"Everybody Hurts" - デヴィッド・アーチュレッタのmusic video [アルバム]

 
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デヴィッド・アーチュレッタのニューアルバム「BEGIN.」から、Everybody Hurtsのミュージックビデオが公開されました。

いままでの、デヴィッド本人を売らんかな的なアイドル路線のビデオとは一転して、歌の世界を表現することに特化したビデオになりました。
と言っても、ミッションに発つ前のあのわずかな時間に本人フル出演の撮影をする時間はなかったための苦肉の策でしょうが、結果的にそれが功を奏したのではないかと思います。優れたボーカリスト、屈指のストーリーテラーであるデヴィッドの、あの声の魅力を存分に伝えているビデオだと思いました。

David Archuleta - Everybody Hurts
credit to theofficialarchuleta

1日が長く 夜はひとりぼっちのとき
この人生に 疲れきってしまったとき
でも 食いしばれ
投げ出してはいけない 誰だって泣くものだから
誰だって 傷つくもの

ときに すべてがうまく行かないこともある
そんなときは 一緒に歌おう
ひとりぼっちの夜のような日 (食いしばれ)
もうだめだと感じたら (食いしばれ)
こんな人生 耐えられないと思ったら
でも 食いしばるんだ

誰だって傷つくものだから
友に安らぎを求めよう
誰だって傷つくんだ

だからあきらめないで だめだ
あきらめてはいけない
ひとりぼっちだと感じるならば
いいや違う 決してきみはひとりじゃない

この人生が 自分自身にかかっているなら
毎日毎夜は長い
この人生これ以上 食いしばれないと 思ったときには

そう 誰だって傷つく ときには
誰だって泣くものなんだ
誰だって傷つく ときに
誰だって傷つく ときには
だから食いしばって 踏ん張れ 踏ん張るんだ

だめになりそうに感じたら じっと食いしばれ
誰だって傷つく
誰だって傷つくものだから


(ストーリーの話になるのでざっと訳してみましたが、例によって訳の品質はまったく保証しません<(_ _)>)

この歌は、とてもわかりやすいです。

歌詞にありがちな詩的に抽象化されたものではなく、その言葉通りの意味で、聴くひとへ語りかけられています。と言うのも、この歌は当初ティーンエイジャーに向けて書かれた曲だそうなのです。これがリリースされた90年代初頭は、学校でのいじめや自殺などが問題になり始めていた頃なのではないでしょうか。

泣いてもいい、挫折してもいい、みんなが傷つきながらも生きている。だから、生きることをあきらめないで・・・というメッセージが共感を呼びました。そして、クリエイター達の当初の思惑はどうであれ、この曲はその後、年代にかかわらず多くの人たちへ届くメッセージ・ソングとなりました。

今回のデヴィッドのミュージックビデオでの、後半、それぞれの登場人物が苦悩の先に希望を見い出だす明るい部分が、原曲のイメージよりも、より強調されているような気がするのは、いかにもデヴィッドらしい味付けだと私は思いました。デヴィッドは、撮影や編集の現場には同行していなくても、ビデオの方向性についてしっかりと意見を残して行ったと思いますから。

このビデオの監督は、ユタ在住のフリーランスの映画制作者/写真家/グラフィックデザイナーであるジェド・ウェルズというひとで、音楽のビデオもよく手掛けているようです。写真家としての他の作品も覗いてみたら、デヴィッドのAI仲間のBrook Whiteの写真もありました。(→ホームページツイッター

ところで、ビデオの中で描かれる3つのエピソードについて、私には最初、花嫁の父の部分に違和感を感じてなりませんでした。

花嫁の父はそりゃ寂しいものでしょうが、綺麗で優しい娘がいて、あんなりっぱな結婚式を出してやれて、それは幸運なこと以外のなにものでもありませんよね。娘を嫁に出すのが人生の苦しみだなどと言ったら、他のひとたちに失礼ではないですか(笑) それよりももっとほかに、表現する題材ならいくらでもあったのでは・・・、とすら思いました。

その点が、このビデオを、しょせん成功者(監督のこと?)が作ったきれいごとのように見せてしまう気がして、残念でした。

私なら、真面目に働いてきたのに失業して妻に逃げられ絶望している中年男(でも舞い戻ってきた妻が玄関のポーチに立つシーンで終わる)とか、不治の病を患い辛い治療に耐える娘を持つ両親(でもこれからこの娘がどうなろうと私たちはいつまでも一緒だと、娘の明るい笑顔に絆を確かめ合うシーンで終わる)とか、絶縁した息子の色あせた一枚の古い写真を捨てられずに一人さびしく暮らす老女(でもある日、その息子から手紙が・・で終わる)とか、少年の飼っていた犬のポチが(・・・あ、もういい?)
ともかく、エピソードはいくらでも思いつきますよね。

