Nandito Ako (21) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード21


【アーニャの家】
アーニャ:いいわ。 私も、あなたを愛してる、ジョシュ。
(歓声)
アーニャ:とっても・・・。
(抱きあう)
ホリー:お母さんの言う通りだった・・・。お母さんは、正しかった・・・。

【道】
(ホリー、電話を掛ける)
ヤヤ:もしもし?
ホリー:もしもし、ヤヤ。
ヤヤ:ホリー!よかったわ!いったいどうしたのです?いまどこですか?お戻りくださいな。
ホリー:お母さんの言う通りだった、ヤヤ。アーニャは私を裏切った。
ヤヤ:どうして泣いているのです?
ホリー:アーニャとジョシュが一緒のところを見たの。すごく幸せそうだった。お互い、愛してるってことを告白してた。
ヤヤ:それは、あなたにはもう、どうしようもないことですよ。ふたりが好きになってしまったのなら、あなたがどうこうできる問題ではありません。潔く受け入れるしかないんですよ。なんと言っても、ふたりはあなたのお友達なんでしょう?
ホリー:友達?ねえヤヤ、私は本当にふたりの友達なの?アーニャは、私がジョシュを大好きだと知ってるのよ!アーニャは私の顔を潰した!
ヤヤ:ねえホリー、あなたが傷ついたのはわかります。でも、これで友情をダメにするおつもりですか?
ホリー:真面目に言ってるの?あのふたりが、私のこと友達だと思ってると、本当に思うの?
ヤヤ:でも、ホリー・・・。
ホリー:もう切る。
ヤヤ:え、どこに行くのですか?
ホリー:わからない。ともかく、あと少ししたら帰るから。
ヤヤ:わかりました。でも、お気をつけて。

【アーニャの家】
テレサ:さあ入って、入って!くつろいでね。
チー:ありがとう。
テレサ:ちょっと失礼して、なにかお飲み物を持ってきますから、座ってくつろいでてね。
チー:あ、どうぞお構いなく!私たち、本当にもうホテルに戻らないと。ジョシュのコンサートの準備がいろいろとあるんです。
ボルタ:ちょっと、お待ちになって!こちらのミスター・ハンサムさんは残ったらいかが?いたかったら、いていいのよ?
ビリー:えーと、俺もやんなきゃいけないことがあって・・・、そうだろ、チー?だよな、チー?もう行かなくちゃな!?
チー:そうね、もう行こうかしら?じゃあジョシュ、なにかあったら電話してね。これまでジョシュのこと、いろいろとありがとうございました。ご迷惑をおかけしちゃって・・。
ボルタ:いいのよ。あら、あなたは残らないの?
アーニャ:ゴッドマザー、もうやめなさいよ!?
ビリー:ほんと俺、忙しくて!
テレサ:(ボルタに)あなた、ほんとしつこいわよ!恥ずかしいったら!あの人たちとは会ったばかりなのに!
ボルタ:だってえ、彼ったらキュートで・・。
(マンドとアラジンが帰って来る)
アラジン:お母さん!あいつらを道に迷わせてきたよ!
テレサ:それはよかったわあ!助かった!
(マンドがジョシュを見て)
マンド:なんでコイツがここにいるんだ!?全部おまえのせいだろうが!
テレサ:さあ、外で話しましょう!おいで!
マンド:でも、テレサおばさん、アーニャをこのスーパー・ミルクフィッシュ(注:魚の一種、身がミルクのように白い)なんかに、渡してたまるか!
ボルタ:お待ちよ!まず私がその口紅を落としてあげるわ、マンド。ほらもう!
マンド:アーニャ、忘れるなよ!俺はおまえを愛してるからな!
アーニャ:もう行ってちょうだい!
テレサ:じゃあ、ふたりきりにしてあげるわね。
アーニャ:ありがとう、お母さん。
(家にアーニャとジョシュふたりきりになる)
ジョシュ:ライバル出現みたいだな。
アーニャ:なんのライバル?
ジョシュ:マンドだよ!あいつもきみが好きなんだろ!
アーニャ:あいつは、なんでもない。
ジョシュ:ってことは、僕の勝ち?
アーニャ:やっぱり・・・・、こんなのよくない。ホリーのこと・・・。
ジョシュ:ホリーには一緒に説明しよう。きっとわかってくれるよ。
アーニャ:でも、もし怒ったら?
ジョシュ:そうなったら、僕たちも報いを受けるまでだ。
アーニャ:でも私、ホリーをあざむいたと思われたくない。私がふたりの友情を軽視したと思われたくないの。
ジョシュ:アーニャ、ホリーは僕の友達でもあるんだ。ホリーを傷つけずに、きみを愛するすべがあるなら、そうしてるよ。でも、そんなすべはない。ウソをつかずに本当のことを話せば、ホリーもきっとわかってくれる。いますぐ、話しに行こう。一緒に。

