Nandito Ako (13) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード13


【ホリーの家】
ヤヤ:奥さま、私の甥っ子なんです。緊急の用事があって・・・。

【道】
アーニャ:もしもし?ヤヤ・ロサ??
ジョシュ:誰から?
アーニャ:ヤヤ・ロサ・・・、ホリーの乳母からだった。ホリーのお母さんがホリーを見張ってて外に出れないから、電話するように頼まれたんだって。それから、あなたのスティーブ叔父さんが家まで来たって。
ジョシュ:なんだって?ホリーの様子を見に行かなくちゃ。ホリーになにかあったら、大変だよ!
アーニャ:ねえ、あなたの気持ちはよくわかる。私もホリーが心配よ。でも、いまホリーの家に行ったら、あなたはもっと面倒なことになるわ。もしかしたら、ホリーにとっても面倒なことになるかも。そのうえ、スティーブ叔父さんに見つかってもいいの?
ジョシュ:でも、ホリーが大丈夫かどうか、確かめないと。 僕のせいで、ホリーになにか悪いことが起こるなんて、あっちゃいけない。
アーニャ:なら、こうしたらどう?私のゴッド・マザーの家にいったん戻るの。そして、私がホリーのことを確かめに行く。
ジョシュ:ほんとに?僕も一緒に行くよ。
アーニャ:あなたがお母さんとアラジンと一緒にいれば、私も安心できるのよ。あそこなら安全だわ。もし、スティーブ叔父さんがあなたを見つけたら、もうお母さんを探せなくなるのよ。それでもいいの?
ジョシュ:ありがとう、アーニャ。僕を気遣ってくれて。
アーニャ:じゃあ、行こう。

【事務所】
スティーブ:もしもし?そうだ。ああ。もっとも腕利きの私立探偵をよこしてくれ。俺が知りたい情報をすべて必ず、つきとめさせろ。わかったな?じゃあ。
チー:不思議に思ってるんだけど、どうしてあなたは、フィリピンのことをそんなに気嫌いするの?ジョシュが自分の故郷に帰ることすら、嫌がったわ。あなたをそれほど怒らせるものは、なに?

【カーラの家】(回想シーン)
ハロルド:スティーブ、悪いが、僕は、カーラとはけっして別れない。
スティーブ:アメリカへ戻れば、もっとマシな人生が待ってるんだぞ。軍の仕事はやめて、普通の生活ができるんだ!
ハロルド:僕は軍にいたいんだ!カーラと一緒にいるためにね!僕の子どもを身ごもってるんだぞ!!
スティーブ:この女と一緒に暮らすことなんて、できないんだ!おまえ、気は確かか!!
ハロルド:スティーブ!兄さんが僕のためにしてくれたことはわかってる!でも、これは僕の人生なんだ!僕は、カーラを愛してる!なにが起ころうと、僕は、彼女のそばにいるぞ!!

【外】(回想シーン)
スティーブ:もしもし?
電話の主:スティーブ・ブラッドリーさんはいますか?
スティーブ:私だが。
電話の主:ブラッドリーさん、こちらは在マニラのアメリカ大使館です。
スティーブ:そうですか。それで?
電話の主:あなたの弟、ハロルド・ブラッドリーさんの件です。乱闘事件がありまして。
スティーブ:なんだって?彼はいまどこだ?無事なのか?
電話の主:亡くなりました。そのため我々がご家族へ連絡しています。誠にお気の毒です。

【病院】(回想シーン)
カーラ:ハロルド!ハロルド!!
スティーブ:バーでのケンカだって!?俺の弟は、おまえらみたいなフィリピン人のために、バーでのケンカで死んだって言うのか!? おまえらのような人間のせいで、無意味に死んだって言うのか!?
カーラ:彼は、私たちを助けようとしただけなの!ハロルドは、ケンカを止めようとしただけ!でもだんだん手が付けられなくなっていって・・・、ただ、私たちを守ろうとしただけなの!!
スティーブ:ハロルドはアメリカに行こうとしていた!でもここにとどまった!とどまることを選んだ!それで、こんなふうに死んじまったのか?無意味な死を遂げたってのか!おまえのせいで!
カーラ:まだわからないの!!あれは、事故だったのよ!!誰も望まない事故だったの!そう、あなたは弟を亡くした。でも私たちが亡くしたものはもっと大きいわ!
スティーブ:ここから出て行け。
カーラ:いいえ!私は愛する人を亡くした!私の赤ちゃんは父親を亡くした!!
スティーブ:この部屋から出て行け!
カーラ:あんたには、それがわからないの!
スティーブ:部屋から出て行け!俺の弟に近づくな!!出て行け!!
カーラ:いやよ!私にだってそばにいる権利がある!いやああああ!!

