Nandito Ako (10) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード10


【道】
ジョシュ:まるできみは天からの恵みだ。僕がどれほど嬉しいか、きみにはわかりっこないよ。
ホリー:あなたが喜ぶのを見ると、私も嬉しい。
ジョシュ:きみがいてほんとうによかった。僕のために、いろいろありがとう。
ホリー:さ、バタンガスへ行く準備をしましょう!

【ホリーの家】
ホリー:ミレーヌさんがくれた住所に行くには、地図があったほうがいいよね。そうすれば、もし私たちがはぐれても、行き先がわかるし。見て、ここ。ここに行くの。この町にあなたのお母さんがいるはず。このバタンガスにある島のどこかに違いないわ。あなたのお母さんはすごく幸運ね。だって、あなたにこんなに愛されていて、けっして見捨てられなかった。
ジョシュ:きみのほうがもっと幸運だよ。だって、お母さんと一緒にいるだろ。
ホリー:でも、私のお母さんは、私のことなんかどうでもいいの。私は、姉のオードリーみたいにいつも気にかけてもらったり、褒めてもらったりしたことない。・・・・ああもう、早くこれ終わらせて、出かける準備しなくちゃ!

【クラブ】
同僚:テレサ!戻れてよかったわね!心配してたのよ。
テレサ:心配してくれてありがとう。だいじょうぶよ。仕事を見つけるのは大変だったけど、ジェーン・ママがこのあたりのクラブのオーナーたちと知り合いだったから。
同僚2:あのことは、あの女性客のほうが悪かったのよ。もう二度とここに来させない。もし来たら、とっちめてやる。
テレサ:あの人のことはもういいよ。神さまがなんとかしてくださるはずよ。
同僚:これ、あなたを少しでも助けようと、寄付を募ったの。
テレサ:ほんとうに、どうもありがとう。
ジェーン・ママ:(お金を奪って)よこしなさい!
テレサ:でも、ジェーン・ママ・・・。
ジェーン・ママ:なによ?これだけじゃ、あんたがあの客とケンカしたときの後始末や壊したものの弁償にもまだ足りないよ!
同僚:ジェーン・ママ、それはテレサにあげてください。
ジェーン・ママ:テレサにあげろだって?あんたもクビになりたいのかい!さあ、出てお行き!出てけ!
(テレサ、店を出ていく)
ジェーン・ママ:あんたたち、なに見てんのよ!さっさと消えなさい!

【ホリーの家】
ホリー:(ジョシュの手をひいて)早く!お母さんに見つかっちゃう!
ヤヤ:ホリー?
ホリー:ヤヤ・・・。
ヤヤ:んまあ、ジョシュ・ブラッドリーだわ!!なんでこの人がここにいるの?
ホリー:ヤヤ、あとで説明する!お母さんが来るまえに、家を出なくちゃ!
ヤヤ:どこへ行くのですか?
(マルガレートが車から降りてくる)
ホリー:お母さんだ。私の部屋に戻ろう!
(ホリーがつまづく)
ジョシュ:だいじょうぶ!?
(ジョシュ、ホリーを担いで運ぶ)
ヤヤ:どうしてジョシュがここにいるのです?
ホリー:ヤヤ、あとで説明するから!お母さんには、私はひとりでいるってことにしておいて!

