いを代弁してくれた素敵なビデオでした。


そして、これがデヴィッドからの・・・。
Ill BE BACK BY DAVID.jpg

 
 

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Nandito Ako (17) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード17


【デュダイ叔母さんの家】
デュダイ叔母さん:ほんとうに大丈夫?まだ体調すぐれないんじゃないの?出かけるのは延期したらどう?明日にすれば?
ホリー:大丈夫よ、叔母さん。それよりも、友達のことが心配なの。きのうから連絡がとれないのよ。でも心配いらないから。あのふたりが行ったあの島に、私は行ったことがあるから、ジョシュのお母さんの家は簡単に見つけられると思う。それに、誰かに聞くから大丈夫。
デュダイ叔母さん:でも、気をつけてね。もしなにか必要なことがあれば、いつでも電話するのよ。
ホリー:わかった。ありがとう、デュダイ叔母さん。

【海岸】
ジョシュ:こういう時を、いつも夢見てたんだ。
アーニャ:どういう?
ジョシュ:僕のお母さんは生きてて、みんなで海岸に座って、幸せそうにしてる。すべてがのどかで・・・。でも、そんなことありえないと思ってた。
アーニャ:ジョシュは私に言ったよね?信じろって。なんだって起こり得るって。
ジョシュ:うんでも、こんなのすごすぎて夢みたいだ!すべてが、完璧だよ。

【アーニャの家の近所】
タシン:ちょっとこちらへ、話があるの。
マルガレート:なんなの?
タシン:私はタシン。あなたと同じように、あのテレサには我慢がならないのよ!
マルガレート:あなた、いったいどこのどなた?私になんの話?
タシン:私に対してそんな高飛車はやめなさいって!仲間なのよ!
マルガレート:仲間なんていらないわ。
タシン:まあまあ!ここはお互い、助け合うべきよ!私もあのテレサが大っ嫌い!あのアバズレをのさばらしておくもんですか!繁盛なんてもってのほか!あの女、アメリカ人の男の子を家にかくまってるのよ!
マルガレート:え?アメリカ人?
タシン:そうなの!アーニャとテレサは、あのアメリカ歌手を家に隠してるのよ。考えてもみて?急に家賃が払えたり、それどころか店を始めるだなんて、おかしいわよ?あのアメリカ人からお金をせびってるとしか、考えられない!
マルガレート:それは誰なの?
タシン:えーと、あれは確か・・・、ジョシュなんとか・・・、ジョシュ・ブラッドフォード?
マルガレート:ジョシュ・ブラッドリーね。
タシン:それよ、それそれ!ジョシュ・ブラッドリー!おいおい、おたくもファン?

【海岸】
ホリー:アーニャ!ジョシュ!
アーニャ:ホリー!?
ホリー:ふたりとも、どうしてた?
アーニャ:ごめん、ずっと電話に出られなくて。携帯が水に浸かっちゃったの。
ホリー:(ジョシュの傷を見て)ちょっと、これなに?ジョシュ、なにがあったの?
アーニャ:オールで殴られたの。
ホリー:殴られた?ジョシュ、大丈夫なの?病院には連れてってもらった?アーニャ、ここらへんに病院はあるの?!
ジョシュ:大丈夫だよ、心配しないで。もうなんでもない。
ホリー:ほんと?
ジョシュ:うん。それどころか、いま人生で最も幸せなんだ。なんでだかわかる?
ホリー:なんで?
ジョシュ:お母さんを見つけたんだ。
ホリー:ここでお母さんを見つけたの?いま、どこにいるの?会いたいわ!
ジョシュ:ここからほんの数メートル先の家にいるよ。 おいで!きみのこと、紹介する!
ホリー:うん、私も会いたい!
(ジョシュとホリーが去って、アーニャ置いてきぼりになる)

【カーラの家】
ジョシュ:お母さん!
カーラ:はあい!
ジョシュ:僕の友達のホリーに会ってほしいんだ。
カーラ:この子は、あなたの仲の良いお友達?
ホリー:ええ。それに、ジョシュのファンです。デートのコンテストで出会ったんです。
カーラ:まあ、あなたなのね!アーニャから話は聞いたわ!あなたには本当にお世話になった。どうもありがとう。私の息子の手助けしてくれて、ほんとうにありがとう。
ホリー:いいんです。あなたたちが出会えて、嬉しいです。
エミル:おい、なにか食べたかい?もう少ししたら食事を用意するから、みんなで食べような!

【アーニャの家】
ボルタ:私、ちょっとわからなくて・・・、説明してくれる? 世界中にはこれだけの人がいるってのに、なんで私のゴッドチャイルド・バングスは、よりによってホリーと友達なわけ?どういうこと?
テレサ:ホリーはいい子よ。
ボルタ:まあ、そうでしょうね!
テレサ:ホリーはあの母親に似てなくてよかったわ。
ボルタ:あの女が、ふたりの友情を引き裂こうとするかもと思うとゾッとする。あのマーガレットって女は、悪魔みたいな女よ。
テレサ:むかつくのはそこよ。私のゴタゴタに、アーニャが巻き添えを食うなんて。
ボルタ:あらまあ?また被害者モードに入っちゃったの?だって、知らなかったんでしょ?彼が既婚者だってあなたに言わなかったのは、自分のせいだって言うの? ジェイムが結婚してるってこと知らなくて、それで関係を持ったことが、あなたに責任があるって?そんなわけないわ!
テレサ:そうだとしても、アーニャにはこのこと、どう打ち明けたらいい?自分が恥ずかしいわ、ボルタ。
ボルタ:もう、いまは売ることに集中して!バーベキューをもっと売らなくっちゃ!

【海岸】
ホリー:きのうは大変だったのね。ジョシュが袋叩きにあわなくて、よかった。それ以外には、変わったことはなにもなさそうね。
ジョシュ:あれはほんと、ひどかったな。それに驚いた。僕は、あとさき考えず海に向かって猛突進したんだ。アーニャを助けたい一心で。
ホリー:あなたってすごく勇敢だわ、ジョシュ。
アーニャ:そうなの。ジョシュは、あの酔っ払いに勇敢に飛び掛かっていったのよ。
ジョシュ:ねえ、きみはどうしてた?もう叔父さんが困らせてなければいいんだけど。
ホリー:大丈夫よ。私たち3人が、ここにこうして一緒にいられることが嬉しい。ただ、私はお母さんの養子に過ぎなかった、っていう事実はさておいて・・・。
アーニャ:ホリー、どういうこと?
ホリー:私はお母さんと血が繋がっていないの、アーニャ。それで納得がいったの、なんでお母さんがあんな態度をとるのか、なんでお母さんと私は気持ちが通じ合わないのか。
アーニャ:ホリー、それは気の毒に・・・。
ホリー:いいの。本当のところ、私は事実を受け入れられる。世の中には、養子の子なんていくらでもいるもの。でもみんなは、それで幸せになってる・・。安定した家庭に迎え入れられてるのよね・・・。
ジョシュ:ねえ、僕が周辺を案内するよ。
(ジョシュとホリーが去る。カーラがやってくる)
カーラ:アーニャ?ここでどうしたの?どうして、ジョシュとホリーと一緒じゃないの?
アーニャ:私はいいんです。ジョシュと私は数日ずっと一緒だったから、今度はあのふたりに一緒に過ごしてほしいんです。
カーラ:でも、ほんとうに平気なの?
アーニャ:もちろん、私は平気です。でもおばさん、お願いがあるの。
カーラ:なあに?
アーニャ:私、もう家に帰らないと。2日間だけって約束だったから。家で家族が待ってるんです。お母さんと弟がやりくりしてる。
カーラ:そうなの・・・。みんなでピクニックに行こうと思ってたんだけど。あなたに、この周辺を見せてまわりたかったのよ。一緒に過ごしたいの。あなたはジョシュのお友達だから、私にとってもう家族のようなものだもの。
アーニャ:それは・・・、また次の機会に。いまここを発てば、遅くならずに家に着けるから。
カーラ:引き止めたいのはやまやまだけど、でも、わかったわ。母親にとって、子どもがそばにいないのは辛いことだもの。母親の心は、いつも子どもを求めるものなの。
アーニャ:じゃあ、荷物を取りに、先に戻ります。

【海岸】
ホリー:アーニャ!アーニャ、待って!どこ行くの?なんでバッグを持ってるの?
アーニャ:もう家に帰るわ。私の使命は終わったもの。ジョシュのお母さんにはもう別れの挨拶したけど、理解してくれたわ。
ホリー:もうちょっといられないの?アーニャにいてほしいのよ。
アーニャ:どうか許して、ホリー。ほんとごめん。携帯が直ったら電話するね、ほら、濡れちゃったから。
ホリー:アーニャ、なにもかも、ありがとうね。あなたは素晴らしい友人だわ。これ以上どうやってあなたに感謝したらいいのか、わかんない。
アーニャ:そんなの、いいの。
ホリー:私、アーニャのこと姉妹のように思ってるの、知ってた?
アーニャ:同じよ。私もホリーのこと、ただの友達じゃなくて、姉妹のように思える。ありがとうね。私のためにしてくれたすべてのことに、ありがとう。
ホリー:なに言ってるの?アーニャのほうがもっと私のお願いを聞いてくれた。特に、ジョシュのことで・・・。じゃあ、ジョシュにさよならを言ってって!
アーニャ:ううん・・・、いいから、代わりに言っといて。
ホリー:でも、ジョシュはアーニャのこと探すわよ!?
アーニャ:いいの。私は急いでたから、って伝えて。
ホリー:わかった。気をつけてね。
アーニャ:うん。

【ホテル】
スティーブ:ジョシュをヨーロッパに連れて行かないと、契約やその他の取り決めをすべて失うことになる。それが行きつくところだぞ。
マルガレート:スティーブ!誰があなたの甥を連れ去ったか、知ってるわ。
スティーブ:誰だ?
マルガレート:その誘拐犯の女のところに、連れて行ってあげてもいいわよ。
スティーブ:ジョシュは誘拐されたってのか?
マルガレート:私の言うことが信じられない?あなたを連れて行くって、私、言わなかったかしら?
チー:誰がジョシュを連れ去ったと言うの?
マルガレート:テレサ・ディオニシオよ。
スティーブ:車を出せ!!

【海岸】
(ジョシュ、回想している)
手相師:愛が見える。あなたは恋に落ちる。でも、ふたりの少女が関係しています。ひとりは、以前あなたの命を救った人、もうひとりは、いまあなたを救う人。
(バスの中)
アーニャ:ちょっと、今度はなんで私をまじまじ見てるの?
ジョシュ:きみはきれいだ。
アーニャ:もう、やめてったら。そういうばかげたことはもう、やめ!
ジョシュ:本当のこと言っただけだよ。
(ベルの音)
パブリート:恋に落ちるとベルの音が聞こえるんス。それが、恋に落ちた合図なんすヨ!

ジョシュ:アーニャ!

【海岸】
ジョシュ:アーニャ!アーニャ!どこへ行くんだ?
アーニャ:うちへ帰るの。マニラに帰らなくちゃ。
ジョシュ:僕に何も言わずに?
アーニャ:ホリーには、伝えておいてって言ったわ。私は急いでるから、って。
ジョシュ:でも、なんで行っちゃうんだ?僕のこと、避けてるのか?僕たち仲直りしたと思ってた。
アーニャ: 避けてなんかない。家族が待ってるから、ほんとに帰らなくちゃならないの。それに、あなたはお母さんを見つけたんだし、もうやっていけるでしょ?
ジョシュ:うん、でも・・・。まだ話したいことがあったのに・・・。言おうと思ってたんだ。僕には、きみが必要なんだ、アーニャ。
アーニャ:ジョシュ、やめて。
ジョシュ:アーニャ・・・。
マンド:アーニャ!アーニャ!
アーニャ:マンド?マンド!どうやってここがわかったの?
マンド:簡単だよ、あちこち聞いてまわったんだ。テレサおばさんが、きみの居場所を教えてくれた。あの別荘にはいなかったけど、この島に来てるって聞いたんで。それで、俺の参上ってワケだ!マンドになんなりとご用命を、ってな!(ジョシュに握手を求めて)俺はマンドだ。アーニャのボーイフレンド。
アーニャ:マンド!
マンド:本当のことだろ!男の友達、つまり、ボーイフレンドだ!
アーニャ:(ジョシュに)近所の人なの。
マンド:そして、求婚者だ。
アーニャ:やめないと、ぶつわよ!
ジョシュ:きみは求婚されてるのか?それで迎えに来たのか?
マンド:そうそう!俺がアーニャを連れて帰って、家まで無事に送り届けるぜ。
ホリー:アーニャ!ねえ本当に大丈夫?一緒に家に帰ることもできるのよ、そしたらもっと楽しいと思うわ。
アーニャ:私はほんとにいいの、ホリー。ほら、迎えも来てくれたから、ふたりで家に帰るわ。
マンド:そうしようぜ!アーニャに早く帰ってきて欲しいって伝えてくれって、お袋さんには頼まれてんだ。
ジョシュ:本当に大丈夫なのか?
マンド:よお、アーニャの面倒は俺が見るからよ!俺が守ってやるぜい、朝から晩・・・、えーと、1日のうちずっと?
アーニャ:まともな英語すらしゃべれないの、あんたは・・・。
マンド:さ、行こうぜ!
ホリー:気をつけてね!

【海岸】
カーラ:ねえ息子、なにか考え込んでるようだけど・・・。女の子のこと? ふふっ、そうだと思ったわ!女の子のことね!あなた、好きになっちゃったの?
ジョシュ:わからないんだ、お母さん。ただもう、おかしな感覚で・・・。 幸せなんだけど、でも怖くもある。まるで胸が張り裂けそうだ。
カーラ:それはとても強烈な感情ね・・・。その幸運な少女は誰なの?
ジョシュ:すごく素敵な娘なんだ、お母さん。僕たち友達になったばかりで、とても新鮮で刺激的なんだけど、だから怖くもある。ふたりの友情を壊したくない。
カーラ:ねえ息子、なんであろうと自分の気持ちを隠してはだめ。打ち明けなくちゃ。そうしないと、心が参ってしまうのよ。
ジョシュ:ほんとに?
カーラ:ほんとうよ。だからその娘に、愛してるってことを伝えなくちゃ。本当の気持ちを伝えるのよ。

【アーニャの家】
アーニャ:お母さん!
テレサ:うわあ、セレブみたいに美しい私の娘が帰ってきた!ねえ、どうだった?
マンド: な?テレサおばさん!アーニャをあの遠おーく離れたバタンガスから、無事に連れて来たぜ。並々ならぬ困難をくぐり抜けて、この俺が連れ戻してきた!
ボルタ:今年の最優秀男優賞決定ね!あなたったら、すごい激情だわ!その言いっぷり、まるで前代未聞の成果でも遂げたよう!
マンド:だってそうだろ?違うか?
ボルタ:そうだわ、ね~え、まさかあなたとジョシュ、もう付き合ってるんじゃないでしょうね?
マンド:おいおいおい、聞こえてるぞ!
ボルタ:あんたに聞こえてるからって、なんなの?そういえば、ジョシュはどうしたの?
テレサ:そうよ、ジョシュはどこ?
アーニャ:まだバタンガスにいるわ。ついにお母さんに会えたの。
テレサ:それはよかった!!やっと再会できたのね。私はね、あの青年が大好きなの。いい子だわ。ジョシュは好青年よ。
ボルタ:それに、すごく寛大だし。
アーニャ:寛大?
ボルタ:そう、寛大。そうだ、あなたまだ知らなかったのよね!ジョシュは、あなたのお母さんにお金を残してくれたのよ。
アーニャ:お母さん、それほんと?
テレサ:そうよ、ジョシュがお金をくれたの。アラジンが見つけたのよ。中には手紙も入ってた。私たちの手助けをしたかった、って書いてあった。借金を払って、お店を開く手助けをしたいって。それが、これなの。なんとか私たち、ちょっとしたお店を始めることができたのよ。
ボルタ:ジョシュってなんて優しいのかしら・・・。私、感動しちゃった。
テレサ:これ全部、ジョシュのおかげで買えたの。
ボルタ:あらまあ・・・。誰かさんが嫉妬してるようねえ?さあ、マンド、行きましょ!私、もう家に帰るから、一緒に行きましょ!そんなふくれっつらはやめて!気難しい子ね!

【海岸】
ホリー:ジョシュ?
ジョシュ:ん?
ホリー:聞きたいことがあるの。
ジョシュ:なに?
ホリー:あなた、恋してるの?
ジョシュ:・・・。
ホリー:言っていいのよ。私たち、友達でしょ?だから、私に教えて。
ジョシュ:でも・・・、言うにはまだ、早すぎる気がするんだ。
ホリー:人を愛するのに、早いも遅いもないのよ、ジョシュ。
ジョシュ:そうだね。誰かを愛する気持ちを抑えるべきじゃない。たとえそれが、あっというまに落ちた恋であったとしても。
ホリー:じゃあ、教えて・・・。誰と、恋に落ちたの?


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Nandito Ako (16) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード16


【海岸】
アーニャ:助けて!誰か助けてください!!
(カーラが通りかかる)
カーラ:私の家に運びましょう!エミル!エミル!手伝って!
(エミルが駆け寄る)
カーラ:この子を家まで運ぶのよ!!