【車の中】
アーニャ:ホリーは、私の電話を無視してるみたい。何度もかけてるのに・・・。こんなの私には無理。きっと怒って、私のこと許してくれない。
ジョシュ:考えすぎるなよ、アーニャ。すべてうまくおさまるよ。
アーニャ:そうならいいけど。私、ホリーにはたくさん借りがあるの。恩をあだで返すようなこと、したくない。
ジョシュ:いいか。きみが不安なのはわかる。でも、これが落ち着くまでは、状況はもっと難しくなると思うよ。マスコミがきみを追ってる。これから数日間は、追いかけられるかもしれない。だから、僕たちどこかほかの場所に滞在できないかなあと思ってたんだ。チーにどこか探させよう。
アーニャ:ううん、そんな必要ないわ。あなたがアメリカへ帰りさえすれば、マスコミも私を追わなくなると思う。
ジョシュ:僕がそんなふうに、さっさとアメリカへ帰ると思ってるの?
アーニャ:でもジョシュ、あなたがここに住むなんて、私、期待してない。あなたには多くの義務があるもの。仕事に、家族に・・・。
ジョシュ:じつは、考えてたんだ。僕はお母さんを見つけたし、きみもいる。だから、フィリピンに住むことにしようかな。
アーニャ:え、本気?ここに住むつもり?
ジョシュ:アメリカで待ってるひとは誰もいないし、僕が愛するひとたちはみんな、ここにいる。マニラにオフィスを持ったって、ほかの場所と変わらず仕事ができる。ここで音楽をやって、お母さんがいて、きみがいて、ビリーとチーもいる。やっていけるよ。

【ホリーの家】
ヤヤ:どこへ行かれるのですか?
アーニャ:あなたの家に行くつもりなんです、ヤヤ・ロサ。ホリーと話がしたくて。
ヤヤ:ホリーは家にいないんです。少し前に出かけました。
アーニャ:どこに行ったかご存じですか?
ヤヤ:なにも言いませんでした。 あの・・・、私が口を挟むことじゃないとわかってます。でも、あの子のことを自分の娘のように愛してるんです。今はまだ、あの子と話すべき時じゃないと思うんです。あの子は、深く傷ついています。今日、あの子が、あなたたちふたりを見たのをご存じですか?泣きながら電話してきました。アーニャ、ホリーはもう知っています。あなたとジョシュのことを、知ってるんです。

【ホリーの家】
マルガレート:アーニャとは話したの?
ホリー:(うなづく)
マルガレート:それで?
ホリー:お母さんの言う通りだった。アーニャとジョシュは恋人同志だった。
マルガレート:言ったでしょ。それで、どうするつもりなの?
ホリー:ふたりのこと、避けるつもりよ。
マルガレート:え、それだけ?あのふたりに、ただ踏みにじられとくの?奪われたのはあなたなのよ、なのにおとなしく譲るわけ?あなた、そんなにバカなの?
ホリー:お母さん、ほかに何ができるって言うの?お母さんのように冷酷になれって?
マルガレート:そうよ!それで、ないがしろにされるようなことがなくなるなら、そうすべきよ!ホリー、あいつらだけが幸せになるなんて、あってはならないわ!

