Nandito Ako (16) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード16


【海岸】
アーニャ:助けて!誰か助けてください!!
(カーラが通りかかる)
カーラ:私の家に運びましょう!エミル!エミル!手伝って!
(エミルが駆け寄る)
カーラ:この子を家まで運ぶのよ!!

【カーラの家】
エミル:さいわい傷が浅くてよかった。このあたりには診療所がなくて。
アーニャ:大丈夫でしょうか・・・?
エミル:ああ、大丈夫そうだよ。
カーラ:この長い年月・・・、何年ものあいだ・・・、恋しく思い焦がれてきた・・・。ねえ、エミル?
エミル:さあ、もう休ませてあげよう。
カーラ:私の息子!私の息子!
アーニャ:あなたの、息子・・・?
カーラ:この子の名前はジョシュでしょう?ジョシュ・ブッラドリー。
アーニャ:そうです・・。
カーラ:私はカーラ・・・、この子の母親よ。
アーニャ:ジョシュのお母さんなの?ジョシュは、あなたを探しにここまで来たんです。
カーラ:私、マニラに行くつもりだったの。でも・・・。
エミル:俺が病気になって、その日カーラは、看病のため行けなくなってしまった。俺は、自分を許すことができなかった・・。俺のせいでカーラは、何年も待ち焦がれた息子と会うチャンスを逃したんだからな。
カーラ:ジョシュはもう、アメリカへ帰ってしまったと思ってたの・・・。
アーニャ:ジョシュは、あなたを探すため、スティーブ叔父さんがら逃げてきたんです。ジョシュは、あなたをとても愛しています。
カーラ:私も息子のこと、死ぬほど愛してるわ・・・。息子、あなたをとってもとっても愛してる。ジョシュの手助けをしてくれて、ありがとうね。ここまで来て、私たちを見つけるのを手伝ってくれて・・・。

【ホリーの家】
マルガレート:ヤヤ、ホリーから電話はあった?
ヤヤ:まだです。私は心配になってきました。今度ばかりは本当に、なにかトラブルがあったんじゃないかと思いまして。
マルガレート:あの子は自分から出て行ったんだから、自分で戻る方法を見つけるべきよ。
ヤヤ:でも奥さま、ホリーのような子どもが考えることですから。あの年代は、軽はずみな子どもじみたことをするものです。探しに行ったほうがいいと思うんです。あの子を見放してはなりません。
マルガレート:私にどうしろって言うの、ヤヤ?ラジオ局にでも行けと?そもそもは、あなたがあの子を甘やかすから、こんなことになったんだわ!角を伸ばしただけじゃなく、私に牙までむいて!
ヤヤ:もしかしたら、お友だちのアーニャといるのかもしれません。アーニャのところに行ったのかもしれませんよ。
マルガレート:住所はわかるの?
ヤヤ:はい、わかります。いまお持ちしますので少しお待ちください、奥さま。

【カーラの家】
ジョシュ:アーニャ・・・?アーニャ・・?!
アーニャ:ジョシュ!よかった、目が覚めたのね!
ジョシュ:アーニャ・・・。
アーニャ:ここにいるわ。
ジョシュ:よかった・・・。きみがいなくなってしまったかと・・・。
アーニャ:ジョシュ、どうして私がいなくなるって言うの?私は、どこにも行かないわ。危険な目にあったのは、あなたなのよ。私、とても心配したんだから。
ジョシュ:僕はもう、大丈夫だよ。 な、僕タフだろ、アーニャ? ランパなんかじゃない。(起き上がって) ところで、ここはどこ?
アーニャ:私たちがいまいるこの場所は・・・、あなたのお母さんの家なの、ジョシュ。
ジョシュ:え?
(カーラが入ってくる)
カーラ:ジョシュ・・・。
ジョシュ:お母さん・・・。ほんとうに、お母さんなの? (抱き合う)この15年間、毎日、お母さんのことを思ってた。
カーラ:私もよ、息子。あなたを長い間、探し続けた。

【アメリカ大使館前】(回想シーン)
カーラ:手を放して!なんだと言うの?私の息子が中にいるのよ!中に入れてちょうだい!!
警備員:どうかお引き取りを。
ミレーヌ:あんたたちなんなの!?中に入れなさいよ!この人は、あの子の母親なのよ!あの外国からやってきた叔父ってのは、あの子を連れて行くなんの権利もないんだから!だから中に入れなさい!
カーラ:中にいる子どもは、私の子どもなの!だから入れて!私の息子!