【カーラの家】
エミル:さいわい傷が浅くてよかった。このあたりには診療所がなくて。
アーニャ:大丈夫でしょうか・・・?
エミル:ああ、大丈夫そうだよ。
カーラ:この長い年月・・・、何年ものあいだ・・・、恋しく思い焦がれてきた・・・。ねえ、エミル?
エミル:さあ、もう休ませてあげよう。
カーラ:私の息子!私の息子!
アーニャ:あなたの、息子・・・?
カーラ:この子の名前はジョシュでしょう?ジョシュ・ブッラドリー。
アーニャ:そうです・・。
カーラ:私はカーラ・・・、この子の母親よ。
アーニャ:ジョシュのお母さんなの?ジョシュは、あなたを探しにここまで来たんです。
カーラ:私、マニラに行くつもりだったの。でも・・・。
エミル:俺が病気になって、その日カーラは、看病のため行けなくなってしまった。俺は、自分を許すことができなかった・・。俺のせいでカーラは、何年も待ち焦がれた息子と会うチャンスを逃したんだからな。
カーラ:ジョシュはもう、アメリカへ帰ってしまったと思ってたの・・・。
アーニャ:ジョシュは、あなたを探すため、スティーブ叔父さんがら逃げてきたんです。ジョシュは、あなたをとても愛しています。
カーラ:私も息子のこと、死ぬほど愛してるわ・・・。息子、あなたをとってもとっても愛してる。ジョシュの手助けをしてくれて、ありがとうね。ここまで来て、私たちを見つけるのを手伝ってくれて・・・。

【ホリーの家】
マルガレート:ヤヤ、ホリーから電話はあった?
ヤヤ:まだです。私は心配になってきました。今度ばかりは本当に、なにかトラブルがあったんじゃないかと思いまして。
マルガレート:あの子は自分から出て行ったんだから、自分で戻る方法を見つけるべきよ。
ヤヤ:でも奥さま、ホリーのような子どもが考えることですから。あの年代は、軽はずみな子どもじみたことをするものです。探しに行ったほうがいいと思うんです。あの子を見放してはなりません。
マルガレート:私にどうしろって言うの、ヤヤ?ラジオ局にでも行けと?そもそもは、あなたがあの子を甘やかすから、こんなことになったんだわ!角を伸ばしただけじゃなく、私に牙までむいて!
ヤヤ:もしかしたら、お友だちのアーニャといるのかもしれません。アーニャのところに行ったのかもしれませんよ。
マルガレート:住所はわかるの?
ヤヤ:はい、わかります。いまお持ちしますので少しお待ちください、奥さま。

【カーラの家】
ジョシュ:アーニャ・・・?アーニャ・・?!
アーニャ:ジョシュ!よかった、目が覚めたのね!
ジョシュ:アーニャ・・・。
アーニャ:ここにいるわ。
ジョシュ:よかった・・・。きみがいなくなってしまったかと・・・。
アーニャ:ジョシュ、どうして私がいなくなるって言うの?私は、どこにも行かないわ。危険な目にあったのは、あなたなのよ。私、とても心配したんだから。
ジョシュ:僕はもう、大丈夫だよ。 な、僕タフだろ、アーニャ? ランパなんかじゃない。(起き上がって) ところで、ここはどこ?
アーニャ:私たちがいまいるこの場所は・・・、あなたのお母さんの家なの、ジョシュ。
ジョシュ:え?
(カーラが入ってくる)
カーラ:ジョシュ・・・。
ジョシュ:お母さん・・・。ほんとうに、お母さんなの? (抱き合う)この15年間、毎日、お母さんのことを思ってた。
カーラ:私もよ、息子。あなたを長い間、探し続けた。

【アメリカ大使館前】(回想シーン)
カーラ:手を放して!なんだと言うの?私の息子が中にいるのよ!中に入れてちょうだい!!
警備員:どうかお引き取りを。
ミレーヌ:あんたたちなんなの!?中に入れなさいよ!この人は、あの子の母親なのよ!あの外国からやってきた叔父ってのは、あの子を連れて行くなんの権利もないんだから!だから中に入れなさい!
カーラ:中にいる子どもは、私の子どもなの!だから入れて!私の息子!

【カーラの昔の家】(回想シーン)
ミレーヌ:ねえ、どうだった?
カーラ:また拒否されたわ。また私のビザが却下された。
ミレーヌ:うそでしょ?!いったいこれまで何回申請してるの?もっと思いやりある対応はできないっての?別に不法滞在しよう、ってんじゃなくて、ただ息子を探したいでけなのに!なんで、それがわからないわけ?
カーラ:わからない、ミレーヌ。もう、私にはわからない!どうすれば自分の息子を取り戻せるの?どうやって、ジョシュを探せばいいの?

【カーラの家】
カーラ:私がどれほど会いたかったか、あなたに知ってて欲しかった。二度と会うことなく、お墓に入ることになるとさえ思ったわ。
ジョシュ:僕はずっと信じてきたよ、お母さん。いつかまた会えるって、僕にはわかってた。僕には、わかってた。
(抱き合う)

【カーラの家】
ジョシュ:ここには、どのくらい長くいるの?
カーラ:もう、しばらくになるわ。あなたがいなくなってから数年後に、こっちに帰ってきたの。もう一度やり直そうと思って。でも、それはものすごく辛いことだったわ、ジョシュ。また家族を築こうと思って、再婚もした。彼はエミルっていうの。いい人よ。私が立ち直るために、すごく助けになってくれた。
ジョシュ:その人はどこにいるの?会いたいよ。
カーラ:釣りに行ってるわ。でももうすぐ戻ってくるから、会えるわよ。
ジョシュ:その人は、僕が誰だか知ってる?
カーラ:私に息子がいるって、知ってるわ。彼に隠し事はしてないの。
ジョシュ:(バッグから時計のバンドを出して) あの火事のゴタゴタで、壊れちゃった。でも、無くさないようずっと持ってたんだ。
カーラ:私があげた腕時計の片割れだわ!ずっと持ってたの?
ジョシュ:ずっと、肌身離さず持ってた。唯一のお母さんの思い出だったから。どこに行くのも一緒。お母さんが言ったように、毎日、毎時、毎分、毎秒、お母さんのこと思い出してた・・・。
(抱き合う)

【カーラの昔の家】(回想シーン)
カーラ:ジョシュのお祝いは、どんな感じかしら・・・。誰とお祝いしてるのかしら・・・。
ミレーヌ:お友だちを呼んで、お誕生会してるかもよ。
カーラ:今日でジョシュは12歳。背が伸びたに違いないわ!今頃、なにを思ってるのかしら? 思い出すの・・・、ジョシュが3歳だったとき、私にはほんとうにお金がなかった。でもがんばって働いて、なんとかジョシュにケーキを買ってあげられたの。ケーキを見たジョシュは、舞い上がってたわ、ミレーヌ。すごく嬉しそうだった。
(ケーキのろうそくを灯し、プレゼントを持って)
カーラ:ジョシュ、お誕生日おめでとう。あなたの笑顔を、いつか見ることができますように・・・。とても愛してる・・・。 ねえミレーヌ、ジョシュはまだ私のこと、覚えてると思う?もし、私のこと忘れちゃってたら、どうしよう?
ミレーヌ:そんなこと言わないで。覚えてるにきまってるでしょ、あなたはお母さんなのよ。絶対に、ジョシュもあなたのことを思ってるって。

【カーラの家】
カーラ:ジョシュ・・・、この15年間・・・、15回の誕生日が過ぎた・・・。でも一度だって、あなたの誕生日を忘れたことはなかったわ。(15個のプレゼントを渡して) お誕生日おめでとう、私の息子・・・!

【カーラの家】
エミル:カーラ!カーラ!今日の収穫を見ろ!サバとエビがたくさん捕れたぞお!
カーラ:ジョシュ、この人がエミルおじさん、私の夫よ。
ジョシュ:僕のお母さんを大切にしてくれて、ありがとう。
エミル:来てくれてほんとよかったよ。きみのお母さんは、ついにきみに会うことができた。
ジョシュ:うん、今日は、人生で最高の日だよ。
エミル:さて、料理を始めようかな!今日は特別なごちそうだ!盛大なお祝いをするぞ、いいな?じゃ、俺、始めてるからな!
アーニャ:おじさん、おはようございます!
エミル:おう!ゆっくりしてけよ!

【アーニャの家の近所】
友人:なんでそんな浮かない顔してんだ、マンド。なんかあったのか?
マンド:なんでもねえ。ただ、ちょっと心配でよ。アーニャがバタンガスにいるんだ。テレサおばさんに聞いたんだけどよ。
友人:それがなんだ?
マンド:それが、男と一緒なんだってさ。アメリカ人だ。どうやら会ったばかりのようなんだが。
友人:そりゃおまえ、自分が悪いんだろ。おまえがトロいから、そのアメリカ人に先を越されちまうんじゃねえか。
マンド:アーニャは俺の親友なんだよ、そうだろ?もし、アーニャに告白して拒否されたらどうする?そしたら、アーニャと顔を合わせられなくなる。アーニャの顔を毎日見られなくなるなんて、考えられねえ。
友人:おまえは消極的すぎるんだ。そのアメリカ人のほうが優勢になったら、どうすんだ?
(マンド、去ろうとする)
友人:待てよマンド!どこ行くんだ?
マンド:そんなことはさせねえ。アーニャを、バタンガスから連れ戻してくる。

【バタンガスの海岸】
カーラ:息子を助けてくれて、どうもありがとうね。
アーニャ:いいんです。
カーラ:もしあなたの助けがなかったら、息子と私は会えていなかったかも。
アーニャ:ジョシュとは知り合って間もないですけど、わかったことは、彼は、やると決めたら必ずやりとげる人だということです。決してあきらめない。私がいなくても、あなたを見つけていたでしょう。
カーラ:それでも、感謝の気持ちに変わりはないわ。少なくともジョシュは、この地でお友達を見つけることができた。彼ひとりで探してたら、大変だったはずよ。だから、どうもありがとう。
アーニャ:ジョシュを助けたのは私だけじゃないんです。もうひとり、友達がいます。
カーラ:誰なの?
アーニャ:ホリーっていう子です。

【アーニャの家】
ボルタ:はい、これは甘いタレで食べてね。そっちのは辛いわよ。
近所の人:テレサおばさん、誰かがおばさんを探してるよ。
テレサ:誰が?
近所の人:そこに止まってる車にいる。
ボルタ:まあ、すごい!車ですって!バーベキューを買いに来たのかしら?全部買ってくれるかもよお。
(車からマルガレートが降りてくる)
テレサ:ここで何してるのよ?
マルガレート:あなたがアーニャ・ディオニシオの母親?
テレサ:そうだけど、何か? 私の娘に何か用?
マルガレート:ふん、道理でね!あなたの娘が私の家に上がった途端、家中にビヤホールの匂いが充満したわけだわ!だって母親がこれだもの!
ボルタ:ちょっとお待ち!この女、ずいぶんとげとげしいわね!あなた、バーベキュー買いに来たの?それとも侮辱しに来たの?
マルガレート:あなたには話してないわ。
テレサ:私の娘を引きづり込むのはやめなさい!
マルガレート:もう遅いのよ。というのも、成り上がり主義で金目当てであるあなたの娘は、私の娘の友だちなんだから。
テレサ:じゃあ、あんたは・・・。
マルガレート:そうよ、私はホリーの母親。ホリーはどこ?
ボルタ:ちょっと!私たちが遺失物事務局にでも見える?
マルガレート:ホリーが家を出たのよ。
ボルタ:だからなに?
マルガレート:あなたの娘が、うちの娘の唯一の友だちなのよ。だから、どこなの?
テレサ:ここにはいないわ。だから、お引き取りくださいませ!
マルガレート:あなたの娘と話をさせなさい!
テレサ:アーニャはいまいない。いたとしたって、あんたと話なんかさせるもんか。
マルガレート:なぜ?あなた、怖いの?自分の惨めな過去を娘に知られるのが。それとも、もう知ってるのかしら?それどころか、あなたなら娘が同じ道を歩むための準備を、すでに始めてるに違いないわね。
テレサ:このろくでなし!恥知らずめ!とっとと帰んな!さもないと串刺しにしてやる!!帰れ!帰れ!
マルガレート:うちの娘がこんな汚くて臭いところにいなくて、よかったわ!あんたの娘が友だちだなんて、許すもんですか!
テレサ:さっさと帰れ!二度と来んな!
マルガレート:ごくつぶし!
テレサ:おい、ちょっと戻って来い!この厚かましい女!

【バタンガスの海岸】
アーニャ:あなたが微笑むと、私もつい微笑んじゃう。笑顔がまぶしいわ。
ジョシュ:僕、すごく幸せだよ、アーニャ。もう心臓が破裂しそうだ!ほら、わかる?
アーニャ:頭を打ったからその影響かも?それで心臓がドキドキしてるのかもよ。まだ神経が高ぶってる?
ジョシュ:おばかさんだな!僕はもう大丈夫だよ。頭はもう痛くない。 僕は、世界一強い男だ!!それに世界一幸運な男でもある。
アーニャ:そうね、ほんとあなたは幸運よ。すべて持ってるもん。名声と富と・・・、そして、お母さん・・・。
ジョシュ:もうひとつ、ある。
アーニャ:まだなにか、持ってないものがあるの?


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Nandito Ako (15) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード15


【ホリーの家】
マルガレート:私は、あの子を養子になんかしたくなかったの!でも、ジェイムがどうしてもって言うから!でも、そのジェイムはもういないのよ。
ヤヤ:だからって、ホリーにつらくあたるのですか?
マルガレート:ヤヤ・ロサ、私がホリーをどうしようと、あなたにあれこれ言う権利はありません!私がホリーを食べさせているのですから、あの子を好きなようにする権利は、この私にあります!
(ホリーが階段を駆け上がる)
ヤヤ:ホリー!

【デュダイ叔母さんの家】
ジョシュ:ここ、気に入ったよ。すごくいい場所だね。とても静かで、町の喧騒から遠く離れてて。いい場所だ。
デュダイ叔母さん:あら?もしかして、ホリーのお友だち?
アーニャ:おはようございます、デュダイさん。私はアーニャで、このひとはジョシュです。
ジョシュ:はじめまして。
デュダイ叔母さん:あなたたち、恋人同志(マッカシンタハン)?
アーニャ:違います!ただの友だちです。
ジョシュ:マッカシンタハンってなんですか?
デュダイ叔母さん:マッカシンタハンね。男の子と、女の子が、一緒。わかる?ボーイフレンドとガールフレンドのことよ!
ジョシュ:おー、なるほどー。
アーニャ:その通りです、デュダイさん。私たち、恋人同志じゃないです。ただの友だちです。私は、彼がお母さんを探すのを一緒に手伝ってるだけなんです。それだけ。
デュダイ叔母さん:それは、もったいないわあ!ここは、バタンガスでもすごくロマンチックな場所なのに。素晴らしい海の眺めと、涼しい風・・・。 凍える夜には、だれかを抱きしめたくてたまらなくなるの・・・。でも、まあいいわ。あなたたち、ここでの滞在を楽しんでね。さ、入って、入って!お部屋に案内するわ。入りなさいな!
アーニャ:行こう。

【アーニャの家】
ボルタ:ねえ、あなた!これ、ありえないわ!すごい数の請求書!あなた、借金に埋まっちゃうんじゃない。
アラジン:お母さん!お母さん!お母さん!
テレサ:はあい!
アラジン:これ見て!
テレサ:なに?
ジョシュの手紙:テレサおばさん。あなたは僕に、ものすごく親切にしてくれた。自分の息子のように接してくれて、ありがとう。ここを去る前に、あなたの手助けをしたかった。もしよければ、このお金をお店を開くなどなにかの役に立ててください。どうか、今回は受け取ってください。このお金があれば、アーニャも喜ぶと思います。ジョシュより。
ボルタ:きゃああ!お金よ!すごい大金だわ!まるで、宝くじにでも当たったみたいだわ!
テレサ:ジョシュがこのお金を・・・? ジョシュが、私の借金を埋める手助けをしたいって・・。
ボルタ:なんて優しいのかしら。やっぱり私の義理の息子には、ジョシュしかいないわ。
アラジン:お母さん!これで支払いができるね!
ボルタ:それだけじゃないわ。あなた、自分のお店をはじめる元手にできるわよ!

【デュダイ叔母さんの家】
(アーニャ、家の周りを歩きながら回想している)
ジョシュ:くだらなくなんかないよ!恋は、魔法のようなものなんだ。お母さんがよく言ってた。お母さんとお父さんが恋に落ちたとき、魔法のようだったって。まるで、おとぎ話かなにかのようだったって。きみは、魔法を信じる?
アーニャ:昔はね。でも今は、もう信じてない。
ジョシュ:なぜ?
アーニャ:なぜなら、そんなもの存在しないから。
ジョシュ:ただそう言ってみせてるだけだろ?いままで恋をしたことないものだから。

【ホリーの家】
ヤヤ:ホリー・・・。
ホリー:ヤヤ、あなたは知ってたのに、私に教えてくれなかった。なんで、ずっと秘密にしてたの?
ヤヤ:ホリー、私を許してくださいな。
ホリー:ヤヤは知ってた!ずっと知ってたのに!なのに、私にウソを信じ込ませてきた。
ヤヤ:ホリーはお母さまの養子かもしれませんが、それでも、お母さまの子どもなんですよ。
ホリー:書類上のね・・・ただの肩書だわ・・・。私の心の中では、そんなふうに感じたことなかったのよ、ヤヤ。でも、いまとなって、すべてがはっきりした。どうりで、お母さんが愛してくれないわけだわ。私、別の家族にもらわれればよかった・・・、私を受け入れてくれる家族・・・、血は繋がってなくても、同じように愛してくれる家族に・・・。いまのお母さんとは違って・・・。
マルガレート:恩知らずめ!!
ホリー:お母さん、やめて!
マルガレート:私が母親じゃなかったらよかっただなんて、よくも言えたわね!どうしてそんなことが言えるの?!私がどこで間違ったと言うの?!衣服をあたえて、いい生活させてやってるでしょ!今まで飢えたことがあって!??
ホリー:でも、愛してはくれなかった!!この洋服のことを言ってるの?!この部屋?!この大きな家?!財産?!お母さん、私はそんなもの、欲しがったこと一度もない。お母さんなの・・・。お母さんが、私が必要としていたすべてなの。お母さんが、私が求めているものなの。私には、お母さんの愛が必要なの!どうして、それを与えてくれないの?お母さんは自分勝手よ。ものすごく、自分勝手だわ。
マルガレート:どうして?どうしてあんたが、愛されるに値すると言うの?あんたはうちの面汚しだ。反逆者だ。あんたは頭痛の種でしかない。あんたが来たところへ戻るのが、当然の報いなんだ!
ホリー:本当に、私にいてほしくないと思ってるんだね、お母さん・・・。
(ホリー、部屋を出て行く)
ヤヤ:ホリー!ホリー!どこに行くのです!?
マルガレート:ヤヤ、ほっときなさい。行かせてやるわ。そのうち、思い知って帰って来るわよ。

【海岸】
ジョシュ:それ、持ってあげるよ。
アーニャ:大丈夫。
ジョシュ:ほんとに?
アーニャ:ほんと。
ジョシュ:僕のこと、なんか怒ってる?
アーニャ:べつに。
ジョシュ:ならどうして、そんなにマスンッギトゥ(むっつり)してるんだ?
アーニャ:むっつり?私、むっつりなんかしてないわ!だいいち、そんな言葉、どこで覚えたの?
ジョシュ:きみの弟のアラジンが教えてくれた。ほかにも、知ってるタガログ語はあるよ。たとえば・・・、マハル・キタ(愛してる)、とかさ。
アーニャ:あのねえ、いまは、私たちがここに来た目的を考えようよ。あなたのお母さんを探すってこと。そういう、くだらないことじゃなくて。これ見て。この地図によると、あなたのお母さんは島の反対側にいるはず。カヌーに乗らないとだめだわ。あ、船頭さんがいる!行こう、早く!お兄さん!お兄さん!(つまづいて転ぶ)
ジョシュ:大丈夫?!
アーニャ:大丈夫だから、先に行ってて。ひとりで立てるわ!
(ジョシュ、アーニャを担いでカヌーに乗る)

【アーニャの家】
アラジン:お母さん、いい匂い!お母さんのバーベキューは風味バツグンだね!お客さんがいっぱい来ればいいね!
テレサ:私の息子は、いい子だわ~。
タシン:あらまあ、なにかと思えば!今度はべつの肉体の取引に移ったようねえ!ご自分の肉体を売るのは、もう飽きちゃったのかしら~?それで、違う種類の肉体を販売してるってわけ~?
ボルタ:またこの老女のお出まし?なんでなの?私たちになにかご用?
テレサ:ほっときなさいよ。この人、ほかにすることがないのよ。いちゃもんつけたくて、うずうずしてるだけなの。
タシン:なによ?私はただ、どうやってあんたがそんな店を出せたのかしら?って思っただけよ。もしかしてあんたの上の子が、いよいよ身体を売りに出したのかしらあ?ってねえ。
テレサ:下品な女!なんて失礼な!!(襲いかかる) 私の過去はいくらでもほじくるがいいわ!でも、子どものことを言ったら承知しないよ!!
タシン:なんだって!本当のことを言っただけだろ!この親にしてこの子ありだ!
テレサ:厚顔無恥め!
タシン:本当のことだろ!
テレサ:今度、娘のことを侮辱してみろ!おまえをバーベキューにしてやる!ほら戻って来い、ソースにしてやるから!どこに行く!戻って来い!