【外】
アーニャ:ジョシュ、私がひとりでホリーに会いに行ったほうがいいと思うの。あとでメールする。
ジョシュ:でも、アーニャ・・・。
アーニャ:私にやらせて。ふたりで行くと、話が複雑になる気がする。
ジョシュ:本当に大丈夫?
アーニャ:(うなずく)
ジョシュ:わかった。電話してくれよ、いい?気をつけて。
アーニャ:ありがと。

【ホリーの家】
アーニャ:ホリー、お願い!聞いて!
ホリー:(アーニャを叩く)よくも裏切ったわね!友達だと思ってたのに!
アーニャ:ホリー、お願い、話を聞いて・・・。
ホリー:どうして?なんで私があんたの話を聞くわけ?あんたのウソを聞いてどうなるの?
アーニャ:私、自分の気持ちを抑えようとした。でも、簡単じゃなかったの。どうか、わかってちょうだい。
ホリー:なにをわかれって!?ジョシュがあなたを選んだこと?ジョシュが愛するのはあなただってこと?
アーニャ:ホリー・・・。
ホリー:抵抗すればよかったのに、アーニャ!ジョシュを避けるべきだった!
アーニャ:私、したのよ。
ホリー:私がどれだけジョシュを愛してるか、わかってるでしょう!?
アーニャ:ホリー、私はできるだけのことしたの。お願い、信じて・・・。
ホリー:ジョシュを盗んだことに変わりはない。
アーニャ:あなたの気持ちは、よくわかる。私は間違いを犯した。認めるわ。あなたに、本当のことを話すべきだった・・・。
ホリー:すでに起こったことは取り消せないの、アーニャ。
アーニャ:ホリー、私たちの友情は、なにがあってもビクともしないって思ってた。
ホリー:それは、あなたが裏切る前の話だわ。あなたが私にこんなことするなんて、思ってもみなかった!一度だって!
アーニャ:ホリー・・・。
ホリー:やめて!私に会ってどんな気持ち?哀れみ?私がお母さんに叩かれて泣いてたとき、ハンカチを差し出したみたいに?哀れみなんていらない、アーニャ。だって私は強いから。あなたが私をどれほど苦しめようと、たとえそれが、お母さんに苦しめられるより酷かったとしても、私は耐えてみせる。哀れみは結構。あなたの哀れみなんて、いらない。あなたなんて、いらない!さあ、帰って。ここから出ていって。出ていってよ!
アーニャ:ホリー・・・。
ホリー:出ていって!

【テラス】
カーラ:息子!どうしたの?なんで遅れたの?
チー:悲しい顔して。嬉しいはずなんじゃないの?
ジョシュ:アーニャと僕で、ホリーと話をしに行ったんだ。説明したくて。でも・・・。
カーラ:ジョシュ、あなたは何も悪くないわ。あなたがアーニャを好きになったことは、誰のせいでもない。
ビリー:おばさんの言う通りだ。ホリーを傷つけたくないからって、気持ちを抑えるわけにいかないだろ。
チー:それに、もしホリーが本当の友達なら、いずれ理解してくれるわ。まだ傷が生々しくて、すぐには無理かもしれないけど、でもいつか、わかってくれる。
ジョシュ:ただ、僕がアーニャを好きになったことで、傷ついた人がいることが悲しいんだ。アーニャも罪の意識を感じてる。ホリーのことを気にしてる。アーニャは、ホリーが傷つくのを見たくないんだ。それが自分のせいだとあれば、なおさら。
カーラ:自分たちを責めちゃだめ。あなたたちは何も悪くないんだから。
ジョシュ:僕は自分勝手だろうか?ホリーに対して、ひどい仕打ちをしただろうか?
チュー:自分勝手・・・、そうかもね。でも、それが人生よ。いつも他人のものさしで生きてくことなんて、できないわ。でも、あなたはひどい仕打ちなんかはしていない。
ビリー:恋愛と戦争は手段を選ばない、って言うぜ。
カーラ:ねえ、あなたとアーニャに起きてることを見てると、私とあなたのお父さんとのことを思い出すわ。あらゆる困難に立ち向かう愛ね。
ジョシュ:後悔したことはある?
カーラ:一度だってない。
ジョシュ:どうして?
カーラ:だって、あなたを授かったもの。

