Nandito Ako (15) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード15


【ホリーの家】
マルガレート:私は、あの子を養子になんかしたくなかったの!でも、ジェイムがどうしてもって言うから!でも、そのジェイムはもういないのよ。
ヤヤ:だからって、ホリーにつらくあたるのですか?
マルガレート:ヤヤ・ロサ、私がホリーをどうしようと、あなたにあれこれ言う権利はありません!私がホリーを食べさせているのですから、あの子を好きなようにする権利は、この私にあります!
(ホリーが階段を駆け上がる)
ヤヤ:ホリー!

【デュダイ叔母さんの家】
ジョシュ:ここ、気に入ったよ。すごくいい場所だね。とても静かで、町の喧騒から遠く離れてて。いい場所だ。
デュダイ叔母さん:あら?もしかして、ホリーのお友だち?
アーニャ:おはようございます、デュダイさん。私はアーニャで、このひとはジョシュです。
ジョシュ:はじめまして。
デュダイ叔母さん:あなたたち、恋人同志(マッカシンタハン)?
アーニャ:違います!ただの友だちです。
ジョシュ:マッカシンタハンってなんですか?
デュダイ叔母さん:マッカシンタハンね。男の子と、女の子が、一緒。わかる?ボーイフレンドとガールフレンドのことよ!
ジョシュ:おー、なるほどー。
アーニャ:その通りです、デュダイさん。私たち、恋人同志じゃないです。ただの友だちです。私は、彼がお母さんを探すのを一緒に手伝ってるだけなんです。それだけ。
デュダイ叔母さん:それは、もったいないわあ!ここは、バタンガスでもすごくロマンチックな場所なのに。素晴らしい海の眺めと、涼しい風・・・。 凍える夜には、だれかを抱きしめたくてたまらなくなるの・・・。でも、まあいいわ。あなたたち、ここでの滞在を楽しんでね。さ、入って、入って!お部屋に案内するわ。入りなさいな!
アーニャ:行こう。

【アーニャの家】
ボルタ:ねえ、あなた!これ、ありえないわ!すごい数の請求書!あなた、借金に埋まっちゃうんじゃない。
アラジン:お母さん!お母さん!お母さん!
テレサ:はあい!
アラジン:これ見て!
テレサ:なに?
ジョシュの手紙:テレサおばさん。あなたは僕に、ものすごく親切にしてくれた。自分の息子のように接してくれて、ありがとう。ここを去る前に、あなたの手助けをしたかった。もしよければ、このお金をお店を開くなどなにかの役に立ててください。どうか、今回は受け取ってください。このお金があれば、アーニャも喜ぶと思います。ジョシュより。
ボルタ:きゃああ!お金よ!すごい大金だわ!まるで、宝くじにでも当たったみたいだわ!
テレサ:ジョシュがこのお金を・・・? ジョシュが、私の借金を埋める手助けをしたいって・・。
ボルタ:なんて優しいのかしら。やっぱり私の義理の息子には、ジョシュしかいないわ。
アラジン:お母さん!これで支払いができるね!
ボルタ:それだけじゃないわ。あなた、自分のお店をはじめる元手にできるわよ!

【デュダイ叔母さんの家】
(アーニャ、家の周りを歩きながら回想している)
ジョシュ:くだらなくなんかないよ!恋は、魔法のようなものなんだ。お母さんがよく言ってた。お母さんとお父さんが恋に落ちたとき、魔法のようだったって。まるで、おとぎ話かなにかのようだったって。きみは、魔法を信じる?
アーニャ:昔はね。でも今は、もう信じてない。
ジョシュ:なぜ?
アーニャ:なぜなら、そんなもの存在しないから。
ジョシュ:ただそう言ってみせてるだけだろ?いままで恋をしたことないものだから。

【ホリーの家】
ヤヤ:ホリー・・・。
ホリー:ヤヤ、あなたは知ってたのに、私に教えてくれなかった。なんで、ずっと秘密にしてたの?
ヤヤ:ホリー、私を許してくださいな。
ホリー:ヤヤは知ってた!ずっと知ってたのに!なのに、私にウソを信じ込ませてきた。
ヤヤ:ホリーはお母さまの養子かもしれませんが、それでも、お母さまの子どもなんですよ。
ホリー:書類上のね・・・ただの肩書だわ・・・。私の心の中では、そんなふうに感じたことなかったのよ、ヤヤ。でも、いまとなって、すべてがはっきりした。どうりで、お母さんが愛してくれないわけだわ。私、別の家族にもらわれればよかった・・・、私を受け入れてくれる家族・・・、血は繋がってなくても、同じように愛してくれる家族に・・・。いまのお母さんとは違って・・・。
マルガレート:恩知らずめ!!
ホリー:お母さん、やめて!
マルガレート:私が母親じゃなかったらよかっただなんて、よくも言えたわね!どうしてそんなことが言えるの?!私がどこで間違ったと言うの?!衣服をあたえて、いい生活させてやってるでしょ!今まで飢えたことがあって!??
ホリー:でも、愛してはくれなかった!!この洋服のことを言ってるの?!この部屋?!この大きな家?!財産?!お母さん、私はそんなもの、欲しがったこと一度もない。お母さんなの・・・。お母さんが、私が必要としていたすべてなの。お母さんが、私が求めているものなの。私には、お母さんの愛が必要なの!どうして、それを与えてくれないの?お母さんは自分勝手よ。ものすごく、自分勝手だわ。
マルガレート:どうして?どうしてあんたが、愛されるに値すると言うの?あんたはうちの面汚しだ。反逆者だ。あんたは頭痛の種でしかない。あんたが来たところへ戻るのが、当然の報いなんだ!
ホリー:本当に、私にいてほしくないと思ってるんだね、お母さん・・・。
(ホリー、部屋を出て行く)
ヤヤ:ホリー!ホリー!どこに行くのです!?
マルガレート:ヤヤ、ほっときなさい。行かせてやるわ。そのうち、思い知って帰って来るわよ。