【道】
運転手:どこまでですか?
ホリー:バタンガス行きのバスターミナルまで、お願い。

【海岸】
ジョシュ:足、まだ痛む?
アーニャ:大丈夫、ありがとう。
ジョシュ:僕のほうこそ、ありがとう。きみのおかげで、ここまで来れた。もうすぐ、お母さんに再会できるんだ。きみには借りができたよ。
アーニャ:実際には、ホリーのおかげよ。彼女にもっと感謝すべきだわ。すべて、ホリーが考えたことだもん。私はただ、やらされただけ。
ジョシュ:そうであっても、きみに感謝には変わりない。
アーニャ:お母さんを見つけてから感謝してくれればいいから。わかった?
ジョシュ:わかった。
アーニャ:じゃあ、ついてきて。
(女性が通りかかる)
ジョシュ:お母さん・・・?お母さん!!
アーニャ:ジョシュ?!
ジョシュ:(女性に抱きつくが、人違い) すみませんでした。お母さんかと思ったもので・・・。
アーニャ:ジョシュ!いったい、なに考えてるのよ!ほら、早くサングラスして!
ジョシュ:悪かったよ。お母さんだと思ったんだ。
アーニャ:そうだとしてもよ!もっと慎重に行動したら!? あなたの顔はよく知られてるんだから、いつひとに気づかれるかわからないのよ!!私の言うこと、わかってる!?
ジョシュ:ああ、わかってるよ!そんな言い方はやめてくれ!
アーニャ:どんな言い方よ!?
ジョシュ:子ども扱いした言い方だ!
アーニャ:あなたが子どもじみてるからよ!未熟者!
ジョシュ:僕は未熟なんかじゃない。ただ、お母さんに会いたいだけだ!
アーニャ:誰だって会いたいに決まってる!あんたのお母さんをほんとうに見つけたい人がいるとしたら、それは私よ!そしたら、この責任から解放されて、家に帰れる!
ジョシュ:きみはどうしてそうなんだ?いつも、僕に怒ってばかり!僕はきみに、なにも悪いことなんかしてないのに!
アーニャ:あんたがうっとうしいからよ!
ジョシュ:アーニャ、きみはほんとに、僕がお荷物だと思ってるのか?それとも、僕のこと好きだから遠ざけようとしてるのか?

【海岸】
アーニャ:好きとかなんとか、いったいなんの話よ?
ジョシュ:認めろよ、アーニャ。きみは僕に恋をしてる。でも僕を好きになったことを、受け入れられないんだ。図星だろう?え?!
アーニャ:(ジョシュの頬を叩く) あんたひとりで行けば!

【バス・ターミナル】
(ホリーがアーニャに電話するが出ない)
ホリー:なにかあったのかしら・・・?

【アーニャの家】
テレサ:なんでこうなっちゃうの、ボルタ?私はもう、生き方を変えたのに。自分のためじゃなくて、子どもたちのために。なのに、どうしてうまくいかない?
ボルタ:落ち着いてよ。世の中には、他人をねたむやつらが多いのよ。そいつらに治療薬はないわ。そして、ねたみはウイルスのようにあっというまに広まるの。もう、ほっときなさい。
テレサ:私はただ、子どもたちにきちんとした人生を送ってほしいだけ。もし私が働かなかったら、家族はどうやって生きて行けばいいの?なんであいつらは、私のすることにいちいち首をつっこむの?
ボルタ:ねえ、あんなデブ女の言うことなんか気にしちゃだめ!私があいつの毛を引っこ抜いてやるわ!ああもう、腹が立つ!さあ、もう気にせずに、バーベキューのお店を続けましょう。私の美貌を武器にすれば、お客さんがたくさん来るわよ!お客さんがたくさん来たら、お金をたくさん稼げるわ!

【海岸】
アーニャ:あの男は、自分がそれほどハンサムで、女性はみんな自分を好きになると思ってるらしい!自分が有名人だから?!なんて傲慢な男!厚かましい!私は好きになんかならないからね!それで、私がフェアじゃないっていうの?ふん、あんたが私なしでどこまでやれるか、見てやろうじゃないの!せいぜいひとりでがんばれば!?
(男が歩いて来る)
アーニャ:すみません、町へ戻る足はありますか?(酔っ払いだと気づき) あ、いいです・・・。
(男が襲い掛かる)
アーニャ:助けて!放して!放してったら!!

【デュダイ叔母さんの家】
デュダイ叔母さん:これはこれはホリー、突然で驚きましたよ!来るなら事前に連絡くれればいいのに。
ホリー:思い立って来ちゃったの、ごめんなさい。
デュダイ叔母さん:お食事は済んだの?
ホリー:まだだけど、大丈夫よ。お腹すいてない。
デュダイ叔母さん:あなたのお友達は、先ほど到着したわよ。アーニャと、あのアメリカ人の男の子。
ホリー:いま、ふたりはどこ?
デュダイ叔母さん:あのアメリカ人の男の子のお母さんを探しに、島の反対側へ向かったの。
ホリー:追いかけて行けば会えるかな?
デュダイ叔母さん:もう引き返してるころだと思うわよ。待ったらいかが?
ホリー:じゃあ、電話してみよう。
デュダイ叔母さん:私は、なにかおやつを用意するわね。
ホリー:ありがとう。(電話するが出ない) ジョシュ、アーニャ・・・。ふたりが無事ならいいけど。

【海岸】
アーニャ:放して!放してよ!
ジョシュ:アーニャ!
(ジョシュが駆け寄って男を殴る)
アーニャ:ジョシュ!

【デュダイ叔母さんの家】
(ホリーを突然頭痛が襲う)

【海岸】
(ジョシュが殴られる)
アーニャ:ジョシュ!!
(ジョシュ、オールで殴られて気絶する。アーニャが駆け寄る)
アーニャ:ジョシュ!ジョシュ!!誰か!助けて!!

【デュダイ叔母さんの家】
(ホリー、ベッドへ倒れ込む)

【海岸】
(女性が通りかかる)
アーニャ:すみません!助けて!助けてください!!


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Nandito Ako (14) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード14


【ボルタのヘアサロン】
ジョシュ:(アラジンの靴を見ながら) これ、自分で直したの?
テレサ:ジョシュ、コーヒー飲む?いま淹れてあげるね。
ジョシュ:ううん、僕はだいじょうぶ。
テレサ:いいの、いいの、ぜんぜん手間じゃないから!いま淹れるね。
ジョシュ:ほんとに僕は結構です、ありがとう。ただ、これをあなたに渡したくて。(お金を差し出す) あなたが僕にしてくれたことに比べれば、たいした額じゃないけど、でも、できる範囲で手助けしたかったんだ。
テレサ:ジーンときちゃった、ジョシュ。ありがとうね。でも、これはもらえない。ほら、とっていて。
ボルタ:ちょっと、待って!待ちなさいって!なんてもったいないことするの!ひとの優しさを拒むもんじゃないわ!ほら、もらって!
テレサ:どんなにお金が必要だからって、私は施しに飛びついたりしないの。他人の親切心につけ込んだり、むやみに利用するべきじゃない。そんなことするから、他国の文化から私たちは、みんな金目当てだって思われちゃうのよ。もっと誇りを持つべきよ。
ボルタ:私、なんだか泣きそう・・・。それでも、ここはもらっとくべきと思うけど。
テレサ:ジョシュ、このお金は、あなたがお母さんを探すために使って。ほら、持ってて。ありがとう。ほらほら、しまって!じゃ、コーヒー飲む?
ボルタ:お金、ほんともったいないわあ・・・。
テレサ:もう、いいの!
(ドアをノックする音、アーニャが帰宅)
ジョシュ:ホリーはどうだった?大丈夫だった?
アーニャ:ジョシュ、ホリーは大丈夫よ。スティーブ叔父さんも、ホリーに対してなにも悪いことはしてないって。だから、ジョシュは心配しないように、ってホリー言ってた。
ジョシュ:無事でよかった・・。
テレサ:それで、ホリーとジョシュはいつ、お母さんを探しに出かけるの?
アーニャ:ジョシュ、申し訳ないんだけど、ホリーはもう一緒にバタンガスへ行けなくなったの。ホリーのお母さんが厳しく見張ってるのよ。それに、どうやらあなたの叔父さんが、ホリーを尾行するように手配したみたいなの。私、さっき気づいたんだけど、ホリーの家から帰るとき、男が私をつけてきてた。でも、その男はうまくまいてきた。
テレサ:ウソでしょ!?
ジョシュ:なんだって?
ボルタ:頭が:おかしくなりそう!
ジョシュ:なにがなんでも自分の思い通りにしようとしてるんだ!
ボルタ:待って、待って!てことは、これからは今までの3倍は注意しなくちゃならないわね。いつスティーブ叔父さんがここに現れるか、わからないわ!
ジョシュ:明日の朝早く、僕はここを出たほうがよさそうだ。
テレサ:ちょっと待った!じゃあ、誰と一緒に行くの?
アラジン:お姉ちゃん以外に誰がいるのさ!
ボルタ:そうよ~、一緒に行きなさい。
ジョシュ:いやいやいや、大丈夫、僕ひとりで行くよ。もうこれ以上、誰にも迷惑かけたくない。とくにアーニャには。もう十分すぎるほど、やってくれたから。
アーニャ:ジョシュの言う通りだわ。私、家のことをほっぽって行くわけにいかない。
ジョシュ:これまでのことはありがとう。
ボルタ:あなた、ジョシュと一緒に行ったらどうなのよお・・・、ほらあ・・・。

【アーニャの家】
(ジョシュ、荷造りしてる)
アラジン:ねえ、ほんとうに行かなくちゃだめ・・・?
(台所で)
アーニャ:あそこでなにしてたの?
アラジン:お姉ちゃん、ジョシュに悪いと思わないの?
アーニャ:なんで私が、ジョシュをかわいそうに思うのよ?ジョシュはお金持ちなのに。そもそもジョシュよりも、うちのほうが大変なのよ。
アラジン:でもお姉ちゃん、ぼくたちには家族がいるよ。お母さんもいる。でもジョシュには?叔父さんがいるけど、陰険なだけじゃなくてウソつきなんだ!
アーニャ:でも、ジョシュなら誰かほかの人に助けてもらえるわよ。
アラジン:ぼくがもっと大人なら、一緒に行ってあげるのにな。そしたら、ジョシュはお母さんを見つけられるでしょ。
アーニャ:あんたが?
アラジン:だって、ぼくはジョシュの気持ちがわかるんだ。ぼくも、お父さんに会いたい。お母さんは会わせてくれないけど。だから、ジョシュを助けてあげたいの。

【アーニャの寝室】
テレサ:ねえ、アーニャ。わかってるわよ。寝たふりはやめなさい。起きてるのはわかってるんだから。ジョシュのこと考えてるんでしょ?さっきジョシュと話してたとき、ジョシュの目が、どれだけお母さんに会いたいかを物語ってた。彼は、ひとりではどうすることもできなかった。マニラは初めてで、この場所に馴染みがないから。いま、ジョシュを助けてあげられるのは、あなただけなのよ。
アーニャ:でもお母さん、私、学校があるもの。もし、奨学金がさらに危なくなっちゃったらどうする?
テレサ:学校?だって週末よ!月曜日までには戻って来れるわよ!休暇だと思えばいいわ。そうだわ!荷物に水着も入れてあげる!ビーチがある場所に行くんでしょ?!
アーニャ:お母さん、なんでもかんでも冗談にするのはやめてくれる?
テレサ:冗談なんか言ってない、アーニャ。ジョシュには、あなたが必要なの。ジョシュと一緒に行きなさい。いい?
アーニャ:そのあいだ、お母さんとアラジンはどうするの?
テレサ:自力でなんとかするわ。私がすべて、やりくりするから。 さあ、おいで・・・。

【バスの中】
ジョシュ:きみが一緒に来てくれて、すごく嬉しいよ。感謝してもしたりない、アーニャ。
アーニャ:やめてよ。私のお母さんのために来ることにしたんだから。あんたのためじゃない。お母さんが、私に一緒に行くように、って言ったの。
ジョシュ:拒否することもできただろ?でも、しなかった。それで、僕たちふたりでお母さんに会いに行くんだ~!だから、どうかよろしく、アーニャ!(アーニャの手に手を重ねる)
アーニャ:(ジョシュの手をふりほどく)
ジョシュ:ねえ、アーニャ。ときどき、きみを見てると、僕のお母さんを思い出すんだ。
アーニャ:え?私ってそんな歳に見える?
ジョシュ:そういう意味じゃないんだ。言いたかったのは、きみは賢くて、意志が強い。僕のお母さんみたいに。お母さんは強い女性だった。僕をひとりで育ててくれた。それに、とてもかわいらしい人だった。だから、きみと似てる。
アーニャ:私をからかってるだけなんだわ・・・。(携帯が鳴る) もしもし?
ホリー:もしもし、アーニャ。そっちのようすはどう?いま移動中?
アーニャ:うん、いまバスの中。ふたりでバタンガスに向かってるとこ。
ホリー:ジョシュは?元気にしてる?
アーニャ:いま隣にいる。
ホリー:ありがとう、アーニャ。ほんとに感謝してる。私の愛するひとへの約束を果たせるのは、あなただけ。ところで、あっちの家の住所を送ったけど、受け取った?
アーニャ:大丈夫。道はすぐにわかるわ。
ホリー:じゃあ、ジョシュのお母さんの住所は?どうやって行くか、わかる?
アーニャ:ううん。でもあっちに行ってみれば、わかると思う。それに、ジョシュが地図持ってるし。
ホリー:アーニャ、ジョシュといま話せる?
アーニャ:もちろん。ちょっと待って。(ジョシュに携帯渡して) ホリーよ。
ジョシュ:もしもし?
ホリー:ジョシュ!調子はどう?
ジョシュ:大丈夫だよ。
ホリー:ジョシュ、バタンガスまで一緒に行けなくなってごめんね。
ジョシュ:心配しなくていいよ、きみの事情はわかるから。僕のほうこそ謝らなくちゃ。お母さんとのこと、こじらせちゃって。
ホリー:そんなこと、あなたにはなんの責任もない。私たち、もともと対立してたから。じゃあ、ジョシュ、もう切らなくちゃ。じゃあね。
ジョシュ:わかった、ありがとう。じゃ。
(バスが急停車する)
ジョシュ:大丈夫?

【アーニャの家】
アラジン:お母さん。
テレサ:なに?
アラジン:お母さんは、ぼくのお父さんのこと、すごく怒ってる?愛してもいなかった?
テレサ:本当のとこはね、私はあんたのお父さんを愛してたけど、お父さんが、私を愛してくれなかったのよ。私が妊娠してるってわかったら、突然どっかへ行ってしまった。二度と、戻ってこなかったの。
アラジン:お母さん、ごめんね。
テレサ:あんたが謝らなくてもいいのよ!ぜんぜん悪くないんだから。
アラジン:でも、ぼくのせいで、お父さんはいなくなったんだ。
テレサ:あんたはとはなにも関係ないの。お父さんが自分で決めたことなんだから。それに、お父さんがいなくなって私は傷ついたけど、でもいいの。大切なのは、お父さんはとっても素敵な贈り物を残してくれたってこと。なんだかわかる?あなたよ!
アラジン:ほんとに?お母さん?
テレサ:そうですとも!だから、あなたにはアラジンて名前をつけたの!だって、お話に出てくるアラジンは、いつも願いを叶えることができるんだもの。そして、あなたこそが、私の願いを満たしてくれる子なのよ。
アラジン:お母さん、ありがとう!
テレサ:アベルよ。
アラジン:アベル?
テレサ:それが、あなたのお父さんの名前。
アラジン:ジョシュお兄ちゃんが、お母さんに早く会えるといいなあ。そしたら、お兄ちゃんの願いも満たされるよね。
テレサ:ほんとそうよね。

【バスの中】
(アイスクリーム売りのベルの音)
パブリートの言葉:ベルの音が聞こえたら、それが恋に落ちた合図っすヨ!
アーニャ:アイスクリーム食べたいの?
ジョシュ:ううん。ただ、ちょっと思い出してたんだ。
アーニャ:今度はなに?私がアイスクリームに見える?
ジョシュ:あははっ。
アーニャ:もう、いい!私を笑えばいいんだわ!もう私、帰っちゃうから。バスを降りてやる!
ジョシュ:きみっておもしろいよアーニャ。笑った顔がまたいい。(頬をつつく)
アーニャ:からかうのはやめてくんない?少し寝たら?まだまだ先は長いのよ。
(ベルの音)
ジョシュ:どうしても笑っちゃうよ!

