Nandito Ako (20) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード20


【ホテルの部屋】
カーラ:息子、なにかあったの?どうして悲しそうな顔してるの?
ジョシュ:なんでもないよ、お母さん。
カーラ:ねえ息子。なんでもお母さんに話していいのよ。ずっと長い間、私はあなたと一緒にいられなかった。あなたのことで知らないことが、いっぱいある。でも、私は母親だから、あなたになにかがあると、わかるの。
ジョシュ:お母さん、僕はどうしたらいいか・・・。
カーラ:なあに?どうしたの?
ジョシュ:ある女の子を愛してるんだけど、その子は僕のこと、愛してくれないんだ。こんなふうに感じたのは初めてだ。どうしてこうなるんだろう?
カーラ:ホリーなの?
ジョシュ:違う、ホリーの親友のアーニャだ。
カーラ:アーニャには話した?あなたの本当の気持ちを、伝えたの?
ジョシュ:うん。でも、受け入れてくれないんだ。代わりに、ホリーを好きになってほしいって。
カーラ:それで、ホリーとは話したの?ホリーはあなたのこと好きだって?
ジョシュ:アーニャはそう言ってる。でも、そんなふうにはホリーを愛せない。どうしたらいいんだ?僕は自分が愛する人を、愛するがゆえ傷つけてる・・・。

【病院】
ヤヤ:ホリー、お加減はどうです?
ホリー:大丈夫。迎えに来てくれてありがとう、ヤヤ。
ヤヤ:ほんと驚きました。なにか深刻なことが起きたんじゃないかと思いまして。先生、なぜこの子の頭痛の頻度が増えてるのですか?何が問題でしょうか?
医者:さらなる検査が必要です。本人が好む好まざるにかかわらず、検査は受けなくてはなりませんよ。それがあなたのためですから、ホリー。
ホリー:先生、私は大丈夫です。痛み止めさえ出してくだされば。
医者:心配してるのは、あなたの病気がもっと深刻かもしれないことです。ご両親とお話しします。

【アーニャの家】
(アーニャがベッドで泣いている)
テレサ:アーニャ・・・!どうしたの?いったいなにがあったの?
アーニャ:なんでこうなっちゃうの、お母さん?私、正しいことをしたのに・・・、なんでこんなに胸が痛むの・・・。
テレサ:なにがあったの?話してごらん。
アーニャ:お母さん、ジョシュに愛してるって打ち明けられたの・・・。でも、私は拒んだ。彼に背を向けたのよ。母さん、ホリーのためだったの。ジョシュを、ホリーと奪い合うなんて、したくなかった・・・。
テレサ:どうして?どうして、私とホリーの母親のあいだで起きたことが、今度はあなたたちのあいだで起こってしまうの?
アーニャ:だから、私はジョシュを拒絶したのに・・・。たとえ胸が苦しくても・・・。だって私もジョシュのこと、愛してるから・・・。でも、お母さんたちのあいだで起きたことを、再び起こしたくない。
テレサ:アーニャ、あなたがこんな苦しみを味わういわれはないわ。なんでこんなことになったの?どうしてあなたとホリーのあいだで・・・。
アーニャ:わからない、お母さん。どうしたらいいのか、わからないよ・・・・。

【ホリーの家】
ヤヤ:朝食を食べなかったのですね。なにか食べ物を持って来ましょうか?
ホリー:ヤヤ、なにもいらないわ。
ヤヤ:アーニャとは話しましたか?どうするおつもりです?
ホリー:そのことだけど・・・。ヤヤ、私アーニャが大好きなの。だから、ずっと友達でいるつもりよ。
ヤヤ:お母さまに逆らってでも?
ホリー:時が来れば、お母さんも受け入れてくれると願ってる。
ヤヤ:そう、わかりました。では朝食をお持ちしますね。少しお待ちを。
お手伝いさん:おはようございます、お嬢さま。今日の新聞です。
(新聞に踊る見出し「ウワサの真相!ジョシュ・ブラッドリー、フィリピン女性とデート!」)
ホリー:ジョシュがデート?フィリピン女性と? アーニャ・・・?