【カーラの昔の家】(回想シーン)
ミレーヌ:ねえ、どうだった?
カーラ:また拒否されたわ。また私のビザが却下された。
ミレーヌ:うそでしょ?!いったいこれまで何回申請してるの?もっと思いやりある対応はできないっての?別に不法滞在しよう、ってんじゃなくて、ただ息子を探したいでけなのに!なんで、それがわからないわけ?
カーラ:わからない、ミレーヌ。もう、私にはわからない!どうすれば自分の息子を取り戻せるの?どうやって、ジョシュを探せばいいの?

【カーラの家】
カーラ:私がどれほど会いたかったか、あなたに知ってて欲しかった。二度と会うことなく、お墓に入ることになるとさえ思ったわ。
ジョシュ:僕はずっと信じてきたよ、お母さん。いつかまた会えるって、僕にはわかってた。僕には、わかってた。
(抱き合う)

【カーラの家】
ジョシュ:ここには、どのくらい長くいるの?
カーラ:もう、しばらくになるわ。あなたがいなくなってから数年後に、こっちに帰ってきたの。もう一度やり直そうと思って。でも、それはものすごく辛いことだったわ、ジョシュ。また家族を築こうと思って、再婚もした。彼はエミルっていうの。いい人よ。私が立ち直るために、すごく助けになってくれた。
ジョシュ:その人はどこにいるの?会いたいよ。
カーラ:釣りに行ってるわ。でももうすぐ戻ってくるから、会えるわよ。
ジョシュ:その人は、僕が誰だか知ってる?
カーラ:私に息子がいるって、知ってるわ。彼に隠し事はしてないの。
ジョシュ:(バッグから時計のバンドを出して) あの火事のゴタゴタで、壊れちゃった。でも、無くさないようずっと持ってたんだ。
カーラ:私があげた腕時計の片割れだわ!ずっと持ってたの?
ジョシュ:ずっと、肌身離さず持ってた。唯一のお母さんの思い出だったから。どこに行くのも一緒。お母さんが言ったように、毎日、毎時、毎分、毎秒、お母さんのこと思い出してた・・・。
(抱き合う)

【カーラの昔の家】(回想シーン)
カーラ:ジョシュのお祝いは、どんな感じかしら・・・。誰とお祝いしてるのかしら・・・。
ミレーヌ:お友だちを呼んで、お誕生会してるかもよ。
カーラ:今日でジョシュは12歳。背が伸びたに違いないわ!今頃、なにを思ってるのかしら? 思い出すの・・・、ジョシュが3歳だったとき、私にはほんとうにお金がなかった。でもがんばって働いて、なんとかジョシュにケーキを買ってあげられたの。ケーキを見たジョシュは、舞い上がってたわ、ミレーヌ。すごく嬉しそうだった。
(ケーキのろうそくを灯し、プレゼントを持って)
カーラ:ジョシュ、お誕生日おめでとう。あなたの笑顔を、いつか見ることができますように・・・。とても愛してる・・・。 ねえミレーヌ、ジョシュはまだ私のこと、覚えてると思う?もし、私のこと忘れちゃってたら、どうしよう?
ミレーヌ:そんなこと言わないで。覚えてるにきまってるでしょ、あなたはお母さんなのよ。絶対に、ジョシュもあなたのことを思ってるって。

【カーラの家】
カーラ:ジョシュ・・・、この15年間・・・、15回の誕生日が過ぎた・・・。でも一度だって、あなたの誕生日を忘れたことはなかったわ。(15個のプレゼントを渡して) お誕生日おめでとう、私の息子・・・!

【カーラの家】
エミル:カーラ!カーラ!今日の収穫を見ろ!サバとエビがたくさん捕れたぞお!
カーラ:ジョシュ、この人がエミルおじさん、私の夫よ。
ジョシュ:僕のお母さんを大切にしてくれて、ありがとう。
エミル:来てくれてほんとよかったよ。きみのお母さんは、ついにきみに会うことができた。
ジョシュ:うん、今日は、人生で最高の日だよ。
エミル:さて、料理を始めようかな!今日は特別なごちそうだ!盛大なお祝いをするぞ、いいな?じゃ、俺、始めてるからな!
アーニャ:おじさん、おはようございます!
エミル:おう!ゆっくりしてけよ!