【ホリーの家】
(ホリーがアルバムを見ている)
ヤヤ:ホリー。どうかお母さまのこと、分かってあげようとして。
ホリー:ヤヤ、私、もう疲れたわ。できる限りのことをしてきたのに、いつも失敗しちゃう。いつも、間違っちゃうの。
ヤヤ:だからこそ、お母さまを分かってあげてほしいのです。
ホリー:私、ずっと分かろうとしてきたわ。でも、何度もお母さんに傷つけられて、もうなにも感じなくなってきた。ねえヤヤ、ときどき、私の親が違うひとだったらなあって思うことがあるの。違う家族に生まれたかった、って。裕福じゃなくてもいい。幸せならば。

【ホリーの家】
ヤヤ:お母さまの言うことには従いなさい。あの方は、それでもあなたのお母さまなのですから。もちろん、あなたが従わなければ、お母さまはお怒りになります。
ホリー:従う以外に私が、なにをしてるって言うの?お母さんの言う通りに、私はお母さんのためになんでもしてる。そうすれば、お母さんが私を愛してくれるかと思って。なのに、どうしてお母さんと心が通じあわないの?
ヤヤ:お母さまにもう一度、チャンスをあげてください。あなたはまだ、関係を修復できますよ。お母さまとお話しして、許してもらうようお願いするのです。謙虚になるのですよ。あなたは、娘でしょう。私が見てる限りでは、お母さまはそれでもあなたを愛していらっしゃいます。
ホリー:そうだといいんだけど、ヤヤ。ほんとうに、そう願うわ。だってあなたのように、血の繋がっていないひとですら、私のことを愛してくれてる。なのに、なぜお母さんはだめなの?なぜお母さんは愛してくれないの?自分の母親なのに。

【バスの中】
(アーニャが寝ているジョシュを見つめる)
ジョシュ:僕を見てる。
アーニャ:あんたが誰にも気づかれてないかどうか、確かめてただけよ。ほら、フードを下げて!もらった住所と地図はある?ちょっと見せて。
ジョシュ:自分で見てみようと思ったけど、無駄だった。見慣れない場所だから、どんなとこなのかぜんぜんわかんない。
アーニャ:なにこれ?私も地理は得意じゃないから・・。 ちょっと、今度はなんで私をまじまじ見てるの?
ジョシュ:きみはきれいだ。
アーニャ:もう、やめてったら!私たち、バタンガスへ行くことに集中しなくちゃならないの。そういうばかげたことはもう、やめ!
ジョシュ:本当のこと言っただけだよ!きみのボーイフレンドは幸せ者だな。
アーニャ:ご参考までに申しますが、私にボーイフレンドはいません!
ジョシュ:なんで?
アーニャ:私に、そんなことしてるヒマはないの。もう、いちいちそういうくだらない質問するのは、やめてくれない?
ジョシュ:くだらなくなんかないよ!恋は、魔法のようなものなんだ。お母さんがよく言ってた。お母さんとお父さんが恋に落ちたとき、魔法のようだったって。まるで、おとぎ話かなにかのようだったって。きみは、魔法を信じる?
アーニャ:昔はね。でも今は、もう信じてない。
ジョシュ:なぜ?
アーニャ:なぜなら、そんなもの存在しないから。
ジョシュ:ただそう言ってみせてるだけだろ?いままで恋をしたことないものだから。
アーニャ:なら、あなたは恋をしたことあるの?

【バスの中】
(車掌が町名を告げる)
アーニャ:ジョシュ!もうすぐよ。あと町をもうひとつだって。

【ホリーの家】
ヤヤ:マルガレート奥さま、お話があります。
マルガレート:なんなの?
ヤヤ:ホリーのことですが・・・。
マルガレート:ヤヤ・ロサ、あなたが話があるって言うと、いつもホリーに頼まれたことばかりなのね?
ヤヤ:違うんです。いま私が奥さまと話してることは、ホリーはなにも知りません。奥さま、私は、ホリーが気の毒でなりません。時を経るごとに、奥さまのホリーへの態度はどんどん厳しくなっていっています。
マルガレート:それは、ホリーが頑固だからよ!
ヤヤ:頑固だからですか?それとも、ただ奥さまが、ホリーを愛していないからではないですか?私は、奥さまがホリーを養子になどしなければよかったのにと、思うんです。
ホリー:(物陰から聞いて) 私は、養子なの・・・?


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Nandito Ako (13) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード13


【ホリーの家】
ヤヤ:奥さま、私の甥っ子なんです。緊急の用事があって・・・。

【道】
アーニャ:もしもし?ヤヤ・ロサ??
ジョシュ:誰から?
アーニャ:ヤヤ・ロサ・・・、ホリーの乳母からだった。ホリーのお母さんがホリーを見張ってて外に出れないから、電話するように頼まれたんだって。それから、あなたのスティーブ叔父さんが家まで来たって。
ジョシュ:なんだって?ホリーの様子を見に行かなくちゃ。ホリーになにかあったら、大変だよ!
アーニャ:ねえ、あなたの気持ちはよくわかる。私もホリーが心配よ。でも、いまホリーの家に行ったら、あなたはもっと面倒なことになるわ。もしかしたら、ホリーにとっても面倒なことになるかも。そのうえ、スティーブ叔父さんに見つかってもいいの?
ジョシュ:でも、ホリーが大丈夫かどうか、確かめないと。 僕のせいで、ホリーになにか悪いことが起こるなんて、あっちゃいけない。
アーニャ:なら、こうしたらどう?私のゴッド・マザーの家にいったん戻るの。そして、私がホリーのことを確かめに行く。
ジョシュ:ほんとに?僕も一緒に行くよ。
アーニャ:あなたがお母さんとアラジンと一緒にいれば、私も安心できるのよ。あそこなら安全だわ。もし、スティーブ叔父さんがあなたを見つけたら、もうお母さんを探せなくなるのよ。それでもいいの?
ジョシュ:ありがとう、アーニャ。僕を気遣ってくれて。
アーニャ:じゃあ、行こう。

【事務所】
スティーブ:もしもし?そうだ。ああ。もっとも腕利きの私立探偵をよこしてくれ。俺が知りたい情報をすべて必ず、つきとめさせろ。わかったな?じゃあ。
チー:不思議に思ってるんだけど、どうしてあなたは、フィリピンのことをそんなに気嫌いするの?ジョシュが自分の故郷に帰ることすら、嫌がったわ。あなたをそれほど怒らせるものは、なに?

【カーラの家】(回想シーン)
ハロルド:スティーブ、悪いが、僕は、カーラとはけっして別れない。
スティーブ:アメリカへ戻れば、もっとマシな人生が待ってるんだぞ。軍の仕事はやめて、普通の生活ができるんだ!
ハロルド:僕は軍にいたいんだ!カーラと一緒にいるためにね!僕の子どもを身ごもってるんだぞ!!
スティーブ:この女と一緒に暮らすことなんて、できないんだ!おまえ、気は確かか!!
ハロルド:スティーブ!兄さんが僕のためにしてくれたことはわかってる!でも、これは僕の人生なんだ!僕は、カーラを愛してる!なにが起ころうと、僕は、彼女のそばにいるぞ!!

【外】(回想シーン)
スティーブ:もしもし?
電話の主:スティーブ・ブラッドリーさんはいますか?
スティーブ:私だが。
電話の主:ブラッドリーさん、こちらは在マニラのアメリカ大使館です。
スティーブ:そうですか。それで?
電話の主:あなたの弟、ハロルド・ブラッドリーさんの件です。乱闘事件がありまして。
スティーブ:なんだって?彼はいまどこだ?無事なのか?
電話の主:亡くなりました。そのため我々がご家族へ連絡しています。誠にお気の毒です。

【病院】(回想シーン)
カーラ:ハロルド!ハロルド!!
スティーブ:バーでのケンカだって!?俺の弟は、おまえらみたいなフィリピン人のために、バーでのケンカで死んだって言うのか!? おまえらのような人間のせいで、無意味に死んだって言うのか!?
カーラ:彼は、私たちを助けようとしただけなの!ハロルドは、ケンカを止めようとしただけ!でもだんだん手が付けられなくなっていって・・・、ただ、私たちを守ろうとしただけなの!!
スティーブ:ハロルドはアメリカに行こうとしていた!でもここにとどまった!とどまることを選んだ!それで、こんなふうに死んじまったのか?無意味な死を遂げたってのか!おまえのせいで!
カーラ:まだわからないの!!あれは、事故だったのよ!!誰も望まない事故だったの!そう、あなたは弟を亡くした。でも私たちが亡くしたものはもっと大きいわ!
スティーブ:ここから出て行け。
カーラ:いいえ!私は愛する人を亡くした!私の赤ちゃんは父親を亡くした!!
スティーブ:この部屋から出て行け!
カーラ:あんたには、それがわからないの!
スティーブ:部屋から出て行け!俺の弟に近づくな!!出て行け!!
カーラ:いやよ!私にだってそばにいる権利がある!いやああああ!!

【事務所】
スティーブ:あの女が憎い。

【アーニャの家】
近所の人:テレサさん、ジョシュ・ブラッドリーは中にいるのかしら?
テレサ:ジョシュ・ブラッドリーですって?誰それ?
近所の人:ジョシュがバングスといるところを、見たんですけど。
ボルタ:あなた、なにを見たって?
近所の人:ふたりが一緒にいるのを見たんです。
ボルト:お嬢さん、お嬢さん、ちょいとお待ち。あなた、ドラッグかなんかやってるんじゃなくて?それ、副作用?違う?
近所の人:ジョシュに会えるまで、私、帰りませんから。
ボルタ:なら、倒れるまでそこにいることね。そんなことしても、ジョシュ・ブラッドリーなんかに会えませんから!さ、もう行ましょ。おかしな女!
(ドアを閉める)
ボルタ:あらまあ、困ったわ!どうしたらいいのかしら?あのおかしな女、真剣だったわよね。もしこのことを、ふれて回ったらどうしよう。
テレサ:ともかく、アーニャがジョシュを、もうホリーのとこに連れて行ってることを願いましょう。

【ホリーの家】
(ホリーがバルコニーから抜け出そうとしている)

【アーニャの近所の道】
アーニャ:早く!誰かに見られないうちに、ゴッド・マザーの店に戻らなくちゃ!
ジョシュ:そうだね、急ごう!(靴の紐がほどける) あ、アーニャ、待って!
(靴の紐を結んでいるところを、後ろから誰かが捕える)
(アーニャが振り返り、ジョシュがいないことに気づく)
アーニャ:ジョシュ? ジョシュ、どこなの???ジョーッシュ!!どこに行っちゃったの?

【ホリーの家】
(バルコニーから降りようとして動けなくなる)
ホリー:警備さん!!
警備の人:お嬢さん、なにをしようとしてるんです??
ホリー:ここに来て、手伝って!

【アーニャの近所の道】
アーニャ:ジョシュ?いったいどこにいるの?ジョシュ!出て来てよ!ジョシュ、どこ?!
ボルタ:シーッ!アーニャ!こっちよ!
アーニャ:ジョシュ!
ボルタ:静かにおし!もう!
アーニャ:ここでなにしてんの?
ボルタ:静かに!あんたの家は、いま人でいっぱいなの。ジョシュのファンたちが、あんたの家に押し寄せてるのよ!みんな、ジョシュの出入りを待ち受けてるんだから!わかった?
アーニャ:なにが?
ボルタ:んもう!ともかく静かにして!

【道】
チー:ロンドンから電話があったわ。
ビリー:で?
チー:ジョシュがヨーロッパ・ツアーをキャンセルしたっていう、ウワサが広まってるって。
ビリー:それで・・・、どうなっちゃうんだ?
チー:まあ、悪い評判がひとつ増えたってことね。でも、今回のは、かなり悪いやつよ。私は、スティーブのガミガミから逃れるために、出てきたの。
ビリー:それで、スティーブ叔父さんはどこなんだ?
チー:知らないわ。誰かと話でもしに行ったんじゃないの。ガミガミ・スティーブから離れて、いまここにいるのがホッとする。私、別のホテルに移動しようと思ってるんだけど。
ビリー:そう?じゃあ、荷造りでもしようか?
チー:ああもう!いったい、あのジョシュ・ブラッドリーはどこにいるのかしら!

【事務所】
スティーブ:この少女を尾行しろ。この女が、甥っ子をどこに隠しているのかを探し出せ。それから、甥っ子がさらわれたあの家に行って、怪しいと思われる人間は片っ端から見張れ。いいな?
私立探偵:かしこまりました。

【ボルタのヘアサロン】
ボルタ:あなたたち、ほんとたいしたもんね!いったいなにがあったの?
テレサ:鍵しめて!早く!
ボルタ:さあ、鍵したわよ!アーニャ、なにがあったの?ちゃんと説明なさいな!いったいどうして、あのトゥイーンたちが大勢あなたの家に押しかけるはめになったのよ?
アーニャ:ジョシュをホリーの家に連れてく途中で、ひとに見られちゃったのよ。それで、ウワサが広まったんだわ。そしたら、ホリーの乳母から電話があって、ジョシュを連れて来るな、って言うの。スティーブ叔父さんがホリーのとこに現れたんだって。ゴッド・マザー、こんなことになってごめんなさい。あなたしか、信用できる人はいなかったから。
ボルタ:なにも心配しなくていいのよ。そうじゃなかったら、私があなたのオカマのゴッド・マザーである意味がないでしょ? 私の魔法の杖で、奇跡を起こしてみせるわ!で、次の計画は?
アーニャ:どうすればいいか、わかんない・・・。だからこそ、ホリーに会いたかったんだけど。ホリーのことも心配だし。聞いたとこによると、ホリーのお母さんがホリーを監視してるようなの。
ボルタ:あらまあ・・・。
テレサ:ともかく、あなたはこの件について、ホリーと話をしないわけにはいかないでしょ。ジョシュをここから連れ出さないと。もし、ジョシュがここいるってことがニュースにでもなったら、近所の人たちが殺到するわよ。
ボルタ:ごもっとも!借金取りが押し寄せるわよ!
テレサ:かわいそうなジョシュ・・。
ボルタ:ほんと現実離れしてるわ!このジョシュ・ブラッドリーへのみんなの熱狂ぶりときたら!
ジョシュ:ほんとうにすみません。こんな面倒なことに、みんなを巻き込むつもりなかったのに。すごく恥ずかしいよ。
アラジン:どうして恥ずかしく思うの、お兄ちゃん?お兄ちゃんは、ぼくたち家族の一員みたいなもんだから、助けあうのは当然だよ!
ジョシュ:助けてくれてありがとう。ほんとに感謝してます。
テレサ:お礼なんていいのよ。どうってこと、ないんだから。

【ホリーの家】
マルガレート:家の真ん前であんな自殺行為、いったいどういうつもり?ほんとうにこの子は、頭を使わないのね!どこまで恥をかかせれば気が済むの!いらっしゃい!どこへ行くつもりだったの?!あのジョシュ・ブラッドリーのところ?!あの男は、あんたに問題の種を増やすだけだって、まだ分からないの!!
ヤヤ:マルガレートさま、もうじゅうぶんです!
マルガレート:今度また逃げようとしてごらん!あんたを動けなくしてやる!!
ヤヤ:もう、じゅうぶんです、じゅうぶんです・・。
ホリー:お母さん・・・!

【ボルタのヘアサロン】
アーニャ:じゃあ、お母さん、私、行ってくるね。そのあいだ、ジョシュのことよろしくね。外には行かせないで。なにか起こったら困るもの。
テレサ:そんなの、だめよね。
ボルタ:んまあ!この子から、この彼への、気遣う気持ちがひしひしと感じられるわ。なんでかしらねえ?
アーニャ:ゴッド・マザーってば、冗談ばっかり!私はただ、ジョシュがうちの監督下にいるうちは、へんなことが起こってほしくないだけ。もしジョシュになにかあれば、私が責任を問われるんだから。
テレサ:了解!さ、行ってきなさい!
アーニャ:うん、行ってきます。
ボルタ:待って!この混血の子に、行ってきますは言わない気~?
アーニャ:行ってきます、ジョシュ。
ボルタ:それだけ??
アーニャ:それだけよ!
ボルタ:待って、待って!見られないように、こっそりね・・・。誰かに気づかれたら、今度は私の美容院が大変なことになるわ。さ、ちゃんと鍵して、完了!
テレサ:ちょっと!あなたがさっきアーニャに言ったことだけど。
ボルタ:こっち来て、話しましょ。女の子同士でお話ね。いい? 私、なにか感じるのよ。注意して聞いてちょうだい。あなたのいとしい娘さんは、あそこの色白のかわいい少年に首ったけだと、私は感じ取ってるんだけど。わかる?
テレサ:それはとっても素敵なお話ですが、でも私は気に入らないわ!
ボルタ:まあ、厳しいわね!
テレサ:娘には、私と同じ運命をたどってほしくないのよ。娘がかわいそうだと思わないの!
ボルタ:んまあ、ほんとに厳しいこと!
テレサ:さあ、食料を買いに行きましょう。行くわよ!アラジン、ドアに鍵かけて、誰も入れちゃだめだからね!ジョシュ、ここでのんびりしてて!ほらバッグもおろして!大丈夫よ!