【アーニャの家】
テレサ:どうしようボルタ。アーニャはジョシュが好きになっちゃったの。でも、ホリーのことを気にしてるのよ。
ボルタ:あなたと娘の二人三脚ラブ・ストーリーには頭がおかしくなりそう!母親も娘も、三角関係から逃れられないのね!
テレサ:私はまじめな話をしてるの、ボルタ!アーニャは傷ついてるの。
ボルタ:ほんとに?
テレサ:もし私が、あの子を連れてどこかへ行ったとしたら?田舎へ連れてくの。そこで、新しい生活を始めるのよ。ここでは面倒ごとが多すぎるわ!
ボルタ:いいわ、まじめな話をしたいのね?じゃあ聞くけど、逃げれば問題が解決するとでも?あなたが金星でも火星でも、どこの惑星までだろうがふたりを引き離したって、ふたりの愛しあう気持ちまでは変えられないわ!ふたりがホリーのために一緒になれないからって、それが何?
テレサ:私の罪は、娘まで苦しめるほど深いの?罰は私だけにしてほしい。私だけなら構わないのに!
ボルタ:ああもう!
アーニャ:お母さん、私、ジョシュから離れることにする。これ以上、ホリーを傷つけたくない。
ボルタ:ちょっと!待って、待ってよ!それでどうなるの?そしたら苦しみから逃れられる?よくお聞き!ゴッドマザーの話を聞くのよ!もし、あなたがジョシュを愛してて、ジョシュもあなたを愛してるなら、ふたりは一緒になるべきよ!
テレサ:だまってよ!
ボルタ:なんで?私の言ってること、なにか間違ってる?!
アーニャ:愛は私にとって、もう重要じゃないの。それで誰か、友達を傷つけるんだとしたら・・・。
ボルタ:あなたとジョシュは、一緒になるべきなの、いい? 私を泣かせないでちょうだい。

【ホテルの部屋】
カーラ:ねえ息子。まだアーニャのこと考えてるの?
ジョシュ:頭から離れないんだ・・・。
ビリー:よお!みんな、これ見ろよ!
チー:なにごと?まるでマラソンから帰ってきたみたいね。
チー:なんなの?言ってよ!ジョシュ、これはなに?
(新聞に踊る見出し「ジョシュ・ブラッドリー、フィリピン女性と熱愛」)
ビリー:それだけじゃないぜ。テレビでもやってた。それで俺、知ったんだ。おまえ、アーニャに告ったのか?それでふたりは、恋人同志なのか?

【アーニャの家】
テレサ:アーニャ、本当にホリーのところへ行く気?まずは電話したほうがいいんじゃない?
アーニャ:お母さん、ただホリーの顔を見たいの。顔を見て話をしたいの。ホリーのお母さんには会わないよう注意するから。
テレサ:でも、アーニャ・・・。
アーニャ:すぐ帰るから。
テレサ:気をつけてね。
アーニャ:うん、お母さん。
(レポーターが押し掛ける)
レポーター:お嬢さん、昨夜ジョシュ・ブラッドリーと一緒でしたね?!ジョシュとは恋人同志ですか?
レポーター2:どうやって知り合ったんですか?いつからの知り合いですか?
レポーター3:ふたりの関係はどこまで行ってるんですか?
レポーター4:妊娠してるんですか?
テレサ:私の娘が妊娠してるかだなんて、よくも言ったわね!娘に嫌がらせはやめて!あんたたち、いったいここでなんの真似なの?!

【ホリーの家】
ヤヤ:さあ、朝食ですよ。お食べなさい。ここに置きますね。ホリー、さあ、お食べなさい。なにを見ているのです?あらまあ!これは、ジョシュとアーニャでは?
ホリー:アーニャだったのね・・・。ジョシュが言ってたのは、アーニャのことだったんだわ。ジョシュが愛するひと・・・。
ヤヤ:まだ分からないでしょう?こんなのウソかもしれませんよ。
ホリー:ヤヤ、この写真がすべてを物語ってるわ。
ヤヤ:いいえ、私が言いたかったのは・・・。
ホリー:はっきりしてる!
ヤヤ:ふたりは、お友達同志なんでしょう?ホリーがいられなかったとき、アーニャがジョシュを助けてあげたのですよね?ジョシュはアーニャとしばらくいたのですから、もしかしてただの感謝のハグかもしれません。まあ、ジョシュかアーニャと直接お話しすることですね。それしか、本当のことはわかりません。
ホリー:でもヤヤ、もしアーニャが本当に、ジョシュの好きな相手だったら?ヤヤ、私、怖い。そんなの、受け入れられそうもない・・・。