しかし、何回か見直しているうちに、気づいたんです。

もしかしたらあの結婚式の日のシーンのすべては、「希望」の部分なのかもしれません。父親の妻(つまり花嫁の母親)が出てこないところから、もしかしたら母親は娘が小さい頃に病死し、父親はこの日までには相当な苦労をして男手ひとつで娘を育ててきたのかもしれません。それを乗り越えた先が、あの結婚式だった?
勝手な妄想でしかありませんが、そんなふうにエピソードによって切り取られた時間軸が違うかもしれないという可能性に気づくと、この違和感は欠点ではなくて、意図されたものなのかとも思えてきました。

そもそも、「結婚式のエピソード」「兵士のエピソード」「若いカップルのエピソード」、この3つはどれも、並列するにはその「痛みの次元」が違いすぎます。つまり、人はそれぞれの人生のステージで、あるときは傷つき挫折し、乗り越え、再生し、また傷つき・・・そんなふうに人生は続き、どこまで行っても人間たちはその繰り返しです。そして、その体験はひとさまざま、自分だけのものであり、「この人生が 自分自身にかかっているなら」(歌詞より)、傷つくことを受け入れながらも、自分の力だけを頼りに生きて行くしかない。

そんなふうに、大局的には他者との共感を、そして小局的には、自分特有の体験を喚起させ自覚させることを、示唆しているのかもしれませんね。


監督ウェルズ氏がツイッターやFacebookにアップした撮影風景
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ところで、この”Everybody Hurts”が、シングルなのでしょうかね~?とすると”Broken”はなに?

と言ってもまあ、過去には、”Touch My Hand”のように、シングルという扱いではなくてもミュージックビデオを出したことはありましたが。さらにフィリピンでリリースされたForevermoreからの"Rainbow"のミュージックビデオが出る話もありますし、最近ミュージックビデオのちょい出し(?)があまりに多くて(嬉しいけど)、位置づけがわからない~。

大手Jiveを抜けて小物レーベルになったら、どこも仕事が早いです!(笑)



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「BEGIN.」がやってきた [ひとりごと]

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うちにもようやくやってきました :)
思っていたよりもグリーンでした。なんだか写真に撮るとブルーっぽくなってしまいましたが・・。
デザインは全体的に落ち着いていて素敵です。
 
 
これまでは、あまり歌いたくもない(笑)恋愛の歌も歌ってきた(歌わされてきた?)デヴィッドでしたが、今回の曲はすべて彼にとって意味があり心をこめたと言っていますので、一曲一曲歌詞をかみしめながら聴こうと思っていますが、まだすべてには至っていません。これからゆっくりとがんばります。

私はいまのところ、”Beautiful”, ”Don't Give Up”, "Broken"などが好きですね~。でも、もっと聴きこんでくると違うのかも・・

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BEGIN. テレビコマーシャル (2012/8/10)
credit to theofficialarchuleta

コマーシャルビデオのデヴィッドをコラージュしてみました♪ 最後に出てくるデヴィッドは、ジャケット写真とは別人、まるで子どものようにかわいくはありませんか~。
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デヴィッド、ニューアルバムBEGIN.を語る Part6 [David's Video Blog]


デヴィッド・アーチュレッタがニューアルバムBEGIN.を語る Part6 (2012/8/6)
これが最後でそしていちばん大切なビデオ、世界中のファンのみんなへの特別なメッセージです。みんながこのアルバムを気に入ってくれますように。ありがとう。

credit to theofficialarchuleta
世界中のすべてのファンのみんなへ。みんなが支えてくれてぼくがどれだけ感謝してるか、伝えておきたかったんだ。これまでぼくの音楽と、そして今回のミッションに行くっていう決断のことを、応援してくれて、ほんとすごくありがたく思ってる。ぼくがなぜこう決めたのか、2年もいなくなることについて、すすんで理解しようとしてくれてるし、分かってくれる。帰ってきたときには、ぼくの音楽にもなんらかの変化があるだろうから、曲づくりにしても、新しい音楽性を見いだせるかもしれない。自分がどんな人間になりたいのか、なにを表現したいのか、それがどんなものになろうと、みんなと分かちあえるのがすごく楽しみだ。ぼくが行ってしまってからリリースされるこの音楽を、みんなが気に入ってくれたらいいな。みんなのために準備してるんだ。それがいちばん大切なこと。ぼくがここにいなくても、みんながぼくの心を感じてくれますように。みんながしてくれたことすべてに、感謝する気持ちでいっぱいだよ。ありがとう。


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ああ~。最後のビデオですね・・

デヴィッドが心をこめてファンのために残してくれたBEGIN.は、あきらかにいままでのアルバムとは一線を画すものでした。それぞれの歌を聴くとき、デヴィッドが紡ぐ言葉にいままでになく集中しながら聴くようにしていると、これらのビデオブログでデヴィッドが言っていることが感覚的に沁みて来て、このアルバムがとても特別なものなのだということを感じとることができました。

ビデオブログ以外にもデヴィッドの言葉がいくつか出ています。kaychanがBEGIN.のデヴィッドの謝辞をブログで紹介してくれてますし、また、デヴィッド公式サイトにデヴィッドからの手紙も掲載されました。