【海岸】
ジョシュ:それ、持ってあげるよ。
アーニャ:大丈夫。
ジョシュ:ほんとに?
アーニャ:ほんと。
ジョシュ:僕のこと、なんか怒ってる?
アーニャ:べつに。
ジョシュ:ならどうして、そんなにマスンッギトゥ(むっつり)してるんだ?
アーニャ:むっつり?私、むっつりなんかしてないわ!だいいち、そんな言葉、どこで覚えたの?
ジョシュ:きみの弟のアラジンが教えてくれた。ほかにも、知ってるタガログ語はあるよ。たとえば・・・、マハル・キタ(愛してる)、とかさ。
アーニャ:あのねえ、いまは、私たちがここに来た目的を考えようよ。あなたのお母さんを探すってこと。そういう、くだらないことじゃなくて。これ見て。この地図によると、あなたのお母さんは島の反対側にいるはず。カヌーに乗らないとだめだわ。あ、船頭さんがいる!行こう、早く!お兄さん!お兄さん!(つまづいて転ぶ)
ジョシュ:大丈夫?!
アーニャ:大丈夫だから、先に行ってて。ひとりで立てるわ!
(ジョシュ、アーニャを担いでカヌーに乗る)

【アーニャの家】
アラジン:お母さん、いい匂い!お母さんのバーベキューは風味バツグンだね!お客さんがいっぱい来ればいいね!
テレサ:私の息子は、いい子だわ~。
タシン:あらまあ、なにかと思えば!今度はべつの肉体の取引に移ったようねえ!ご自分の肉体を売るのは、もう飽きちゃったのかしら~?それで、違う種類の肉体を販売してるってわけ~?
ボルタ:またこの老女のお出まし?なんでなの?私たちになにかご用?
テレサ:ほっときなさいよ。この人、ほかにすることがないのよ。いちゃもんつけたくて、うずうずしてるだけなの。
タシン:なによ?私はただ、どうやってあんたがそんな店を出せたのかしら?って思っただけよ。もしかしてあんたの上の子が、いよいよ身体を売りに出したのかしらあ?ってねえ。
テレサ:下品な女!なんて失礼な!!(襲いかかる) 私の過去はいくらでもほじくるがいいわ!でも、子どものことを言ったら承知しないよ!!
タシン:なんだって!本当のことを言っただけだろ!この親にしてこの子ありだ!
テレサ:厚顔無恥め!
タシン:本当のことだろ!
テレサ:今度、娘のことを侮辱してみろ!おまえをバーベキューにしてやる!ほら戻って来い、ソースにしてやるから!どこに行く!戻って来い!