【ホリーの家】
アーニャ:ホリー!
ホリー:アーニャ!どうやって入ったの?
アーニャ:ヤヤ・ロサが入れてくれたの。外で見ててくれるって。ここに来なかったら、あなたがお母さんに閉じ込められてたなんて、分からなかった。だじょうぶなの?
ホリー:平気よ。私のことは心配しないで。いい? それよりも、ジョシュのことが心配なの。いまジョシュはどこにいるの?
アーニャ:ゴッド・マザーの家に置いてきたわ。
ホリー:アーニャ、ジョシュを助けられるのは、あなただけなの。どうか、お母さんを見つける手助けをしてあげて。
アーニャ:どういう意味?
ホリー:私はもう、この家から外に出ることができないの。お母さんが監視してるのよ。それに、もうお母さんの心を痛めるようなことはしたくないの。だからお願い、アーニャ。あなたが、ジョシュのお母さんを見つける手助けをしてあげなくちゃだめなの。
アーニャ:でも、もうホリーが外出できなくなっちゃって、どうやって助けたら?
ホリー:それだから、私のかわりにできる人はアーニャしかいないのよ。ジョシュと一緒にバタンガスへ行って、お母さんを探してあげて。
アーニャ:ホリー、私が家族を残して出かけることができないって、わかってるでしょ?いま家族が頼れるのは、私しかいないのよ。
ホリー:アーニャ、どうかお願いよ!ジョシュを助けてあげなくちゃ。こうすることでしか、彼を幸せにできないの。お願い。
アーニャ:わかった。ちょっと考えさせて。
ホリー:ほんとに!?あっちに着いたら、必ず電話かメールしてね。待って。(携帯を取り出し) 私の新しい番号を送るわ。古い携帯は、お母さんにとられちゃったの。
アーニャ:受け取ったわ。
ホリー:お願いね、アーニャ。ジョシュを助けてあげて。

【ボルタのヘアサロン】
テレサ:ああもう、支払いがこんなに溜まってるわ。お母さんのこのメモを見て。こんなにあるの。(アラジンが靴を直している) 息子よ、お母さんがやってあげる。ごめんねえ、新しい靴すら買ってあげられなくて。うちにはね、たくさん借金があるの。いろんなものに支払いをしなくちゃならないのよ。
アラジン:お母さん、いいんだ!ぼく、新しいものなんかいらないもん。お母さんたちと一緒にいられるだけでいい。
テレサ:心配しなくていいのよ、息子。私がクラブの仕事に戻れたら、あんたには新しい靴と、新しい洋服を買ってあげる!
アラジン:お母さん、クラブに戻るの?そしたら、いまみたいにお母さんにしょっちゅう会えなくなっちゃう。夜一緒に寝れなくなっちゃう。そんなの、やだあ!
テレサ:でも息子、しかたがないのよ・・・。あんたのお母さんは、働かなくちゃならない。働いて、お金を返さなくちゃならないの。毎日、買わなくちゃならないものがあるし、電気代や、家賃や、ほかの借金もある。毎日ごはん食べてるでしょ?あれも、お金払わなくちゃ食べられないのよ。でも心配しないで!もしお母さんの運が良ければ、自分でお店でも始められるかも。そうすれば、いつも一緒にいられるよ!お姉ちゃんと3人で、いつも一緒!わかった?だから、もう悲しまないで。

【ホテルの楽屋】(回想シーン)
ジョシュ:ママ、ぼくたち逃げるって言ったのに、どうしてここにいるの?
テレサ:ママはちょっとお仕事しなくちゃならないの。でもそしたら、田舎へ行くときになにか買っていけるわよ。ね?

【夜道】
(私立探偵がアーニャを尾行する)


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Nandito Ako (12) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード12


【事務所】
ビリー:スティーブ叔父さんが、こんな策略にひっかかるかねえ?
チー:ともかく、やってみるしかないわ。なにも報告することがないんじゃ、私たち、火あぶりにされちゃうもの。(女性に向かって) お嬢さん、なにをすべきか、わかってるわよね?
ビリー:俺が教えたこと、ちゃんとやれよ、いいか?
チー:いったい何を教えたの?
ビリー:キラキラな瞳で落とすワザだよ。
(スティーブが入ってくる)
チー:スティーブ!
ビリー:おお、スティーブ叔父さん!さあ、パーティしようぜ!お祝いだ!
スティーブ:なにか、祝うようなことでもあるのか?
チー:忘れたの?私の誕生日よお!
スティーブ:ごまかすんじゃない、おまえの誕生日は11月だ。さあ、チー、聞かせてくれ。今日のいいニュースはなんだ?
チー:あなたにすっごく会いたいっていう友だちを連れてきたの。
スティーブ:俺が関心があるのは、ニュースだけだ。ほかのことはいらん。
チー:(女性に)えーと、ソファにかけて、なにか食べてて。(新聞を手に)ニュースが知りたいのね。ほら、これよ。いいニュースと、悪いニュース!お好きな方を選んだら?
スティーブ:なに言ってる。(新聞に、ジョシュとホリーの写真が載っている)これが、ジョシュとのデートに選ばれた子か?
チー:その通りよ。
スティーブ:この子を話をしたい。この子が、甥っ子を見つける手掛かりになるかもしれん。

【アーニャの家】
アーニャ:もうホリー!いったいなにがあったの?なんで電話に出ないの?
テレサ:ジョシュ!さあさあ、朝ごはんよ~!これ好き?
ジョシュ:うん!
テレサ:さあ、これも!どんどん食べてね~!
アーニャ:お母さん?なんだってこんなにたくさん食べ物があるの?なんかのお祭り?これだけの食料買うお金はどうしたのよ?
テレサ:だって、ソテーしたカンコンだけじゃあ、お客さんに失礼だもの。だから、お金を借りたのよ。
アーニャ:え!また借金したの?これまでの借金だって返せてないのに、また借りたの?!
テレサ:はいはい、座りなさい。私がなんとかするから。余計なことは考えないで、食べなさい!
アラジン:そうだよ、お姉ちゃん!こんなことめったにないんだ、深く考えちゃダメ!
テレサ:さあ、子どもたち!食べなさい!これおいしいのよ~。私が作ったんだから!
(突然外から叫び声)
近所の人:火事だ!火事だ!みんな、火事だ!!!
テレサ:アーニャ、早く!荷物を運び出して!!
(ジョシュの脳裏に火事の情景が甦る)

近所の人:チッ!いたずらの通報だってさ!火事なんかじゃないって!
テレサ:もう、いたずらなんて誰がやったんだい!?そいつの舌を切り取ってやるわ!
アラジン:お兄ちゃん!お兄ちゃん!お兄ちゃん!大丈夫?
ジョシュ:ああ、僕は平気だよ!
(ジョシュとアーニャ、見つめあう)

【ホリーの家】
ヤヤ:ホリー、もうお母さまがいらっしゃるわ。部屋にお戻りなさい。早く!
(マルガレートが現れる)
ホリー:お母さん、ごめんなさい。トイレに行くのに部屋を出ただけなの。
ヤヤ:奥さま、その通りなんです。
マルガレート:いいのよ。洋服を着なさい、出かけるわよ。
ホリー:私たち、どこかへ行くの?
マルガレート:あなたと一緒に過ごしたいの。
ホリー:お母さんのあのお気に入りのレストランでお食事するの?
マルガレート:アローナさんのとこに行くのよ。アローナさんが準備してることがあるの。

【アーニャの家】
ボルタ:テレサ!私の親友!ああもう、大変だったわ!あのいたずら通報のせいで、私ったらあのヘアサロンごと持ち出すとこだったのよ!テンション上がったわあ~!
テレサ:ほら、あなたちょっと休んだほうがいいんじゃない?家に戻ったらどう?万が一、本当の火事だったら困るでしょ?あなたなら、ヘアサロン全部持って逃げるくらいのエネルギー、じゅうぶんあるでしょ!
ボルタ:火事でずいぶんと興奮してるようね?
アーニャ:ねえゴッド・マザー、そうよ、お母さんの言う通り!ここは美容のためゆっくり休んで、気を明るく持つのよ~。
ボルタ:あんたたちふたり、なんか隠してるんでしょ?え!?
テレサ:いったいなんの話?ただ、休んだらどうですか、って言ってるだけでしょ?
ボルタ:そんなの信じないわ!私に隠しごとできると思ったら、大間違いよ!テレサ!あんた、不治の病かなんかなんじゃないの?それか、また恋人ができたとか?他人から私の耳に入るまえに、さっさと白状なさい!私にまず言わないなんて、怒るわよ!
(ジョシュが入ってくる)
ジョシュ:おっと、ごめん。なんか邪魔した?
ボルタ:ああああああああああ!!!(気絶する)

【ホリーの家】
ホリー:お母さん、私たち、ふたりで過ごせるんだと思った。
マルガレート:私たち、一緒に食事するの。それでじゅうぶんじゃない?それに、あなたが小さかった頃のお友だちのアイヴァンも来るの。覚えてるでしょ?
ホリー:お母さんは、ほんとうに私と一緒にいたいの?それとも、アローナさんの息子と私を一緒にいさせたいだけ?
マルガレート:それのどこが悪いの?
ホリー:お母さんが私と一緒にいたいと思ったなんて、一瞬でも信じた私がバカだった。ねえいったい、私は誰なの?私はお姉さんとは違うのよ。
マルガレート:だまりなさい!悲劇の主人公ぶるのはおやめ!さっさと着替えなさい!
ホリー:私は行かない!お母さんの友だちと仲良しごっこするようなヒマはないもの!
マルガレート:あなたの気持ちなんて関係ないのよ。一緒に来なさい。着替えなさい!(ホリー、去ろうとする) 私の忍耐を試す気!?さっさと着替えなさい!(ホリー、立ち去る) ホリー!戻ってきなさい!!

【アーニャの家】
アーニャ:ゴッド・マザー・ボルタ、お願い、このことは秘密にするって約束して?いい?ジョシュがここにいること、誰にも知られるわけにいかないの。
ボルタ:もちろんよ。あなたのゴッド・マザーをなんだと思ってるの?うわさ好き?でもねえ、ゴッド・チャイルド、私は、あんたはジョシュ・ブラッドリーと一緒になる運命だってほんとうに感じるの!!
アーニャ:やめてよ~!
ボルタ:なんでだか教えてあげる。想像してみて。あんたは、あのジョシュとのデートをあきらめたわよね。なのに結局、一緒に家まで来るはめになったのよ!でしょう!?
アーニャ:違うよ~。ジョシュを預かるよう、ホリーに依頼されたからよ。
ボルタ:預かる?ジョシュはなんなの?カバンかなにか? いい、これが私の怖いもの知らずな予言。あんたのほうがジョシュにふさわしい。どう?
アーニャ:あなたは目がくらんでるだけ!もちろん、ジョシュはスターだし、有名なひとよ。でも、そんなの私にはどうでもいいの。もしいつか、一緒になれるひとがいるとしたら、それは・・・、あくまでも、もしそんなひとがいるなら、ってことよ、いい? 私は、頼れる男性がいいの。ほら、私を救ってくれるような人よ。私が救うんじゃなくて。
ボルタ:ごもっとも!せいぜいがんばって!スーパーマンをボーイフレンドにするがいいわ!あんたってば、ありえない!!
アーニャ:そうじゃなくてえ・・・、ほら、前にも言ったけど。火事の時のあの男の子、私を救ってくれたあの子・・・。
ボルタ:もう、やめてよ!
アーニャ:もし、誰かを愛するなら、あの男の子しかいないの。あの子が、私の運命なの。
ボルタ:ああ、もう!!あんたってば、まったく救いようがないわね!なんでだかわかる?あの火事は、1万年も前のできごとなのよ!その男の子は、あんたを救った思い出なんかとっくに忘れ去ってるわ!だから、お願いお嬢さん、そんなの忘れてちょうだいな!ほかの人に目を向けて!ほかにもたくさん、いい人はいるわ。ほら、あそこにひとり、あっちにもひとり・・・。

【家の中】
アラジン:お兄ちゃん、だいじょうぶ?
ジョシュ:もちろん、だいじょうぶだよ。どうして聞くの?
アラジン:ほんとに?だって、さっきの火事の騒ぎのあいだ、ショック受けてたみたいだったから。
ジョシュ:ただ、お母さんを思い出してただけなんだ。僕たちは、火事で離ればなれになったから。(ポケットから時計のベルトを取り出す)
アラジン:これ、どうしたの?お兄ちゃんが子どものころの時計?

【ホリーの家】
(スティーブたちが警察と共に訪れる)
警察:エピファニア・ディオニシオか?
ホリー:え?
警察:ちょっといいか?ジョシュ・ブラッドリーのことについて、質問があるのだが。

【ホリーの家】
マルガレート:いったいなにごと?
スティーブ:俺の甥っ子が、コンサート後に行方不明になったんだ。彼の居場所を見つけるために、話を聞きにきた。
マルガレート:居場所なんて知らないわ。
スティーブ:ジョシュ・ブラッドリーとのデートのコンテストに、あんたの娘が選ばれたんだ。この子が、コンサート前にジョシュに会った最後の人物だ。
マルガレート:勉強に集中しなさい、って言わなかった?こんなくだらないバカげた話、ないわ!
スティーブ:おい!俺の甥っ子はくだらなくなんかない。彼は国際的な人気歌手だ。チー、新聞を見せてやれ。
チー:スティーブ、この子がなにかを知ってるとは思えないわ。もう行きましょう。

【アーニャの家】
ジョシュ:この時計は、お母さんがいちばん最後にくれた贈り物なんだ。火事が起こる前の夜にくれた。これが、唯一残ってるものだ。
アラジン:ほんと?さびしいね・・・。なんで壊れてるの?
ジョシュ:火事から逃げようとしてバルコニーから落ちそうになったとき、壊れちゃったんだ。
アラジン:そうなんだ~。
(ジョシュ時計をしまう。アーニャが入ってくる)
アラジン:どうしたの、お姉ちゃん?
アーニャ:ホリーの家までジョシュを連れてく。もうここには泊まれないから。もし誰かに見られたら、もっと危険だもの。そもそも、ひと晩だけって約束だったんだし。それに、私たち、うまくやってけないしね。だから、あなたにとっても、私にとっても、ホリーのとこに行った方がいい・・・。
ジョシュ:わかるよ。
アーニャ:もうすぐしたら、出かけよう。
アラジン:でも、お姉ちゃん、ぼくとお母さんはジョシュお兄ちゃんがここにいても構わないよ。
アーニャ:ちょっと!あんたいつから、ひとの問題に顔をつっこむようになったの?そんなことよくないの。それにどっちみち、ジョシュはお母さんを探すため、もう行かなくちゃならないんだから。
アラジン:でも~。
アーニャ:しつこくしないの!
ジョシュ:そんなにがっかりすんな。こっちへおいで!また会いに戻ってくるよ。
アラジン:約束する?

【ホリーの家】
スティーブ:いいか、よく聞け!ジョシュ・ブラッドリーがどこにいるか言うんだ。さもないと、刑務所へ送るぞ!
ホリー:私は知らないわ!
マルガレート:ちょっと!娘から手を放しなさい!そうしないと告訴するわよ!私たちは法律に無知じゃないんだから!こっちこそ、あんたを告訴する申し立てしてやるわ。嫌がらせの罪で訴えることだってできるのよ!
警察:奥さん、我々はただ、娘さんにいくつか質問したいだけです。
マルガレート:娘に質問したいのなら、私の家の中でなさい!娘を警察なんかには連れていけないわよ!この男にそう言いなさい、さもなくば、この男を逮捕させるから!
チー:スティーブ、ここは冷静になったほうがいい。警察に話をさせましょう。
スティーブ:わかった。でも、この娘がなにかを隠してるのを感じるんだ。おまえのことは見張ってるからな。
チー:スティーブ、そう感じるだけじゃ、告発できないのよ。証拠もないのに。さあ行きましょう!
スティーブ:わかったよ。

【アーニャの近所】
アーニャ:ジョシュ、私まだやらなくちゃならないことがいっぱいあるの。早く行こう!
ジョシュ:(路上でバスケをしている人たちを見て) アーニャ、待って!ちょっといい?これ持ってて。(バスケの輪に入って) おい、一緒にやっていいか?
友人:この人、アーニャのボーイフレンド?
アーニャ:まさか!友だちのボーイフレンドよ。
友人:うそばっか!じゃあなんで、アーニャと一緒なのよ?恥ずかしがらなくてもいいのに!ボーイフレンドがいたっていいじゃん!
(ジョシュ転倒してサングラスがはずれる)
友人:ちょっとちょっとちょっと!!この人、ジョシュじゃない?ジョシュ・ブラッドリーよ!!
友人たち:あの有名な歌手のか??
アーニャ:ジョシュ、行こう!!

【ホリーの家】
警察:お嬢さん、最後にジョシュ・ブラッドリーに会ったのはいつです?
ホリー:きのうです。でも、長くはいませんでした。彼は、すぐにここを出て行きました。
警察:どこへ行くとか、なにか言っていませんでしたか?
ホリー:いいえ。
警察:お嬢さん、ミスター・ブラッドリーの訴えは、かなり深刻なのですよ。彼は、あなたを誘拐の罪で告発しようとしています。決して軽い事件ではありません。
マルガレート:はあ?誘拐ですって?私の娘が誘拐犯のように見える?
スティーブ:甥っ子はどこにいる!さっさと話したほうが身のためだぞ!!
ホリー:どこにいるか、ほんとに知らないんです!(ホリーを頭痛が襲う)あああ!!!
スティーブ:どうした?いったいなにがあったんだ!
マルガレート:医者を呼んで!ホリー!!