【アーニャの家】
アラジン:あの人たち、ぜんぜん帰らないよ!それに、どんどん増えてる!
マンド:アーニャ、いったい何ごとなんだ?なんであいつらがここに?!
ボルタ:あんた知らないの?ジョシュはアーニャのボーイフレンドって話よ!
マンド:なにい? 俺がアーニャのボーイフレンドだってこと、あいつら知らねえのか?!
ボルタ:あんたってほんとおめでたい!いい?(床を示して)あんたはここらへんなの。(天井を示して)でもジョシュは、こーんななのよ! レベルがぜんっぜん違うんだから!
マンド:おいおいおい!ボルタ!富と名声で愛を評価するんじゃねえ!
ボルタ:わかってるわよ!ハンサム度も追加していいわ!なおさら、あんたに勝ち目はないんだから!
マンド:アーニャ、アーニャ!こいつに、おまえが愛してるのは俺だって言ってやれ!
テレサ:もう黙って!アーニャ、心配しなくていいのよ、いずれ収まるわよ。いい?そのうち飽きて、いなくなるでしょ。
アーニャ:私が心配してるのはそれじゃないの。ホリーのことなの。もし、昨夜のジョシュと私のことをマスコミが知って、ニュースになったら?もし、ホリーがもうニュースを見てたら?お母さん、私ホリーと話をしなくちゃ。
アラジン:でも、どうやって出て行く?

【ホテルの部屋】
チー:(電話に向かって)どうか、公式発表をお待ちください。はい、よろしくお願いします。
ビリー:チー、あのニュースがあちこちのSNSサイトに載ってる。それに、アーニャを攻撃する山のようなコメントも。
カーラ:ジョシュ、息子よ、まだ出て行っちゃだめ。外は大混乱だわ。
ジョシュ:お母さん、アーニャが無事かどうか、確かめに行かないと。このゴタゴタをなんとかしなくちゃ。
チー:外に出て行くの?本気?外のマスコミにもみくちゃにされるわよ!
ジョシュ:構うもんか!いまは、アーニャのほうが大事だよ。
チー:あなた、あの子のこと本当に愛してるの?
ジョシュ:うん。とても。
ビリー:やったぜぃ!!(チーへ) あれ、どうかした?なんで泣きそう?
チー:うふふっ、ただ嬉しくて・・・。
カーラ:それで、どうするの、ジョシュ?
ジョシュ:アーニャが困ってないか、家に行ってくるよ。だって、僕の責任だから。
ビリー:待て、それだけか?それしか、やりようはないのか?
ジョシュ:それで、アーニャの元を永遠に去るってことだね。
チー:はあ?待って、よくわからないんだけど。アーニャを愛してるって言わなかった?なんで去るの?
ビリー:そうだよ。って言うかさ、おまえがアーニャと恋に落ちたって、別に問題ないだろ?いいじゃんか。もっと言えばさ、おまえがそれを世の中に公表すればいいんじゃねえか。そうすりゃ、マスコミがおまえを追っかけることもなくなるんじゃないか?
ジョシュ:マスコミに騒がれるのはごめんだよ!僕はアーニャと家族に迷惑をかけてる。あの人たちはこれまでだって苦労してきたのに、余計な負担を増やしたくない。僕にはアーニャの気持ちすら、わからないのに。
チー:じゃあ、確かめたら!アーニャの人生を乱して申し訳ないからって、ただ諦めるの?私たちにはどうしようもないことがある。それが愛なの。愛は複雑なもの。でも、心のためにいいのよ!
カーラ:チーは正しいわ。もしここで諦めたら、またとないチャンスを逃すことになる。至高の愛をつかむチャンスを。だから、チャンスに賭けてみなさい。そして、魔法を感じるのよ。

【アーニャの家の裏】
マンド:俺の格好、どうだ?
アラジン:大丈夫。あの人たち、まだいる?
マンド:ああ、まだいる。俺、アーニャに見えるか?
アラジン:ちょっとだけ。
マンド:どうするか、わかるな?ここで合図を待ってろ。
アラジン:お姉ちゃん、お姉ちゃあん!
レポーターたち:おい!あっちだ!
アラジン:お姉ちゃん、置いてかないで!一緒に連れてって!