【事務所】
スティーブ:あの女が憎い。

【アーニャの家】
近所の人:テレサさん、ジョシュ・ブラッドリーは中にいるのかしら?
テレサ:ジョシュ・ブラッドリーですって?誰それ?
近所の人:ジョシュがバングスといるところを、見たんですけど。
ボルタ:あなた、なにを見たって?
近所の人:ふたりが一緒にいるのを見たんです。
ボルト:お嬢さん、お嬢さん、ちょいとお待ち。あなた、ドラッグかなんかやってるんじゃなくて?それ、副作用?違う?
近所の人:ジョシュに会えるまで、私、帰りませんから。
ボルタ:なら、倒れるまでそこにいることね。そんなことしても、ジョシュ・ブラッドリーなんかに会えませんから!さ、もう行ましょ。おかしな女!
(ドアを閉める)
ボルタ:あらまあ、困ったわ!どうしたらいいのかしら?あのおかしな女、真剣だったわよね。もしこのことを、ふれて回ったらどうしよう。
テレサ:ともかく、アーニャがジョシュを、もうホリーのとこに連れて行ってることを願いましょう。

【ホリーの家】
(ホリーがバルコニーから抜け出そうとしている)

【アーニャの近所の道】
アーニャ:早く!誰かに見られないうちに、ゴッド・マザーの店に戻らなくちゃ!
ジョシュ:そうだね、急ごう!(靴の紐がほどける) あ、アーニャ、待って!
(靴の紐を結んでいるところを、後ろから誰かが捕える)
(アーニャが振り返り、ジョシュがいないことに気づく)
アーニャ:ジョシュ? ジョシュ、どこなの???ジョーッシュ!!どこに行っちゃったの?

【ホリーの家】
(バルコニーから降りようとして動けなくなる)
ホリー:警備さん!!
警備の人:お嬢さん、なにをしようとしてるんです??
ホリー:ここに来て、手伝って!

【アーニャの近所の道】
アーニャ:ジョシュ?いったいどこにいるの?ジョシュ!出て来てよ!ジョシュ、どこ?!
ボルタ:シーッ!アーニャ!こっちよ!
アーニャ:ジョシュ!
ボルタ:静かにおし!もう!
アーニャ:ここでなにしてんの?
ボルタ:静かに!あんたの家は、いま人でいっぱいなの。ジョシュのファンたちが、あんたの家に押し寄せてるのよ!みんな、ジョシュの出入りを待ち受けてるんだから!わかった?
アーニャ:なにが?
ボルタ:んもう!ともかく静かにして!

【道】
チー:ロンドンから電話があったわ。
ビリー:で?
チー:ジョシュがヨーロッパ・ツアーをキャンセルしたっていう、ウワサが広まってるって。
ビリー:それで・・・、どうなっちゃうんだ?
チー:まあ、悪い評判がひとつ増えたってことね。でも、今回のは、かなり悪いやつよ。私は、スティーブのガミガミから逃れるために、出てきたの。
ビリー:それで、スティーブ叔父さんはどこなんだ?
チー:知らないわ。誰かと話でもしに行ったんじゃないの。ガミガミ・スティーブから離れて、いまここにいるのがホッとする。私、別のホテルに移動しようと思ってるんだけど。
ビリー:そう?じゃあ、荷造りでもしようか?
チー:ああもう!いったい、あのジョシュ・ブラッドリーはどこにいるのかしら!