【路地】
アーニャ:みんなあんたのせいよ!あんたを守ろうと、私はあらゆる手を尽くしてるのに!見てよ!それもこれも、あんたの軽はずみのせい!大騒ぎになるとこだったわ!あんたって、そういう人なの?他人に無頓着な人間?
ジョシュ:悪かったよ!あの少年たちとのバスケに、ちょっと熱中しちゃっただけなんだ!問題を起こすつもりなんかなかったんだよ!
アーニャ:いい?あんたに会ってからと言うもの、あんたは、ごめんごめん、って謝ってばかり!ジョシュじゃなくて、ゴメン・ブラッドリーって名前がふさわしいんじゃないの?! なんて勝手なヤツ!!他人への敬意のかけらもない!!あんたは自分が好きなことだけやって、ひとの話を聞こうともしないんだ!!
ジョシュ:きみに僕を批判する権利なんかない。僕のこと、よく知りもしないくせに!ただ、また子どもに戻って楽しんでみたかっただけなんだ!僕は、多くのことをやり逃してきた。急いで大人にならなくちゃならなかった。楽しい思い出なんて、僕にはほとんどない! でも、きみの言う通りなんだろうよ!さっさと叔父さんのとこに戻って、みんなを面倒ごとにひきずり込むのなんか、やめたほうがいいんだ!
アーニャ:ジョシュ!待ってよ!

【ホリーの家】
医者:まあ、だいじょうぶでしょう。でも念のため、検査を受けるようにしてください。
ホリー:先生、ただの疲れだと思う。極度の緊張もあったのかも。だから、あんなに激しい頭痛が起きたんだわ。
医者:だからこそ、検査しないと。私の病院まで診察に来るように。
マルガレート:わかりました、先生。ありがとうございます。(ホリーに向かって)みんな自分が蒔いた種だからね。あんたの悪ふざけが過ぎるから、こんなことになるんだ!もし、あの誘拐事件が表ざたになったりしたら、うちの事業が打撃をうけるわ!
ホリー:お母さん、私に罪を着せるような証拠はなにもないのよ。それに、もし私が刑務所に行くようなことがあっても、お母さんの足を引っ張るようなことはしないから、心配しないで。
マルガレート:私の足を引っ張るようなことはしないって、どういう意味?もうすでに、私も関係してるのよ!私の友人がこのことを知ったら、なんて言うか!私は今年の「最高の母親」賞をとったこと、知ってるでしょ?!もう、みっともないったらありゃしない!もっと頭を使いなさい!!

【事務所】
ビリー:チー、スティーブ叔父さんは、ホリーを誘拐の罪で告発はできない。あの子はなにもしていない。この問題にはなんの関与もしてないよ。
チー:ビリー、あなた、なにか隠してるの?
ビリー:あの日、ジョシュを行かせたのは、俺なんだ。
チー:なんで、今頃になって言うのよ!?どうしてジョシュを行かせたの?
ビリー:あっという間だったんだ。あいつは、お母さんを探すのに必死だった。それで、俺に助けを求めたんだ。俺の助けだぞ!ほかに、どうすればよかったんだ!? あいつを、助けるしかなかった。でも、誰かが面倒なことに巻き込まれるはめになるなんて、思ってもみなかった。だから、うしろめたくて。
(スティーブが入ってくる)
チー:スティーブ、ホリーを誘拐で告発なんてすべきじゃないと思う。
スティーブ:わかってる。
チー:問題を複雑にするだけだもの。
スティーブ:もっといい考えがある。私立探偵を雇うんだ。

【ホリーの家】
マルガレート:いいこと?家の中にずっといなさい。外に出てはいけません。絶対に、私のいいつけを破ってはなりませんよ!
ヤヤ:さあ、お休みなさいな。
ホリー:ヤヤ、お願いがあるの。
ヤヤ:なんです?
ホリー:アーニャに電話してほしいの。私を待ってるはずだから。今日、ジョシュを迎えに行くって約束したの。

【アーニャの近所】
アーニャ:ジョシュ、お願い、待って!ジョシュ・・。さっき言ったこと、ごめんなさい。
ジョシュ:いいんだ。僕も悪かったんだ。もう、水に流そう。
アーニャ:でも・・・、ジョシュは、お母さんとどんなふうに生き別れになっちゃったの?
ジョシュ:火事でだよ。
アーニャ:火事?
ジョシュ:そうだ。どうして?
(アーニャ、火事を思い出している)
ジョシュ:アーニャ、どうした?
アーニャ:あのね、私も、火事で・・・・。(携帯が鳴る)待って、電話が鳴ってる。ホリーに違いないわ。もしもし?
ヤヤ:アーニャですか?
アーニャ:はい。どなたですか?
ヤヤ:私はヤヤ・ロサです。ホリーの乳母です。ホリーに頼まれて電話してるんです。
アーニャ:ヤヤ、ホリーはどこ?
ヤヤ:えーと、ホリーは外に出られないんです。お母さまが、厳しく見張っていらっしゃって。それで、ジョシュをこの家に連れて来てはいけない、って知らせたかったのです。スティーブという男のひとが、この家にまで来たんです。
アーニャ:なんで、そんなことになったの?
ヤヤ:調べて、ホリーまでたどり着いたんです。それで、ジョシュの居場所を聞いてました。でもあの子は、なにも言いませんでした。あの人たちは、ホリーを誘拐の罪で刑務所に入れようとすらしてるんですよ。マルガレート奥さまが対決してくれたから、よかったですけど。
アーニャ:ウソでしょ・・・、そんなことに・・。ホリーはどうしてますか?
マルガレート:誰と話してるの?
アーニャ:もしもし?もしもし?ヤヤ・ロサ?


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Nandito Ako (11) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード11


【ホリーの家】
マルガレート:私がこうしろと言ったら、あんたは従いなさい!
ホリー:お母さん!話を聞いて!お母さん!お母さん!
マルガレート:言うことを聞かないと・・・!
ホリー:ヤヤ、ヤヤ!
マルガレート:ここで反省してなさい!
(マルガレート、部屋に鍵をかける)
ヤヤ:マルガレートお母さま、どうかあなたの娘を許してあげてくださいまし・・・。
マルガレート:口を出さないで!自分の娘は自分でしつけるわ!あの子が心を入れ替えるまで、部屋から出しませんからね!
ホリー:お母さん!!

【アーニャの家】
アーニャ:アラジン!
アラジン:お姉ちゃん。
アーニャ:どうしたの?
アラジン:別に・・・。でも、きょう学校で、お父さんのことについてみんなで話したんだ。それで、お父さんのことを書く宿題が出たんだよ。ぼく、どうすればいいかな。お父さんの顔なんか、ぼく知らないし、どこにいるのかも知らない。いつか会えるのかさえ、わからないもん・・・。
アーニャ:もう考えちゃだめよ、いい?そんなに、しょんぼりしないで。先生には私から話をしとくから。うちの事情を先生もわかってくれるわよ。
アラジン:お姉ちゃん、このひとは、あの有名な歌手のひとじゃない?あのコンサートやるひと?
(ジョシュ、うなづく)
アラジン:ぼくの言ってること、わかるの?
ジョシュ:うん、タガログ語は理解できるけど、しゃべれないんだ。
アラジン:ぼくはアラジン。
ジョシュ:こんにちは、アラジン。僕はジョシュだ。
アラジン:お姉ちゃん!なんでこのひとがここにいるの?
アーニャ:明日の朝になったら説明するから。いろいろあったのよ。それに、このことは誰にも内緒よ、わかった?お母さんはどこ?
アラジン:クラブへ戻ったよ。
ジョシュ:僕のお母さんも昔、クラブで働いてたんだ。歌手だったんだよ。
アラジン:僕のお母さんは歌手じゃないよ、ホステスだ!
アーニャ:ちょっと、ちょっと!(アラジンの口をふさぐ)

【通路】
ボルタ:たぶんあそこに行けば、タクシーが拾えるわよ。ほら、こっち来て。
マンド:ボルタ、待ってくれ。
ボルタ:なに?
マンド:俺を助けてくれないかな?
ボルタ:助けるですって?私がNGOにでも見える!? なんて、ほんの冗談よ。
マンド:ボルタ、俺が助けを求めるのは、これっきりだから。
ボルタ:いいけど、なんなの?
マンド:俺、もっとましな仕事が欲しいんだ。きみになら助けてもらえるかと思って。
ボルタ:そうねえ、あなた、マニキュアとかペディキュアはできる?ネイルアーティストとしてなら雇ってあげてもいいわよお。
マンド:ボルタ、マジに頼むよ!
ボルタ:なんなのお?
マンド:俺はもう、日雇いみたいな仕事には興味ないんだ。金を貯めたいんだよ。そしたら、アーニャの相手にふさわしくなれるから・・・。
ボルタ:アーニャ?まだアーニャのこと言ってるの?アーニャのことは忘れなさい、って言ったじゃないの。アーニャとあんたは、あわないの!アーニャのことは忘れなきゃだめ!
マンド:でも、アーニャのことを愛してるんだよ!
ボルタ:私じゃあ、だめ?すべて捧げるわよ・・・。だから私を受け入れて・・・。私のこの、か・ら・だ。
マンド:俺が欲しいのは、仕事だ!頭痛じゃねえ!
ボルタ:んまあ、気が立ってるのねえ。好みがうるさいこと!行きましょ!タクシー!

【アーニャの家】
アラジン:お姉ちゃん、お姉ちゃん!
アーニャ:寝なさいってば、アラジン。
アラジン:ジョシュお兄ちゃんのこと、心配じゃないの?マットレスなしで寝るなんて、慣れてないだろうから、眠れないかもよ。
アーニャ:ねえ、そんな心配はしなくていいの。それに、誰がジョシュをお兄ちゃんて呼べなんて言った?ジョシュはもう大人なんだから、自分でなんとかするわよ。さあ、もう寝るのよ。

【ジョシュの寝室】
(ジョシュ、暑くて眠れず何度も寝返りをうつ。ベッドを抜け出す)

【台所】
(ジョシュ、暗がりで水を飲む。テレサがほうきを持って襲いかかかる)
テレサ:どろぼう!どろぼう!近所のみなさん!助けてええ!どろぼうよおお!!
ジョシュ:僕はどろぼうじゃない!どろぼうじゃない!
アーニャ:お母さん、お母さん!やめて!その人はどろぼうじゃないから!
テレサ:これ、ジョシュ・ブラッドリーじゃないの? うそ!ジョシュ・ブラッドリーだわ!!うちにジョシュ・ブラッドリーがいるう!うちにジョシュがいるわよ、ねえ!
アーニャ:お母さん!
テレサ:なによ。
アーニャ:静かにしてくれない?ちょっと落ち着いて!
ジョシュ:驚かしてすみませんでした。
テレサ:いいの、いいの、気にしないで。私のほうこそ、謝るわ。どろぼうかと思ったから、思いっきり叩いちゃった!ごめんねえ!傷とか、アザとか、できてない?
ジョシュ:だいじょうぶ、心配しないで。
テレサ:あなたってば、なんてかわいいのお!いったいなんで、セレブが我が家に?ねえジョシュ、私、あなたの大ファンなのよ。あなたの歌ときたら・・・ああもう、素敵!(水を飲んで) これはただの夢かしら?私、目が覚めてる?
アーニャ:お母さん、ごめんなさい。お母さんの許可を得るヒマがなくて。ジョシュは今夜、泊まるとこが必要なの。叔父さんから逃げてきて、離ればなれになったお母さんを探しに行くのよ。
テレサ:叔父さんから逃げてきた?お母さんは離ればなれ?
アーニャ:そう。
テレサ:まあ、メロドラマのような人生ね!
アーニャ:お母さん!もう明日にしてくれない?あとで全部、説明するから。
テレサ:そうよ、ちゃんと私にわかるように説明してよね。
アーニャ:わかったわよ、あとでね!だから、このことは秘密にするって約束して。もし誰かに知られたら、人が押し寄せて大変なことになるから。
テレサ:わかってるわよ、娘よ!この家をもみくちゃにされちゃあ、かなわないからね。これは私たちの最高機密ね。(ジョシュを見て)あなたって、ほんとかわいいっ!じかに見ると天使みたいっ!自分でもわかってるんでしょ!?
近所の人:テレサ!テレサ!助けを呼んだか!?
アーニャ:早く、彼を隠して!私がなんとかするから。

【ホリーの家】
ホリー:ヤヤ、お母さんはもう寝た?
ヤヤ:私は心配ですよ。あなたがジョシュを助けると、お母さんとの確執がますます悪化していくようで。もうジョシュのことは、ほうっておいたらいかがです?
ホリー:ヤヤ、それはありえないわ。ジョシュは私たちを頼りにしてるの。ほかに誰も、頼れるひとはいないのよ。私、ジョシュが気の毒なの。それに、彼の気持ちもわかる。いまジョシュはどうしてるかしら?なにも問題なければいいけど・・・。
ヤヤ:心配いりませんよ。アーニャがちゃんと見ててくれてますって。いずれはまたジョシュに会えて、あなたの不安も解消されるでしょう。
ホリー:そうだといいけど・・・。

【アーニャの家】
テレサ:ジョシュ、このベッドを気に入ってくれればいいけど!ちょっとばかし古くて、もしかしたら臭いかもしれないけど、でもこれがうちの精いっぱいなのよ。どうか我慢してね。
ジョシュ:じゅうぶんですよ、僕はどんな場所でも寝られるから、ぜんぜん気にしません。あなたたちの迷惑にはなりたくないです。どうもありがとう。
テレサ:タガログ語が話せるの?このひと、タガログ語わかるわけ?
ジョシュ:ちょっとだけ。
アラジン:うん、お母さん。ジョシュはタガログ語がわかるんだよ、ねえ、ジョシュお兄ちゃん?!
テレサ:ジョシュはタガログ語がわかるって早く言ってよ!私の英語能力を使い果たすとこだったじゃないの!なんだもう!あなた、タガログ語がわかるんだ!?いいわ、ジョシュ。じゃあ、ここでくつろいでね。なにも心配はいらないから、リラックスしてちょうだい。私のことは、ティタ(おばさん)と呼んでね。わかった?
ジョシュ:僕を泊めてくれて、ありがとう、ティタ。
アーニャ:お母さん、いったいなにごと?なんで寝具がぜんぶおニューなの?
テレサ:あたりまえじゃないの。お客さんなんだから、いちばんいいものをお出ししてるのよ。ジョシュは歌手なんだから!国際的に有名な!
アーニャ:もう、余分な洗濯ものが増えるじゃない!それに、すでにあるものを使えばいいのに。
テレサ:アーニャ、やめなさい。お客さんをお迎えするときは、おもてなしするものなの。そんなに洗濯するのがいやなら、私がするからいいわ!(ジョシュへ微笑んで)ジョシュ~、さ、もう寝る準備をして、ゆっくり休んだらいかが?お疲れでしょう。さ、あんたたちはもう行って!寝ましょう!お休みなさい!
ジョシュ:ありがとう。
テレサ:いいのよ!

【ホリーの家】
友人:まじに?!娘さんが男を家に連れてきたの?
マルガレート:私だって信じられないわよ。でも、この目で見たんだから。ああもう、こんなこと、絶対にあってはならないわ。私たちの計画が台無しになってしまう。
友人:なにか手を打った方がいいんじゃない?そろそろ、私たちの子どもを引き合わせておいたほうがよくない?
マルガレート:そうね。もしあの子を誰かと結婚させるとしたら、もちろんあなたの息子だろうから。
友人:そうよね。私たちの子どもがくっつけば、私たちの事業も安泰だものねえ。
マルガレート:さっそく、どうにかしましょう。じゃあ乾杯!

【アーニャの家】
アーニャ:ちょっと!(ジョシュを小突く)
ジョシュ:アーニャ・・・。
アーニャ:この色白のバカ男!あんたのセレブの特権を利用して、私のお母さんの善意に付け込まないで!特別な待遇なんていらない、って言ったくせに!
ジョシュ:きみのお母さんの温かいもてなしは、ありがたく思ってるよ。でも僕は、誰に対しても、特別な待遇を強いてなんかいない。
アーニャ:あんたのお得意なその、いかにも僕は純真ですって真似はやめてくんない?あんたにはイライラするわ!
ジョシュ:どうしてきみは、僕にそんなふうに当たるんだ?着ぐるみのこと、根に持ってるのか?だったらご心配なく!代金は払うから!いくらなのか言ってくれ!
アーニャ:ふうん、そんなにお金を持ってるなら、いったいどうして私や私の友だちに迷惑をかけるわけ?探偵でも雇ってお母さんを探したらどう?!そうすれば、他人に迷惑かけなくて済むのに!!

【ホリーの家】
ホリー:アーニャ・・・、早く電話に出て・・・。
マルガレート:いったい誰に電話してるの?あの恋人?
ホリー:お母さん・・・。
マルガレート:電話をよこしなさい。渡しなさい!(携帯を奪う) 携帯は禁止します。私の決めたルールに従うのよ。そうしないと、いつだってあなたをアメリカへ送ってやるんだからね。だから、襟を正しなさい!

【アーニャの家】
(ジョシュが家を出ようとする)
アーニャ:ちょっと!待って!外に出ちゃだめよ!あんたになにかあったら、私がホリーに言い訳がたたなくなる!
ジョシュ:僕は誰のお荷物にもなりたくないんでね!さよなら!
アーニャ:芝居がかった真似はやめてくれる?さっさと部屋に戻ってよ!
ジョシュ:自分の面倒は自分で見るよ!
アーニャ:そんなの無理よ!外に出て刺されたいの?
(もみあって見つめあう)
アラジン:エへン!なんか、ふたりで盛り上がってるね!
アーニャ:もう、ゴタゴタ言うのはやめて。みんなもう寝たいんだから、だから部屋に戻ってちょうだい!
(ジョシュ、部屋に戻る)
アラジン:お姉ちゃんは、ほんとはジョシュのこと好きなんでしょ?ふたり、お似合いだよ。

【アーニャの寝室】
(アーニャ、ジョシュの夢を見る)
アーニャ:なんで?どうして私が、あのバカの夢を見るの・・・?

【ホリーの家】
ヤヤ:ホリー、おやつですよ。
ホリー:ヤヤ、ここを出る手助けをしてくれる?
ヤヤ:でも、どこへ行くのです?