【アーニャの家】
(アーニャ、泣いて帰ってくる)
テレサ:アーニャ!どうしたの?なにがあったの?ジョシュと一緒じゃなかったの?ジョシュがなにかしたの?
アーニャ:お母さん・・・。
テレサ:どうしたの?
アーニャ:ホリーと話をしに行ったの。説明しようとしたんだけど、ホリーに激怒された。お母さん、私、こんなのいやだ。
(抱きあう)
アーニャ:お母さん、初めて人を好きになったのに、そのせいで親友を傷つけてしまった。お母さん、私のこの気持ちは、正しいの?私、ジョシュを避けたほうがいいのかも。
テレサ:私の娘・・・。ひとには避けられないものがあるのよ。それが、恋に落ちるってことでもあるの。
アーニャ:でもお母さん、もしそうなら、私、恋なんていらない。お母さんは正しかった。ハッピー・エンドなんか、ないんだ・・・。

【ホリーの家】
ホリー:ヤヤ・・・。(泣きながら抱きつく) ヤヤ、私のことを絶対に見捨てたりしないで。お願い。私にはヤヤしかいないの。
ヤヤ:私はいつも、おそばにいますよ。どうしてまた泣いてるのですか?アーニャとはお話できました?
ホリー:うん、ヤヤ。私、どうしちゃったのか・・・、激怒してアーニャを傷つけちゃったの。ヤヤ、わからない。自分をコントロールできないの。私、もう、耐えられない・・・。ジョシュを、あきらめられないの・・・。
ヤヤ:アーニャともっとお話なさい。それしか、解決する道はありませんよ。憎悪に支配されつづけていたら、そのうち、あなたのお母さまのようになってしまします。そんなの見たくありません。あなたには、そんなふうになってほしくないんです。心に痛みや憎しみを抱えているよりも、ときに恋に敗れるほうが、いいこともあります。
(ホリーを頭痛が襲う)
ホリー:ヤヤ!痛い!ヤヤ、助けて!!

【記者会見】
記者:バタンガスの学校のためにこのコンサートを開催するというのは、本当ですか?
ジョシュ:はい、本当です。収益はすべて、お母さんが教えているバタンガスの学校へ寄付します。僕のように音楽を愛する子どもたちを、援助したいんです。
記者:では、あなたのお母さんは、音楽の先生なのですか?
ジョシュ:はい。じつは、僕よりも歌がうまいんです。
チー:あと質問2つで終わりにします。はい、どうぞ。
記者:ヨーロッパ・ツアーは完遂する予定ですか?
ジョシュ:はい。ここマニラでの大切な用事のために、一時延期させてもらっただけです。
チー:最後の質問をどうぞ。
記者:ここフィリピンで恋人を見つけたと言うことは、あなたはここにずっと住むのですか?
(スティーブが乱入する)
スティーブ:おまえには失望したぞ!おまえの父親と同じだな!この軟弱ものめ!
チー:スティーブ!
スティーブ:俺は言いたいことを言うぞ!
カーラ:私の息子を傷つけたら、ただじゃおかないよ!
スティーブ:放せ!放しやがれ!おまえは後悔するぞ!忘れるな、俺が、おまえを作ったんだ!
ジョシュ:そんな脅しはもうやめろ、スティーブ叔父さん!おまえに用はない!
スティーブ:俺が苦労して築きあげたものを、その女にあっさり横取りされてたまるか!
ジョシュ:この人は、僕のお母さんなんだぞ!
スティーブ:おまえはもう、終わりだ!ぶち壊しにしてやる!!
ジョシュ:おまえなど怖くもない!僕はもう、子どもじゃないんだ!!

【アーニャの家】
(アーニャ、ナイフを持つホリーの夢を見る)

【病院】
ホリー:ヤヤ・・・。
ヤヤ:黙って・・。お休みなさい。
ホリー:お母さん、どうかしたの・・・?
ヤヤ:なにがあったか、覚えてないのですか?また発作が出たのですよ。
ホリー:きっと、ストレスのせいね・・・。お母さん・・・?
医者:ホリー。あなたの状況を説明するようにと、お母さんに頼まれたのですが。検査の結果が出ました。
ホリー:それで、どうだったの?私はどこが悪いの?
医者:誠に残念ですが、あなたは癌です。脳腫瘍です。
 
 

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