【道】
運転手:どこまでですか?
ホリー:バタンガス行きのバスターミナルまで、お願い。

【海岸】
ジョシュ:足、まだ痛む?
アーニャ:大丈夫、ありがとう。
ジョシュ:僕のほうこそ、ありがとう。きみのおかげで、ここまで来れた。もうすぐ、お母さんに再会できるんだ。きみには借りができたよ。
アーニャ:実際には、ホリーのおかげよ。彼女にもっと感謝すべきだわ。すべて、ホリーが考えたことだもん。私はただ、やらされただけ。
ジョシュ:そうであっても、きみに感謝には変わりない。
アーニャ:お母さんを見つけてから感謝してくれればいいから。わかった?
ジョシュ:わかった。
アーニャ:じゃあ、ついてきて。
(女性が通りかかる)
ジョシュ:お母さん・・・?お母さん!!
アーニャ:ジョシュ?!
ジョシュ:(女性に抱きつくが、人違い) すみませんでした。お母さんかと思ったもので・・・。
アーニャ:ジョシュ!いったい、なに考えてるのよ!ほら、早くサングラスして!
ジョシュ:悪かったよ。お母さんだと思ったんだ。
アーニャ:そうだとしてもよ!もっと慎重に行動したら!? あなたの顔はよく知られてるんだから、いつひとに気づかれるかわからないのよ!!私の言うこと、わかってる!?
ジョシュ:ああ、わかってるよ!そんな言い方はやめてくれ!
アーニャ:どんな言い方よ!?
ジョシュ:子ども扱いした言い方だ!
アーニャ:あなたが子どもじみてるからよ!未熟者!
ジョシュ:僕は未熟なんかじゃない。ただ、お母さんに会いたいだけだ!
アーニャ:誰だって会いたいに決まってる!あんたのお母さんをほんとうに見つけたい人がいるとしたら、それは私よ!そしたら、この責任から解放されて、家に帰れる!
ジョシュ:きみはどうしてそうなんだ?いつも、僕に怒ってばかり!僕はきみに、なにも悪いことなんかしてないのに!
アーニャ:あんたがうっとうしいからよ!
ジョシュ:アーニャ、きみはほんとに、僕がお荷物だと思ってるのか?それとも、僕のこと好きだから遠ざけようとしてるのか?

【海岸】
アーニャ:好きとかなんとか、いったいなんの話よ?
ジョシュ:認めろよ、アーニャ。きみは僕に恋をしてる。でも僕を好きになったことを、受け入れられないんだ。図星だろう?え?!
アーニャ:(ジョシュの頬を叩く) あんたひとりで行けば!

【バス・ターミナル】
(ホリーがアーニャに電話するが出ない)
ホリー:なにかあったのかしら・・・?

【アーニャの家】
テレサ:なんでこうなっちゃうの、ボルタ?私はもう、生き方を変えたのに。自分のためじゃなくて、子どもたちのために。なのに、どうしてうまくいかない?
ボルタ:落ち着いてよ。世の中には、他人をねたむやつらが多いのよ。そいつらに治療薬はないわ。そして、ねたみはウイルスのようにあっというまに広まるの。もう、ほっときなさい。
テレサ:私はただ、子どもたちにきちんとした人生を送ってほしいだけ。もし私が働かなかったら、家族はどうやって生きて行けばいいの?なんであいつらは、私のすることにいちいち首をつっこむの?
ボルタ:ねえ、あんなデブ女の言うことなんか気にしちゃだめ!私があいつの毛を引っこ抜いてやるわ!ああもう、腹が立つ!さあ、もう気にせずに、バーベキューのお店を続けましょう。私の美貌を武器にすれば、お客さんがたくさん来るわよ!お客さんがたくさん来たら、お金をたくさん稼げるわ!

【海岸】
アーニャ:あの男は、自分がそれほどハンサムで、女性はみんな自分を好きになると思ってるらしい!自分が有名人だから?!なんて傲慢な男!厚かましい!私は好きになんかならないからね!それで、私がフェアじゃないっていうの?ふん、あんたが私なしでどこまでやれるか、見てやろうじゃないの!せいぜいひとりでがんばれば!?
(男が歩いて来る)
アーニャ:すみません、町へ戻る足はありますか?(酔っ払いだと気づき) あ、いいです・・・。
(男が襲い掛かる)
アーニャ:助けて!放して!放してったら!!

【デュダイ叔母さんの家】
デュダイ叔母さん:これはこれはホリー、突然で驚きましたよ!来るなら事前に連絡くれればいいのに。
ホリー:思い立って来ちゃったの、ごめんなさい。
デュダイ叔母さん:お食事は済んだの?
ホリー:まだだけど、大丈夫よ。お腹すいてない。
デュダイ叔母さん:あなたのお友達は、先ほど到着したわよ。アーニャと、あのアメリカ人の男の子。
ホリー:いま、ふたりはどこ?
デュダイ叔母さん:あのアメリカ人の男の子のお母さんを探しに、島の反対側へ向かったの。
ホリー:追いかけて行けば会えるかな?
デュダイ叔母さん:もう引き返してるころだと思うわよ。待ったらいかが?
ホリー:じゃあ、電話してみよう。
デュダイ叔母さん:私は、なにかおやつを用意するわね。
ホリー:ありがとう。(電話するが出ない) ジョシュ、アーニャ・・・。ふたりが無事ならいいけど。

【海岸】
アーニャ:放して!放してよ!
ジョシュ:アーニャ!
(ジョシュが駆け寄って男を殴る)
アーニャ:ジョシュ!

【デュダイ叔母さんの家】
(ホリーを突然頭痛が襲う)

【海岸】
(ジョシュが殴られる)
アーニャ:ジョシュ!!
(ジョシュ、オールで殴られて気絶する。アーニャが駆け寄る)
アーニャ:ジョシュ!ジョシュ!!誰か!助けて!!

【デュダイ叔母さんの家】
(ホリー、ベッドへ倒れ込む)

【海岸】
(女性が通りかかる)
アーニャ:すみません!助けて!助けてください!!


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