【アーニャの家】
(アーニャがホリーに電話するが、出ない)
アラジン:お姉ちゃん、誰にメールしてるの?
アーニャ:ホリーよ。きのうの夜、電話に出そびれちゃったの。きょう、ホリーはあの色白の友だちを迎えにくるはずなんだけど、電話しても出ないし。
アラジン:そしたら、ホリーが来るまで、ジョシュお兄ちゃんは僕たちと一緒にいたらいいや。
アーニャ:だめなの。あの男はここに残るわけにいかないの。
アラジン:どうして?どうしてお姉ちゃんは、そんなにジョシュお兄ちゃんを追い出そうとするの?
アーニャ:ジョシュは面倒なことを起こすだけだからよ。私たちはもう、そうじゃなくてもじゅうぶん大変なんだから、もうこれ以上の面倒はいらないわ。
アラジン:これって、映画みたいなやつ?お姉ちゃんは、ほんとうはジョシュお兄ちゃんが好きだけど、認めたくないだけ。だから、ジョシュを遠ざけようとするんだ。
アーニャ:アラジン!あんたがそんなこと考えるには10年早いわ!それに、私はジョシュのことなんか好きにならないもん。
アラジン:どうして?お姉ちゃん。ジョシュはハンサムだし、いい歌手だよ!
アーニャ:だからって、なに?ほかにはなにか取り柄はあるの?あいつはランパ(不器用/不格好/要領が悪い)だし、パワーがないし、腰抜けよ。あんなひよっこ!あんなの、私のタイプじゃない。
アラジン:ずいぶんと手厳しいこと言うねえ、お姉ちゃん。

【アーニャの家の外】
アラジン:お兄ちゃん!お兄ちゃん!ねえ、もうお腹すいた?お母さんがもうすぐ、食べ物を持って帰ってくるから。
ジョシュ:アーニャはどこ?
アラジン:あっち。まだ水を汲んでる。
ジョシュ:ランパって、どういう意味?
アラジン:うーん、英語でなんて言うのかなあ。えーと。そうだ、ぼくのこと、見てて!見て、判断してね。(つまずいて転んでみせる)これが、ランパだよ!
ジョシュ:僕は、ランパなんかじゃないッ!!
アラジン:ジョシュがランパだなんて、ぼく言ってないよお!
ジョシュ:僕はアーニャが思ってるような男じゃないってこと、アーニャに証明しなくちゃ!
アラジン:お兄ちゃあ~ん!

【ホリーの家】
ヤヤ:ねえ、ホリー。私は、ホリーにはせいいっぱい幸せになって欲しいんですよ。だからって、面倒なことになるのを許すことはできません。
ホリー:ヤヤ、面倒なことになんてならないわ。ただ、アーニャと話しをしないといけないの。お願い。
ヤヤ:こうするのはどうです?固定電話をお使いなさい。私がお母さまを見張ってますから。
ホリー:そうする。

【アーニャの家】
(アーニャが水汲みをしてるとこにジョシュが来る)
アーニャ:ここでなにしてるの?外に出ちゃだめだって私、言わなかった?
ジョシュ:手伝うよ。
アーニャ:自分でできるわ。誰かに気づかれる前に、家の中に入ってちょうだい!
ジョシュ:手伝う、って言っただろ。僕に運ばせろ。
アーニャ:いいから!そんなことしなくていいから、放してよ!
(水がアーニャにかかってびしょ濡れになる)
ジョシュ:あははは。
アーニャ:見てよ!こんなになっちゃったじゃない!!(ジョシュに水をかける) いったいあんたがどう育てられたのか、なんでそんな態度とるのか、私にはまったくわからないわ!
ジョシュ:悪気はなかったんだよ!ただ、きみを手伝って、僕がランパじゃない、ってこと証明したかっただけだ!


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Nandito Ako (10) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード10


【道】
ジョシュ:まるできみは天からの恵みだ。僕がどれほど嬉しいか、きみにはわかりっこないよ。
ホリー:あなたが喜ぶのを見ると、私も嬉しい。
ジョシュ:きみがいてほんとうによかった。僕のために、いろいろありがとう。
ホリー:さ、バタンガスへ行く準備をしましょう!

【ホリーの家】
ホリー:ミレーヌさんがくれた住所に行くには、地図があったほうがいいよね。そうすれば、もし私たちがはぐれても、行き先がわかるし。見て、ここ。ここに行くの。この町にあなたのお母さんがいるはず。このバタンガスにある島のどこかに違いないわ。あなたのお母さんはすごく幸運ね。だって、あなたにこんなに愛されていて、けっして見捨てられなかった。
ジョシュ:きみのほうがもっと幸運だよ。だって、お母さんと一緒にいるだろ。
ホリー:でも、私のお母さんは、私のことなんかどうでもいいの。私は、姉のオードリーみたいにいつも気にかけてもらったり、褒めてもらったりしたことない。・・・・ああもう、早くこれ終わらせて、出かける準備しなくちゃ!

【クラブ】
同僚:テレサ!戻れてよかったわね!心配してたのよ。
テレサ:心配してくれてありがとう。だいじょうぶよ。仕事を見つけるのは大変だったけど、ジェーン・ママがこのあたりのクラブのオーナーたちと知り合いだったから。
同僚2:あのことは、あの女性客のほうが悪かったのよ。もう二度とここに来させない。もし来たら、とっちめてやる。
テレサ:あの人のことはもういいよ。神さまがなんとかしてくださるはずよ。
同僚:これ、あなたを少しでも助けようと、寄付を募ったの。
テレサ:ほんとうに、どうもありがとう。
ジェーン・ママ:(お金を奪って)よこしなさい!
テレサ:でも、ジェーン・ママ・・・。
ジェーン・ママ:なによ?これだけじゃ、あんたがあの客とケンカしたときの後始末や壊したものの弁償にもまだ足りないよ!
同僚:ジェーン・ママ、それはテレサにあげてください。
ジェーン・ママ:テレサにあげろだって?あんたもクビになりたいのかい!さあ、出てお行き!出てけ!
(テレサ、店を出ていく)
ジェーン・ママ:あんたたち、なに見てんのよ!さっさと消えなさい!

【ホリーの家】
ホリー:(ジョシュの手をひいて)早く!お母さんに見つかっちゃう!
ヤヤ:ホリー?
ホリー:ヤヤ・・・。
ヤヤ:んまあ、ジョシュ・ブラッドリーだわ!!なんでこの人がここにいるの?
ホリー:ヤヤ、あとで説明する!お母さんが来るまえに、家を出なくちゃ!
ヤヤ:どこへ行くのですか?
(マルガレートが車から降りてくる)
ホリー:お母さんだ。私の部屋に戻ろう!
(ホリーがつまづく)
ジョシュ:だいじょうぶ!?
(ジョシュ、ホリーを担いで運ぶ)
ヤヤ:どうしてジョシュがここにいるのです?
ホリー:ヤヤ、あとで説明するから!お母さんには、私はひとりでいるってことにしておいて!

【アーニャの家】
(テレサがアーニャの子どもの頃の写真を見てる)
ボルタ:あら、どうしたの?
テレサ:なんでもない。ただ、子どもたちのことが心配で。私にはもう仕事がないし、私たち、どうなっちゃうのかしら。子どもたちには学校をやめてほしくないの。
ボルタ:やめるですって?どうしてそんなふうに考えるの?誰もやめさせたりなんかしないわ。神さまはお恵み深いお方だもの、見てよ、あんなかわいくて優しい子どもたちにあなたは恵まれた。なにが不足だっていうの?
テレサ:私の赤ちゃんが女の子だってわかったとき、私、怖かった。この私みたいになるんじゃないかって。
ボルタ:私のゴッド・チャイルド、バングスを見るのよ。強くて、賢くて、美しい子だわ。まるで、ゴッド・マザーのボルタみたいに!ねえ、楽観的になりなさいな。悲観的なのはだめ。子どもたちと、エイエイオーでがんばるのよ。
テレサ:そうよね。
ボルタ:あの子とはちゃんと話したの?
テレサ:まだよ。ほら、わかるでしょう?あの子は、自分でなんとかできるうちは、ひとを頼ろうとしないの。
ボルタ:ほんとに、あなたは子どもたちに愛されてるわね。それでじゅうぶん。ほら、笑って!
テレサ:わかってる。私は恋愛には運がなかったけど、世界一、幸せな母親だわ!
ボルタ:んもう、あなたのせいで、泣きそうよ。

【ホリーの家】
ヤヤ:奥さま、コーヒーお飲みになりますか?お淹れしましょうか?
マルガレート:コーヒーならもう飲んだわ。ホリーはどこ?
ヤヤ:お部屋です。眠ってらっしゃいます。
マルガレート:ホリーと話があるの。
ヤヤ:奥さま、お料理を作ったのですが、味見してみますか?
マルガレート:ちょっと、なにか隠してるんじゃないの?ホリーがまたなにかやったの?
ヤヤ:そんなこと、ございません・・・。
マルガレート:ならどうして、私を通そうとしないの?どきなさい。(ドアをノックして)ホリー!開けなさい!

【事務所】
テレビ:業界内のうわさによると、人気ポップスターのジョシュ・ブッラドリーはアメリカへ戻っていないとのことです。また関係筋の話では、この若い歌手は現在行方不明とのことです。真偽のほどはいかに?
スティーブ:ちくしょうッ!!
チー:いったいなんなの?
スティーブ:甥っ子の失踪の件は外部に漏らすなと言っただろう!
チー:漏らしてないわ!
スティーブ:じゃあなんでニュースに出てるんだ!?いまやってたぞ!誰がマスコミに流してるんだ?
チー:知らないわよ。あなた?
パブリート:違いますヨ。わしは芸能界は好きですが、芸能界がわしを好きじゃないっスから。
ビリー:俺を見ないでくれ。なにも知らねーよ!
スティーブ:もう、頭がおかしくなりそうだ・・・。

【ホリーの家】
マルガレート:ホリー!ドアを開けなさい!あなた、なにか隠してるの?ホリー!
ホリー:ジョシュ、ここへ隠れてて!(ジョシュをベッドの下へ)
マルガレート:ホリー、開けなさい!なにか隠してるんでしょ!
ホリー:(ドアを開けて)お母さん。
マルガレート:なにか隠してるわね?
ホリー:お母さん!
マルガレート:(ジョシュを見つけて) この男はだれなの!立ちなさい!
ジョシュ:すみません、なにも悪いことするつもりはなかったんです。
ホリー:お母さん、やめて!
マルガレート:あんたがなにか企んでるってことくらい、わかってたわ。
ホリー:お母さんが考えてるようなことじゃないわ!
マルガレート:あんたにはもう、うんざりよ!(ホリーを叩こうとする)
ジョシュ:待って!僕のせいでホリーをぶたないでください!
 
 

【ボルタのヘアサロン】
ボルタ:私のゴッド・チャイルド・・・、私の美容院が繁盛してれば、あなたとあなたのお母さんを雇ってあげるのに。でも、見て。うちもぜんぜんだめなのよ。水道代と電気代を払うだけでせいいっぱいなの。
アーニャ:いいの、わかってる。私たち、仕事見つけるからだいじょうぶ。そしたらホリーにも返せるし。
ボルタ:あなたのお友だちはお金持ちなんでしょ?だったら、すぐに返さなくてもいいんじゃない?
アーニャ:ゴッド・マザー、そんなの気が引けるわ。ホリーにそんなに借金したくない。それに、私がホリーの親切心に付け込んでると人に思われたくないもの。
ボルタ:まあねえ・・・。

【ホリーの家】
ジョシュ:僕のせいなんです!僕が、部屋に入れてくれるようホリーに強要したから!でも、ホリーはなにも間違ったことしてない!申し訳ありませんでした!
マルガレート:私の家から出て行きなさい。
ジョシュ:説明させてください。
マルガレート:私の家から、出て行くのよ!
ジョシュ:説明させて!
マルガレート:いいえ!出て行くのよ!
ホリー:お母さん!
マルガレート:あんたはここにいなさい!(ホリーを叩く) ここにいなさい!
(ホリー、部屋を出て行く)
マルガレート:ホリー!ホリー!!

【ボルタのヘアサロン】
(携帯が鳴る)
アーニャ:もしもし?・・・どうして?なにがあったの?・・・わかった、待ってて。今からそっちに行く。
ボルタ:だれなの?
アーニャ:ホリーよ。私の助けが必要みたい。
ボルタ:どうして?なにが起きたの?
アーニャ:ゴッド・マザー、私行かなくちゃ。
ボルタ:気を付けてね、バングス!
アーニャ:わかった。

【公園】
ホリー:さっきはありがとう。
ジョシュ:きみが僕のためにしてくれたことを思えば、なんでもないよ。お母さんと揉めてほしくない。
ホリー:いいの、もう慣れっこだから。家に戻ったらお母さんにちゃんと説明する。いまは、あなたを手伝うことのほうが大事だわ。
ジョシュ:きみには、感謝してもしたりないよ。
ホリー:どうってことない。あなたの笑顔でじゅうぶん報われるわ。
ジョシュ:僕は、ひとりでお母さんを探しにいったほうがいいと思う。バタンガスへの行き方を教えてくれれば、あとはなんとかする。
ホリー:道がわからなくて、迷子になっちゃうわよ。
アーニャ:ホリー!なんでまだここにいるの?なにか悪いことがあったの?
ホリー:なにもないけど、ただちょっと家でゴタゴタして。ジョシュがお母さんに見つかって、それでアーニャに助けてもらおうと思って電話したの。ねえ、アーニャの家にジョシュを泊めてあげてくれる?今夜ひと晩だけでいいの。ただ行って寝るだけ。
アーニャ:うそでしょ?だって、ホリー・・・。
ホリー:アーニャ、あなただけが頼りなの、わかるよね。あなたにしか頼めない。お願い、アーニャ。
アーニャ:ホリー・・・。あなたを助けたくないわけじゃないの。でも、うちにはなんにもないのよ。ジョシュは、ツヨやカンコンなんてきっと食べないでしょ。それに、私たちがどんなとこに住んでるか、知ってるでしょ?もしかしたら、ジョシュは不満を言うかも。
ホリー:なら、食料を買うお金を渡すわ。お願いアーニャ、ひと晩だけだから。明日になったら、私がジョシュを連れて行く。
ジョシュ:ホリー、いいんだ。アーニャには無理なお願いだってわかってるから。どこか、泊まる場所を探すよ。
ホリー:だめ、ジョシュ。アーニャと一緒なら安全だから。アーニャ、お願い、ひと晩だけ。もしジョシュになにか悪いことが起きたら、いやでしょう?

【事務所】
(携帯が鳴る)
チー:スティーブに違いないわ!
ビリー:なにか進展あった?おい、電話が鳴ってるぞ。
チー:出てよ。
ビリー:きっとスティーブなんだぜ。もしもし?
ジョシュ:ビリーか?僕だ、ジョシュだ。
ビリー:おいおい!いまどこにいるんだ!?こっちは大変なんだぞ!
チー:いったいどうしてたの?心配したのよ!いまどこ?迎えに行くから!
ジョシュ:心配するな。ぼくはだいじょうぶだ。
チー:ほんとうに?いまどこにいるの?
ジョシュ:言えないんだ。でも、僕はお母さんを探しに行ってくる。本当のことがわかったんだ。スティーブ叔父さんはウソをついてた。お母さんはまだ生きてる。
チー:なんですって?いったいどういうこと?
ジョシュ:話せば長くなるから。でも、僕は無事だってことだけ伝えとこうと思って。これから、お母さんを探しに行ってくる。
チー:ジョシュ、あなたのことは大好きよ。でも、ヨーロッパ・ツアーはどうするの?いまさら中止にはできないのよ。もう契約も済んでるんだから。
ジョシュ:ほかのだれよりも、なによりも、お母さんのほうが大事なんだ。ツアーには間に合うように戻るって約束する。だから、お願いだよ、スティーブ叔父さんのことはなんとかしてくれる?
チー:あなたって、ありえないわ・・・。
ジョシュ:お願い。
チー:ちゃんと連絡入れるのよ、いい?スティーブ叔父さんはなんとかするから。
ジョシュ:ありがとう、チー。きみの僕への愛を感じるよ。
チー:叔父さんにしてみれば私は死んだも同然ね。
ジョシュ:じゃあ、またあとで、チー。
(スティーブが入ってくる)
チー:(装って)じゃあ、子どもの世話はお願いね。あなたに会えなくて寂しいわ~。私も愛してる♪
スティーブ:なんと、おまえの夫からの電話か?
チー:そうよ。それほど、私を愛してるの。
スティーブ:例の物議を呼んでる件について、なにか報告はあるか?
チー:あの件は落ち着いてるわ。もう心配しなくてだいじょうぶ。そうだわ、スティーブ、ちょっとリラックスしたらどう?ずっとストレスが多かったでしょ?あなたはゆっくりして、そのあいだにビリーと私でジョシュを探してくるわ。
スティーブ:そうだな。
チー:じゃ、行きましょ。
ビリー:よし行くか。

【公園】
ホリー:アーニャ、ありがとう。この埋め合わせはするから。ジョシュのこと、よろしくね。
アーニャ:なんでそんなにジョシュの面倒を見るの?つきあってるの?
ホリー:ううん、まだよ。でも、近いうちにそうなれるって気がするの。私、ジョシュのことがほんとうに好きで、お互いそういう気持ちだって感じてるの。 ジョシュ、もう私たち、行ったほうがいいわ。
ジョシュ:そうだね。きみのお母さんとはいつか話をつけるよ。
ホリー:ありがとう。じゃあ、明日ね。アーニャ、ジョシュをよろしくね。
アーニャ:わかった。ホリーのためなら。
ホリー:ありがとう。

【アーニャの近所】
アーニャ:いい? なにか必要なときは私に言って。私が用意するから。でも、私の家はぜんぜん広くなんかないし、あなたが慣れ親しんでるようなぜいたくなものはないからね。だから、無理なことは言わないでちょうだい。
ジョシュ:そうか、じゃあきみが、デートに本当は選ばれた人だったのか。きみがあの、おかしげなメッセージを書いた張本人か。「あんたが誰かも知らないし、どうだっていいわ~」ってヤツ。
アーニャ:そうよ!それがなにか?問題ある?
ジョシュ:違うんだ。じつは、そういうふうに普通の人たちのように扱われるのが嬉しいんだ。もちろん、音楽とかそういう活動を評価されるのは嬉しいよ。でも、スターとして扱われたくない。
アーニャ:なら、心配ご無用ね。うちではあなたを王様扱いなんかしないから。
ジョシュ:それはいいな。
アーニャ:待って、忘れないうちに言っとかないと。うちには、温かいシャワーも温かいお湯も出ないから、やかんで沸かしたお湯で満足しとくのよ。
(ジョシュ、道にとめてある自転車に飛び乗る)
アーニャ:ジョシュ、ジョシュ!降りて!降りてよ!
ジョシュ:ただちょっと乗ってみたかっただけだよ!
アーニャ:乗ってみたかった?どろぼうと間違えられたらどうするの?やめてよね。あなたのせいで、私が面倒なことに巻き込まれかねないわ!ここでは、あなたは顔を知られるわけにはいかないんだから、おとなしくしてて!もうこれ以上、私に面倒かけないで!
ジョシュ:そんなふうに思ってるの?面倒だって?
アーニャ:じゃあ、なんだと思うの?
ジョシュ:へ~え、お言葉ですが、じゃあなんで僕を手伝うことに同意したんだ?
アーニャ:面の皮が厚いヤツ!あんたのために同意したんじゃない、ホリーのためよ!私はあんたのことなんんかどうだっていいんだから、その態度を改めることね。どうしたら人に気づかれないか、ちょっとは考えたら?行くわよ!