デヴィッドは、ずっと支えてきてくれたファンのために残していくアルバムだと言っていますし、最後には讃美歌も入っていますが、アルバム全体としては愛と友情、人の絆、そして多様さを受け入れる広い心、など普遍的で大切なテーマが貫かれていますので、より多くのひとたちに聴いてもらいたいなあと願います。
 
  
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デヴィッド、ニューアルバムBEGIN.を語る Part5 [David's Video Blog]


デヴィッド・アーチュレッタがニューアルバムBEGIN.を語る Part5 (2012/8/4)
お気に入りの賛美歌“Be Still My Soul”をなぜアルバムBEGIN.に入れたのか、デヴィッドが語ります。この歌は彼の心に寄り添い、気持ちを映し出している歌だからです。

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“Be Still My Soul”は、ぼくの好きな賛美歌だから、アルバムに入れようと決めたんだ。というのも、ぼくがどうしてこういうことをしていて、どうしてミッションに行こうと決心したのか、この歌がある意味、いちばんよく説明してるから。ぼくの心の一部、内面の一部を正確に映し出している。それで、この歌をこのアルバムに入れるのは、とても重要なことだと感じたんだ。この歌は、いつもぼくの心に寄り添ってる。だから、そこにあるべきだと思ったんだ。

 
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アメリカのファンのなかには、予約したCDがすでに届いたひとたちが少なからずいるようです。いよいよ発売ですね、ドキドキしてきましたあ(^o^)
試聴を聴いた時点での自分のお気に入り曲はありますが、それぞれ完曲を聴いてみて、いい意味でのどんでん返しをおおいに期待しています!
 
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デヴィッド、ニューアルバムBEGIN.を語る Part3 & Part4 [David's Video Blog]

  
デヴィッド・アーチュレッタがニューアルバムBEGIN.を語る Part3 (2012/7/30)
アルバムBEGIN.の曲について、その曲を選んだわけをデヴィッドが聞かせてくれます。デヴィッドは、気に入ってよく聴いているなから、曲を厳選しました。

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カート・ベスターやジョン・ハンコックらと一緒に仕事をしていたプロデューサーや編曲者たちと会って、ぼくたちは曲を選んだんだ。いろいろ話しあって、アイデアをあれこれ出しあった。それで、どの曲にどんないいアレンジができるとか、そういうことも話した。ぼくが気に入ってよく聴いている曲から、心地よくて前向きな気持ちになれるような曲を、そして、いままで人前で披露したことがないような、レコーディングしたこともない曲を選んで、アルバムに入れたんだ。
カバー・アルバムは、ずっとやりたいと思っていた。だからうれしいよ。タイミング的にぴったりで、ふさわしかったと思う。



デヴィッド・アーチュレッタがニューアルバムBEGIN.を語る Part4 (2012/8/2)
アルバムBEGIN.に収録された曲についてデヴィッドが話してくれます。収録曲はどれも彼のお気に入りで、レコーディングは楽しいものでしたが、その中でもとくにお気に入りなのはどれか?彼は、みんなが共感できる曲を見つけたいと思ったのでした。

credit to theofficialarchuleta
どの曲もみんな、ぼくのお気に入りだよ。そうじゃなければ、アルバムには入れなかっただろうしね。
どの曲も、ぼくがみんなと共有したかった気持ちや感情や心の状態を、すごくよく表してるんだ。誰もみながそうではないから、ぼくにとってそれがどういうものなのか、示しておきたかった。それに、みんなにも共感してもらえる曲を選びたかったんだ。
シンディ・ローパーの”True Colors”が大好きなんだ。あのままの、あの歌としてね。すごくいい歌だから。あと、サラ・マクラクランの”Angel”も。彼女のバージョンがすごくいいよね。自分のバージョンも同じようにいいって言えるかどうか、わかんないけど、ともかく、あの歌が好きなんだ。
ピーター・ガブリエルの”Don’t Give Up”・・・、あの曲を歌うのがすごく好きなんだ。あれを歌うと、とても気分がよくて、すごく、曲に入り込めるんだよ。

 
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私は、BEGIN.は日本のiTunesで予約済みですが(現物はWOWHDでも)、アメリカの iTunesでオリジナル曲”Broken”が先日、先行ダウンロード可能となったときには、迷わず購入しました。こま切れの試聴はもう聴かないようにしていましたが、完曲ならばなんの問題もありません!

そして、その”Broken”ですが、デヴィッドのヴォーカルにいままでにない感じの透明感と清らかさが際立っていて、とっても素敵なんです。
いままで私が、「デヴィッドの声が素敵」というときは、「デヴィッドの声がセクシー」、つまり「デヴィッドってセクシー」というのとほぼ同義語でしたが(笑)、この曲では初めて、そのような邪心にまったく憑りつかれずに、イノセントな曲の世界に浸ることができました。デヴィッドのミッション中にリリースされるこのアルバムは、そのときの彼の地にいる彼の心情とシンクロするものにしたいと彼は何度も語っていましたが、この曲で本当にそれをやってのけたんですね。 やるときゃやる男です!

ほかのカバー曲も、知っている曲であっても歌詞まではじっくりと読んでみたことはなかったので、そのメッセージを紐解きながら聴きたいと思います。
 
 
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