【アーニャの家の近所】
友人:なんでそんな浮かない顔してんだ、マンド。なんかあったのか?
マンド:なんでもねえ。ただ、ちょっと心配でよ。アーニャがバタンガスにいるんだ。テレサおばさんに聞いたんだけどよ。
友人:それがなんだ?
マンド:それが、男と一緒なんだってさ。アメリカ人だ。どうやら会ったばかりのようなんだが。
友人:そりゃおまえ、自分が悪いんだろ。おまえがトロいから、そのアメリカ人に先を越されちまうんじゃねえか。
マンド:アーニャは俺の親友なんだよ、そうだろ?もし、アーニャに告白して拒否されたらどうする?そしたら、アーニャと顔を合わせられなくなる。アーニャの顔を毎日見られなくなるなんて、考えられねえ。
友人:おまえは消極的すぎるんだ。そのアメリカ人のほうが優勢になったら、どうすんだ?
(マンド、去ろうとする)
友人:待てよマンド!どこ行くんだ?
マンド:そんなことはさせねえ。アーニャを、バタンガスから連れ戻してくる。

【バタンガスの海岸】
カーラ:息子を助けてくれて、どうもありがとうね。
アーニャ:いいんです。
カーラ:もしあなたの助けがなかったら、息子と私は会えていなかったかも。
アーニャ:ジョシュとは知り合って間もないですけど、わかったことは、彼は、やると決めたら必ずやりとげる人だということです。決してあきらめない。私がいなくても、あなたを見つけていたでしょう。
カーラ:それでも、感謝の気持ちに変わりはないわ。少なくともジョシュは、この地でお友達を見つけることができた。彼ひとりで探してたら、大変だったはずよ。だから、どうもありがとう。
アーニャ:ジョシュを助けたのは私だけじゃないんです。もうひとり、友達がいます。
カーラ:誰なの?
アーニャ:ホリーっていう子です。

【アーニャの家】
ボルタ:はい、これは甘いタレで食べてね。そっちのは辛いわよ。
近所の人:テレサおばさん、誰かがおばさんを探してるよ。
テレサ:誰が?
近所の人:そこに止まってる車にいる。
ボルタ:まあ、すごい!車ですって!バーベキューを買いに来たのかしら?全部買ってくれるかもよお。
(車からマルガレートが降りてくる)
テレサ:ここで何してるのよ?
マルガレート:あなたがアーニャ・ディオニシオの母親?
テレサ:そうだけど、何か? 私の娘に何か用?
マルガレート:ふん、道理でね!あなたの娘が私の家に上がった途端、家中にビヤホールの匂いが充満したわけだわ!だって母親がこれだもの!
ボルタ:ちょっとお待ち!この女、ずいぶんとげとげしいわね!あなた、バーベキュー買いに来たの?それとも侮辱しに来たの?
マルガレート:あなたには話してないわ。
テレサ:私の娘を引きづり込むのはやめなさい!
マルガレート:もう遅いのよ。というのも、成り上がり主義で金目当てであるあなたの娘は、私の娘の友だちなんだから。
テレサ:じゃあ、あんたは・・・。
マルガレート:そうよ、私はホリーの母親。ホリーはどこ?
ボルタ:ちょっと!私たちが遺失物事務局にでも見える?
マルガレート:ホリーが家を出たのよ。
ボルタ:だからなに?
マルガレート:あなたの娘が、うちの娘の唯一の友だちなのよ。だから、どこなの?
テレサ:ここにはいないわ。だから、お引き取りくださいませ!
マルガレート:あなたの娘と話をさせなさい!
テレサ:アーニャはいまいない。いたとしたって、あんたと話なんかさせるもんか。
マルガレート:なぜ?あなた、怖いの?自分の惨めな過去を娘に知られるのが。それとも、もう知ってるのかしら?それどころか、あなたなら娘が同じ道を歩むための準備を、すでに始めてるに違いないわね。
テレサ:このろくでなし!恥知らずめ!とっとと帰んな!さもないと串刺しにしてやる!!帰れ!帰れ!
マルガレート:うちの娘がこんな汚くて臭いところにいなくて、よかったわ!あんたの娘が友だちだなんて、許すもんですか!
テレサ:さっさと帰れ!二度と来んな!
マルガレート:ごくつぶし!
テレサ:おい、ちょっと戻って来い!この厚かましい女!

【バタンガスの海岸】
アーニャ:あなたが微笑むと、私もつい微笑んじゃう。笑顔がまぶしいわ。
ジョシュ:僕、すごく幸せだよ、アーニャ。もう心臓が破裂しそうだ!ほら、わかる?
アーニャ:頭を打ったからその影響かも?それで心臓がドキドキしてるのかもよ。まだ神経が高ぶってる?
ジョシュ:おばかさんだな!僕はもう大丈夫だよ。頭はもう痛くない。 僕は、世界一強い男だ!!それに世界一幸運な男でもある。
アーニャ:そうね、ほんとあなたは幸運よ。すべて持ってるもん。名声と富と・・・、そして、お母さん・・・。
ジョシュ:もうひとつ、ある。
アーニャ:まだなにか、持ってないものがあるの?


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