【ホリーの家】
マルガレート:遊び人!それでもまだ家には帰ってこようという気はあるらしいわね!(ホリーを叩く)
ホリー:お母さん!ジョシュはただの友だちよ、お母さん!
 
 

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Nandito Ako (9) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード9


【学校】
ホリー:私たち、ボディガードの目を盗んで抜け出して、ブラブラ歩きまわって、バルートを食べたの。アーニャ、屋台の食べ物の食べ方を教えてくれて、ありがとう!・・・アーニャ、聞いてるの??
アーニャ:ごめん。お金の工面を考えてたの。
ホリー:なにそれ?
アーニャ:信じてもらえないかもしれないけど、あなたのジョシュ・ブラッドリーのせいで私、仕事をクビになったの。
ホリー:はあ?どういうこと??
アーニャ:身を隠すために、私の着ぐるみを盗んだの。ファンに追いかけられてたのよ。それで、私は仕事を失って、借金が増えたってわけ。
ホリー:ねえアーニャ、ジョシュはそうしたくてしたんじゃないはずよ。
アーニャ:ジョシュ・ブラッドリーがどういうつもりだったかなんて、どうでもいい。着ぐるみを返してほしい。ジョシュは余計な問題を増やしただけだわ。私も、お母さんも、ふたりとも仕事がないの。家からの立ち退きも迫られてる。ホリー、どうしよう、私。

【ホテルの廊下】
(回想シーン)
ミレーヌ:あなたのお母さん、カーラを知ってる、まだ生きててあなたを探してる!お母さんはバタンガスにいるわ!私の住所がその写真に書いてあるから・・・
ホリー:もし、またお母さんと会えるならば、すべてを捨ててもいい?一緒にいるためなら、名声も、お金も、捨てられる?・・・
ジョシュ:うん、もしまた会えるならね・・・
ホリー:人生には一度しか訪れないチャンスがある。それを逃しちゃだめ・・・

ビリー:ジョシュ?だいじょうぶか?おまえ、どうしたんだ。
ジョシュ:おまえの助けが必要なんだ。
ビリー:なんだ?なにを悩んでる?
ジョシュ:僕、ここから抜け出さないと。
ビリー:え!?

【ボルタのヘアサロン】
ボルタ:ねえもう、なんでこんなときに仕事をクビになっちゃうわけ?
テレサ:クビになりたくてなったんじゃないわ。ねえ、私に仕事くれない?掃き掃除でもなんでもいいから。
ボルタ:無理よお。お客さんなんて来ないもの。
テレサ:どうすればいい?どこへ行けば仕事があるのかしら?

【ホテルの廊下】
ジョシュ:お願いだ。
ビリー:そうしたいのは確かなんだな?
ジョシュ:そうだ。ほかの何よりも。
ビリー:なら、行けよ!でも気をつけるんだぞ。なにか問題があれば、電話しろ。
ジョシュ:ありがとう!
ビリー:気をつけろよ!

【ホリーの家】
ホリー:アーニャ、なにか特にやりたい仕事ってある?ここにいくつか載ってるから、申し込んでみたら?
アーニャ:なんでもいいの。皿洗いでも構わない。とくに今は、お母さんを助けてあげられるならなんでもいい。どうやらお母さん、仕事には戻れないみたいだから。
ホリー:アーニャ、なにがあったの?どうしてあなたのお母さん、クビになったの?
アーニャ:それは・・・、お客さんと揉めごとを起こしたんだって。
ホリー:いきなりクビになる前に、まずは警告を受けるべきじゃないの?そうじゃないと不公平だわ。会社へ申し立てしてみたらどう?どこに勤めてるの?
アーニャ:クラブなの。うちのお母さんは、エンターテイナーなの。
ホリー:エンターテイナーって、どういう意味?
アーニャ:クラブの、ホステスよ。
マルガレート:誰がホステスですって?あなたが?

【ホテルのロビー】
スティーブ:ジョシュはどこだ?見つけないと!
パブリート:ダンナ、どこにもいませんダ。
スティーブ:なにがなんでも見つけろ!
チー:ビリー、あなたの友だちを見かけなかった?
ビリー:いや。でも、そのうち帰ってくるだろ。だから、落ち着こうぜ。
スティーブ:なにしてんだ、探せ!!
ビリー:(独りごと)ジョシュ、なんでこんなことすんだ?ちゃんとやりとげろよ、さもないと、やばいことになるぜ・・・。

【ホリーの家】
ホリー:お母さん、なに言ってるの?アーニャと私は、学校での演劇の話をしてたの。私たち、エンターテイナー、クラブのホステスの役をやるの。
マルガレート:あら、そうなの?ちょっといらっしゃい。あなたのお友だちが、まともな生活してるのかどうか、よく確認することね。この子みたいに、ホステスになんかになったら困るでしょ?
ホリー:お母さん、もうやめて。
マルガレート:あら?もうお帰り?
アーニャ:私、そんな侮辱をされるような悪いこと、なにもあなたに対してしてません。
マルガレート:まあ、ごめんなさい。傷ついたのかしら?(お金を出して) これ、とっときなさい。これのために私の娘に近づいたんでしょ?お金よね?
ホリー:お母さん!もうやめて・・。やりすぎだわ。
(アーニャ、去る)
ホリー:アーニャ、アーニャ!待って!
マルガレート:戻ってきなさい!
ホリー:お母さん!なんであんな態度とるの!?
マルガレート:そんな口きくんじゃないよ!あの友だちから悪い影響受けてるんじゃないの?あの不法占拠者に!
ホリー:お母さん、なんでこんなことするの?
マルガレート:なぜって、あなたが聞かないからよ!あんなたかりみたいな人たちと友だちになるのは、やめなさいって、何度言えばわかるの!友だちにふさわしくないわ!

【アーニャの家】
テレサ:私は、子どもたちのために強くあろうと思ってます。でも現実は、厳しい。もうあなたのもと以外に、頼れる場所はありません。私の子どもたち、とくにアーニャを、どうか見守ってください。アーニャのために望むことはただひとつ、学校を出て、よりよい生活を手に入れること。私が経験してきた辛さを、あの子には味あわせたくありません・・・。

【道】
(アーニャがタクシーにひかれそうになる)
タクシー運転手:おい、死にたいのか!俺を巻き添えにするな!
アーニャ:ごめんなさい。
タクシー運転手:これからはちゃんと前を向いて歩け!
アーニャ:ほんとうに、ごめんなさい。
ジョシュ:(タクシーから降りて)そんなに怒鳴らなくても。あの子、謝ってるじゃないか。もう、先に行こうよ。
アーニャ:あなた・・・、あなただわ!ジョシュ・ブラッドリー!私の着ぐるみを盗んだでしょう!?どこへやったの!?
ジョシュ:ああ、きみのこと覚えてる。ごめん、着ぐるみを盗むつもりなんてなかったんだ。ただ、ほかのみんなから逃げなくちゃならなくて。
アーニャ:あんたのせいで仕事をクビになって、弁償もしなくちゃならなくなったのよ!いまさら「ごめん」って言われたって、あの夜稼ぐはずだったお金は戻ってこない!
ジョシュ:ほんとうにごめん。できることなら払ってあげたいけど、でも都合をつけて次回にしてくれないか?いま、ほんとに急いでるんだ。
ホリー:アーニャ、アーニャ!ああ追いついてよかった~!・・・ジョシュ? ここでなにしてるの?
ジョシュ:ホリー、きみがいてくれてよかった!アメリカへ帰る前に、お母さんを見つけなくちゃならないんだ!頼れるひとは、きみしかいない。
 
 

【道】
ホリー:ねえジョシュ、私、よくわからないんだけど、お母さんは亡くなったって言ってなかった?
ジョシュ:スティーブ叔父さんがウソをついてたんだ。お母さんは死んだって、僕に信じ込ませてきた。でも、お母さんはまだ生きてるって言ってる人がいて、僕は、その人が本当のことを言ってると感じるんだ。ホリー、きみが必要なんだ。お母さんを見つけたいんだよ。
アーニャ:でも、なんでホリーに助けを求めるの?警察に連絡したらどう?または、あなたのマネージャーとか。その叔父さんとか。
ジョシュ:スティーブ叔父さんにそんなこと言えないよ。お母さんを見つけるのを妨害するためなら、なんだってするさ。それに、ほかの誰かに頼んだら、すぐ叔父さんの耳にも入って、それこそ二度とお母さんを見つけられなくなる。
ホリー:心配しないで、ジョシュ。私、手伝うわ。

【事務所】
スティーブ:おまえら、バカか!!
ボディガート:周辺も探しましたが、どこにもいませんでした。
スティーブ:この役立たずの間抜けどもめ!!世間にこのことが知れ渡るのを、ただじっと座って見てろっていうのか?!さっさと消えろ!甥っ子を連れてくるまで、俺の前に二度と顔を出すな!(チーが部屋を出ようとする) チー、どこへ行く気だ?
チー:あなたの頭を冷やすため、なにか飲み物をとってくる!そんなに怒鳴り散らしたって、なんの解決にもならないのよ!ちょっとは落ち着いたらどう?
スティーブ:バカいうな、ジョシュがどこかに行っちまったというのに、おとなしく座ってろって言うのか?
チー:ごらんなさいよ、みんな、ジョシュを見つけようと一生懸命なのよ。協力してくれてる人たちに、あんなふうに怒鳴ることないわ!
スティーブ:あいつらはそれで金をもらってる。それが仕事だ。俺のために働いてるんだ。
ビリー:叔父さん、ジョシュのことは俺、よくわかってる。もしあいつが、本当にどこかへ行っちまったのなら、それだけの理由があったんだよ。あいつは無責任なやつじゃない。必ず戻ってくるよ。

【道】
アーニャ:あの“混血”をほんとうに助けるつもりなの?
ホリー:アーニャ、そうよ。ジョシュと仲良くなれるチャンスだもの。この機会を無駄にしないわ。それに、お母さんにすごく会いたがってるのがわかるもの。
アーニャ:でも、もし面倒なことになったらどうする?
ホリー:だいじょうぶよ。これ、私のもうひとつの携帯、持ってて。いつでも電話して。
アーニャ:どうして?彼をどこに連れてくの?もしあなたのお母さんがジョシュを見たら、怒るわよ。
ホリー:どうだっていいわ!なんとかする。なにかあったら、あなたに電話するから、いい?
アーニャ:わかってるでしょ、あなたのことが心配なの。もしなにかあったら電話してよね。じゃあ、行かなくちゃ。
ホリー:待って、アーニャ。ここに住所が書いてあるから行くのよ。仕事があるはず。
アーニャ:ほんとに?どうもありがとう!すごく助かる!
ホリー:いいのよ。そのかわり、お願いがあるの。ジョシュが私といることを、誰にも知られたくない。だから、秘密にしてて。
アーニャ:でも、その人を助けようとして、面倒なことに巻き込まれたりしないって約束して。もし、ホリーになにか起きたらと思うと・・・。
ホリー:だいじょうぶ。

【事務所】
スティーブ:こんなバカげた話、もううんざりだ。重要なのは、このことを誰にも漏らすなってことだ。とくにマスコミにはな!さもないと、ヨーロッパ・ツアーを台無しにする恐れがある。
チー:あらまあ!あなたの甥っ子は失踪してしまったっていうのに、まだツアーのことなんて考えてるの?ジョシュのことは心配じゃないの?
スティーブ:おまえの意見など聞いていない。ただ自分の仕事をしろ。俺が言う通りにな。

【外】
ホリー:いつも顔を伏せて歩くのよ、そうすれば、誰にも気づかれない。
ジョシュ:きみとアーニゃは、いい友だちみたいだね。
ホリー:うん、アーニャは私の親友なの。姉妹みたいなものね。
ジョシュ:きみたちは、お互いにいい友達を持てて幸運だね。
ホリー:うん、すごく幸運だわ。さて、今日の予定は?
ジョシュ:ある女性が、この写真と、自分の住所をくれたんだ。お母さんを探すには、まずこの人の話を聞きにいかないと。連れてってくれる?
ホリー:この場所、知ってる。この近くよ。行こう!
ジョシュ:僕のためにこんなことしてくれて、ありがとう、ホリー。きみには大きな借りができたよ。このことはけっして忘れない。
ホリー:ジョシュ、あなたのためならなんだってする。あなたを喜ばせたいの。さあ、行こう!

【ホリーの家】
マルガレート:これがテレサ・ディオニシオよ。尾行して、どこに住んでるかを突き止めて。
男:テレサ・ディオニシオね。お安いご用だ。もしこの女を見つけたら、俺はどうすりゃいいんだ?
マルガレート:とりあえず見張ってちょうだい。どうするかは、あとで考えるわ。
男:わかった。

【ミレーヌの家】
ミレーヌ:来てくれて嬉しいわ、ジョシュ!あなた、すっかり大きくなったわねえ!最後に会ったときは、まだちっちゃかったのに。お母さんが今のあなたを見たら、喜ぶわよ~。まあ、私ったらしゃべりすぎね。今もタガログ語はわかるの?
ジョシュ:うん、わかるよ。
ミレーヌ:それはいいわね!あなたが小さいとき、よくタガログ語でお話ししたのよ。私たちみんな、あなたが英語で話すと鼻血を出してた。
ジョシュ:お母さんのことだけど、まだ生きてるってのは本当?
ミレーヌ:あなたとカーラが火事ではぐれてしまったとき、彼女は狂ったようにあなたを探したわ。やがて、あなたの叔父さんが、あなたをアメリカへ連れていったことを突き止めたの。
ジョシュ:お母さんはアメリカに行って、僕を探そうとした?
ミレーヌ:ジョシュ、お母さんはあなたを取り戻すために、あらゆる手を打ったわ。何度も何度も、アメリカ行きのビザの申請をしたけど、そのたびに大使館から却下された。アメリカへ連れてってくれるというアメリカ人と、恋人同士にもなったけど、結局うまく行かなかった。彼女があなたを思わない日は、1日だってなかった。だから、あなたを見たとき、お母さんは生きてるって伝えるチャンスを逃すわけにはいかない、って思ったの。
ジョシュ:お母さんのことを考えない日は1日だってなかった。お母さんに会いたくてたまらない。いま、どこに住んでるの?どこに行けばお母さんに会える?
ミレーヌ:最後に私たちが会ったとき、バタンガスに戻ってくるって言ってた。これが住所よ。
ジョシュ:ありがとう・・・。あなたには一生分の借りができた。
ミレーヌ:いいのよ。お母さんに無事会えるよう、祈ってるわ。

【公園のベンチ】
(アーニャ、時計を見つめながら火事を回想している)
アーニャ:あの男の子はどこにいるんだろう?名前すら聞けなかった。

【墓地】
チー:(カーラのお墓に向かって)あなたの息子をどうすればいいのか、私にはもう分からないわ。私はやるだけのことをやったのに、結局、あの子はどこかへ行ってしまった。どうか姿を現して、あの子と話してやって。

【道】
ホリー:どうしてそんなに悲しそうなの?お母さんが生きてるのがわかったんだから、喜べばいいのに。
ジョシュ:スティーブ叔父さんが嘘をついてたなんて、まだ信じられないんだ。お母さんが生きてるってこと知ってたくせに、僕をずっと惨めな気分にさせてきた。15年間ものあいだだ。
ホリー:あなたは15年間、ずっとひとりで生きてきた。でもこれからの残りの人生は、お母さんと一緒にいられる。だから、元気を出しなさいよ、ジョシュ!これまでの日々を取り戻すのよ。

【墓地】
パブリート:墓地の管理人と話しましたが、わしら以外には誰も来てねえつーことですだ。
チー:それはたしか?
ビリー:そ。ぜんぶ見てまわったけど、ジョシュがここにいる形跡はないね。
チー:なんてこと!ジョシュ、どこにいるの・・?(スティーブから電話) ほら、あなた出て。私はいないって言って。
パブリート:もし、電話をかわれって言われたらどうすんで?
チー:もう地獄に落ちたって言っといて!
ビリー:出ろよ。

【道】
ホリー:あなたは15年間、お母さんと一緒にいられなかったけど、でもこれからは、一緒に幸せになれるチャンスがある。私なんて・・・お母さんとずっと一緒だったけど、でも愛されていると感じたことがない。ともかく、私のことなんてどうでもいいわね。じゃあ、あなたのお母さんを探しに行こう。お母さんと一緒に幸せになれるチャンスをなくさないうちに。
ジョシュ:でも、どうやって?
ホリー:バタンガスに親戚がいるの。連れて行ってあげる。あっちに家があるから、お母さんを探すあいだそこに泊まりましょう。
ジョシュ:ほんとに?そんなことまでしてくれるの?
ホリー:もちろん。あなたのためなら、なんだってする。
ジョシュ:ほんとにありがとう!
 
 

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