【事務所】
スティーブ:この少女を尾行しろ。この女が、甥っ子をどこに隠しているのかを探し出せ。それから、甥っ子がさらわれたあの家に行って、怪しいと思われる人間は片っ端から見張れ。いいな?
私立探偵:かしこまりました。

【ボルタのヘアサロン】
ボルタ:あなたたち、ほんとたいしたもんね!いったいなにがあったの?
テレサ:鍵しめて!早く!
ボルタ:さあ、鍵したわよ!アーニャ、なにがあったの?ちゃんと説明なさいな!いったいどうして、あのトゥイーンたちが大勢あなたの家に押しかけるはめになったのよ?
アーニャ:ジョシュをホリーの家に連れてく途中で、ひとに見られちゃったのよ。それで、ウワサが広まったんだわ。そしたら、ホリーの乳母から電話があって、ジョシュを連れて来るな、って言うの。スティーブ叔父さんがホリーのとこに現れたんだって。ゴッド・マザー、こんなことになってごめんなさい。あなたしか、信用できる人はいなかったから。
ボルタ:なにも心配しなくていいのよ。そうじゃなかったら、私があなたのオカマのゴッド・マザーである意味がないでしょ? 私の魔法の杖で、奇跡を起こしてみせるわ!で、次の計画は?
アーニャ:どうすればいいか、わかんない・・・。だからこそ、ホリーに会いたかったんだけど。ホリーのことも心配だし。聞いたとこによると、ホリーのお母さんがホリーを監視してるようなの。
ボルタ:あらまあ・・・。
テレサ:ともかく、あなたはこの件について、ホリーと話をしないわけにはいかないでしょ。ジョシュをここから連れ出さないと。もし、ジョシュがここいるってことがニュースにでもなったら、近所の人たちが殺到するわよ。
ボルタ:ごもっとも!借金取りが押し寄せるわよ!
テレサ:かわいそうなジョシュ・・。
ボルタ:ほんと現実離れしてるわ!このジョシュ・ブラッドリーへのみんなの熱狂ぶりときたら!
ジョシュ:ほんとうにすみません。こんな面倒なことに、みんなを巻き込むつもりなかったのに。すごく恥ずかしいよ。
アラジン:どうして恥ずかしく思うの、お兄ちゃん?お兄ちゃんは、ぼくたち家族の一員みたいなもんだから、助けあうのは当然だよ!
ジョシュ:助けてくれてありがとう。ほんとに感謝してます。
テレサ:お礼なんていいのよ。どうってこと、ないんだから。

【ホリーの家】
マルガレート:家の真ん前であんな自殺行為、いったいどういうつもり?ほんとうにこの子は、頭を使わないのね!どこまで恥をかかせれば気が済むの!いらっしゃい!どこへ行くつもりだったの?!あのジョシュ・ブラッドリーのところ?!あの男は、あんたに問題の種を増やすだけだって、まだ分からないの!!
ヤヤ:マルガレートさま、もうじゅうぶんです!
マルガレート:今度また逃げようとしてごらん!あんたを動けなくしてやる!!
ヤヤ:もう、じゅうぶんです、じゅうぶんです・・。
ホリー:お母さん・・・!

【ボルタのヘアサロン】
アーニャ:じゃあ、お母さん、私、行ってくるね。そのあいだ、ジョシュのことよろしくね。外には行かせないで。なにか起こったら困るもの。
テレサ:そんなの、だめよね。
ボルタ:んまあ!この子から、この彼への、気遣う気持ちがひしひしと感じられるわ。なんでかしらねえ?
アーニャ:ゴッド・マザーってば、冗談ばっかり!私はただ、ジョシュがうちの監督下にいるうちは、へんなことが起こってほしくないだけ。もしジョシュになにかあれば、私が責任を問われるんだから。
テレサ:了解!さ、行ってきなさい!
アーニャ:うん、行ってきます。
ボルタ:待って!この混血の子に、行ってきますは言わない気~?
アーニャ:行ってきます、ジョシュ。
ボルタ:それだけ??
アーニャ:それだけよ!
ボルタ:待って、待って!見られないように、こっそりね・・・。誰かに気づかれたら、今度は私の美容院が大変なことになるわ。さ、ちゃんと鍵して、完了!
テレサ:ちょっと!あなたがさっきアーニャに言ったことだけど。
ボルタ:こっち来て、話しましょ。女の子同士でお話ね。いい? 私、なにか感じるのよ。注意して聞いてちょうだい。あなたのいとしい娘さんは、あそこの色白のかわいい少年に首ったけだと、私は感じ取ってるんだけど。わかる?
テレサ:それはとっても素敵なお話ですが、でも私は気に入らないわ!
ボルタ:まあ、厳しいわね!
テレサ:娘には、私と同じ運命をたどってほしくないのよ。娘がかわいそうだと思わないの!
ボルタ:んまあ、ほんとに厳しいこと!
テレサ:さあ、食料を買いに行きましょう。行くわよ!アラジン、ドアに鍵かけて、誰も入れちゃだめだからね!ジョシュ、ここでのんびりしてて!ほらバッグもおろして!大丈夫よ!