【ホリーの家】
マルガレート:ほら、初めから私が正しかったわね。あんたの友達は、あの母親とそっくり!(新聞を見せる)読んだんでしょ?それで、その親友とはもうお話したのかしら?
ホリー:まだよ、お母さん。でも、アーニャは友達よ。あの子はこんなことしないって私、知ってる。
マルガレート:まだそんなバカなこと言ってるの、ホリー?!証拠が目の前にあるのよ!見えないフリはやめなさい!あんたが好きな男を横取りしたのは、明らかじゃないの!
ホリー:お母さん、新聞が間違ってることだってあるでしょ!きっと何かの誤解よ!
マルガレート:んまあ、あんたってどこまで愚かなのかしら!あの友達はあの母親と同じだってこと、なんで分からないの!あのご都合主義者で居座りで横領者が!
ホリー:アーニャはそんなんじゃない!あの子は違う!私がそれを証明する。
マルガレート:あなた、私を納得させようとしてるの?それとも自分自身?心の奥では、友達に裏切られたんだとあなたもわかってるんでしょ?

【ホリーの家の外】
ホリー:(独り言)いいホリー?大丈夫よ。ヤヤ・ロサの言ったことを信じるの。アーニャはあなたを傷つけたりしない。あなたの友達はあなたを傷つけない。アーニャはいい子。あなたを裏切らない。アーニャは、あなたからジョシュを奪ったりしない・・・。

【アーニャの家】
ボルタ:どうやら私の計画がうまくいったようね!みんなどこか行っちゃったわ!マンドよくやったわ。
アーニャ:もし、また戻ってきたら?
テレサ:心配ないよ!またどうにかするから。朝飯前よね、ボルタ?
ボルタ:もちろんよ!
テレサ:だから、あなんたはホリーと話してらっしゃい!でも、ホリーとだけよ。あの母親はだめ。
アーニャ:ありがとう、お母さん。ありがとう、ゴッドマサー・ボルタ。あなたがいなかったら、私どうしてたか。
ボルタ:そんなのいいのよ!それがゴッドマザーのつとめだもの。でも、ジョシュはあなたのボーイフレンドなんでしょ。なら金髪で青い目の友達を私に紹介するよう、ジョシュに伝えて!アタタタ、痛いわ!耳つねらないで!
テレサ:さあ、行ってらっしゃい!いつまた、何が起こるかわからないから!

(ジョシュが家の前でNandito Akoを歌う)

アーニャ:ジョシュ!ここで何してるの?
ジョシュ:この歌できみに気持ちを伝えようとやってきた。きみがまだ、僕を愛そうという気持ちになっていないのは、わかってる。でも、僕は喜んで待つよ。どのくらいかかっても構わない。
アーニャ:ジョシュ、お願いだからやめて!もう行って!アメリカへ帰ってちょうだい!私たちの生活を乱すのはやめてくれる?私の気持ちと、私の心も・・・。
ジョシュ:きみが愛してくれるまで、僕は帰らない。
近所の人:ねえ、みんな!ジョシュ・ブラッドリーがいるわ!早く!見て見て!早く早く!ジョシュ・ブラッドリーよ!
アーニャ:ジョシュ!早く帰って!みんなの見世物になってるわ!
ジョシュ:(地面に座って)僕はここを動かない。
アーニャ:いったいなにしてんの!?立ってよ!ジョシュ!!
近所の人:イエスって言っちゃいなよ!気のないそぶりはもうやめ!
ジョシュ:愛してるんだ、アーニャ!愛してる、アーニャ・デイオニシオ!とても、とても、とても愛してる!僕は、この娘を愛してる!世界中の誰よりも!きみを愛してるんだ、アーニャ・ディオニシオ!!
アーニャ:ジョシュ、やめて、お願い!
ジョシュ:きみも僕のことを愛してるのか、知りたいんだ。
アーニャ:いったい私に、なんて言わせたいの?
ジョシュ:なんでもいい。ただ、ひとつだけ約束してほしい。
アーニャ:なに?
ジョシュ:ウソはつかないでくれ。


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