【ホリーの家】
アーニャ:ホリー!
ホリー:アーニャ!どうやって入ったの?
アーニャ:ヤヤ・ロサが入れてくれたの。外で見ててくれるって。ここに来なかったら、あなたがお母さんに閉じ込められてたなんて、分からなかった。だじょうぶなの?
ホリー:平気よ。私のことは心配しないで。いい? それよりも、ジョシュのことが心配なの。いまジョシュはどこにいるの?
アーニャ:ゴッド・マザーの家に置いてきたわ。
ホリー:アーニャ、ジョシュを助けられるのは、あなただけなの。どうか、お母さんを見つける手助けをしてあげて。
アーニャ:どういう意味?
ホリー:私はもう、この家から外に出ることができないの。お母さんが監視してるのよ。それに、もうお母さんの心を痛めるようなことはしたくないの。だからお願い、アーニャ。あなたが、ジョシュのお母さんを見つける手助けをしてあげなくちゃだめなの。
アーニャ:でも、もうホリーが外出できなくなっちゃって、どうやって助けたら?
ホリー:それだから、私のかわりにできる人はアーニャしかいないのよ。ジョシュと一緒にバタンガスへ行って、お母さんを探してあげて。
アーニャ:ホリー、私が家族を残して出かけることができないって、わかってるでしょ?いま家族が頼れるのは、私しかいないのよ。
ホリー:アーニャ、どうかお願いよ!ジョシュを助けてあげなくちゃ。こうすることでしか、彼を幸せにできないの。お願い。
アーニャ:わかった。ちょっと考えさせて。
ホリー:ほんとに!?あっちに着いたら、必ず電話かメールしてね。待って。(携帯を取り出し) 私の新しい番号を送るわ。古い携帯は、お母さんにとられちゃったの。
アーニャ:受け取ったわ。
ホリー:お願いね、アーニャ。ジョシュを助けてあげて。

【ボルタのヘアサロン】
テレサ:ああもう、支払いがこんなに溜まってるわ。お母さんのこのメモを見て。こんなにあるの。(アラジンが靴を直している) 息子よ、お母さんがやってあげる。ごめんねえ、新しい靴すら買ってあげられなくて。うちにはね、たくさん借金があるの。いろんなものに支払いをしなくちゃならないのよ。
アラジン:お母さん、いいんだ!ぼく、新しいものなんかいらないもん。お母さんたちと一緒にいられるだけでいい。
テレサ:心配しなくていいのよ、息子。私がクラブの仕事に戻れたら、あんたには新しい靴と、新しい洋服を買ってあげる!
アラジン:お母さん、クラブに戻るの?そしたら、いまみたいにお母さんにしょっちゅう会えなくなっちゃう。夜一緒に寝れなくなっちゃう。そんなの、やだあ!
テレサ:でも息子、しかたがないのよ・・・。あんたのお母さんは、働かなくちゃならない。働いて、お金を返さなくちゃならないの。毎日、買わなくちゃならないものがあるし、電気代や、家賃や、ほかの借金もある。毎日ごはん食べてるでしょ?あれも、お金払わなくちゃ食べられないのよ。でも心配しないで!もしお母さんの運が良ければ、自分でお店でも始められるかも。そうすれば、いつも一緒にいられるよ!お姉ちゃんと3人で、いつも一緒!わかった?だから、もう悲しまないで。

【ホテルの楽屋】(回想シーン)
ジョシュ:ママ、ぼくたち逃げるって言ったのに、どうしてここにいるの?
テレサ:ママはちょっとお仕事しなくちゃならないの。でもそしたら、田舎へ行くときになにか買っていけるわよ。ね?

【夜道】
(私立探偵がアーニャを尾行する)


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