【アーニャの家】
(テレサがアーニャの子どもの頃の写真を見てる)
ボルタ:あら、どうしたの?
テレサ:なんでもない。ただ、子どもたちのことが心配で。私にはもう仕事がないし、私たち、どうなっちゃうのかしら。子どもたちには学校をやめてほしくないの。
ボルタ:やめるですって?どうしてそんなふうに考えるの?誰もやめさせたりなんかしないわ。神さまはお恵み深いお方だもの、見てよ、あんなかわいくて優しい子どもたちにあなたは恵まれた。なにが不足だっていうの?
テレサ:私の赤ちゃんが女の子だってわかったとき、私、怖かった。この私みたいになるんじゃないかって。
ボルタ:私のゴッド・チャイルド、バングスを見るのよ。強くて、賢くて、美しい子だわ。まるで、ゴッド・マザーのボルタみたいに!ねえ、楽観的になりなさいな。悲観的なのはだめ。子どもたちと、エイエイオーでがんばるのよ。
テレサ:そうよね。
ボルタ:あの子とはちゃんと話したの?
テレサ:まだよ。ほら、わかるでしょう?あの子は、自分でなんとかできるうちは、ひとを頼ろうとしないの。
ボルタ:ほんとに、あなたは子どもたちに愛されてるわね。それでじゅうぶん。ほら、笑って!
テレサ:わかってる。私は恋愛には運がなかったけど、世界一、幸せな母親だわ!
ボルタ:んもう、あなたのせいで、泣きそうよ。

【ホリーの家】
ヤヤ:奥さま、コーヒーお飲みになりますか?お淹れしましょうか?
マルガレート:コーヒーならもう飲んだわ。ホリーはどこ?
ヤヤ:お部屋です。眠ってらっしゃいます。
マルガレート:ホリーと話があるの。
ヤヤ:奥さま、お料理を作ったのですが、味見してみますか?
マルガレート:ちょっと、なにか隠してるんじゃないの?ホリーがまたなにかやったの?
ヤヤ:そんなこと、ございません・・・。
マルガレート:ならどうして、私を通そうとしないの?どきなさい。(ドアをノックして)ホリー!開けなさい!

【事務所】
テレビ:業界内のうわさによると、人気ポップスターのジョシュ・ブッラドリーはアメリカへ戻っていないとのことです。また関係筋の話では、この若い歌手は現在行方不明とのことです。真偽のほどはいかに?
スティーブ:ちくしょうッ!!
チー:いったいなんなの?
スティーブ:甥っ子の失踪の件は外部に漏らすなと言っただろう!
チー:漏らしてないわ!
スティーブ:じゃあなんでニュースに出てるんだ!?いまやってたぞ!誰がマスコミに流してるんだ?
チー:知らないわよ。あなた?
パブリート:違いますヨ。わしは芸能界は好きですが、芸能界がわしを好きじゃないっスから。
ビリー:俺を見ないでくれ。なにも知らねーよ!
スティーブ:もう、頭がおかしくなりそうだ・・・。

【ホリーの家】
マルガレート:ホリー!ドアを開けなさい!あなた、なにか隠してるの?ホリー!
ホリー:ジョシュ、ここへ隠れてて!(ジョシュをベッドの下へ)
マルガレート:ホリー、開けなさい!なにか隠してるんでしょ!
ホリー:(ドアを開けて)お母さん。
マルガレート:なにか隠してるわね?
ホリー:お母さん!
マルガレート:(ジョシュを見つけて) この男はだれなの!立ちなさい!
ジョシュ:すみません、なにも悪いことするつもりはなかったんです。
ホリー:お母さん、やめて!
マルガレート:あんたがなにか企んでるってことくらい、わかってたわ。
ホリー:お母さんが考えてるようなことじゃないわ!
マルガレート:あんたにはもう、うんざりよ!(ホリーを叩こうとする)
ジョシュ:待って!僕のせいでホリーをぶたないでください!
 
 

【ボルタのヘアサロン】
ボルタ:私のゴッド・チャイルド・・・、私の美容院が繁盛してれば、あなたとあなたのお母さんを雇ってあげるのに。でも、見て。うちもぜんぜんだめなのよ。水道代と電気代を払うだけでせいいっぱいなの。
アーニャ:いいの、わかってる。私たち、仕事見つけるからだいじょうぶ。そしたらホリーにも返せるし。
ボルタ:あなたのお友だちはお金持ちなんでしょ?だったら、すぐに返さなくてもいいんじゃない?
アーニャ:ゴッド・マザー、そんなの気が引けるわ。ホリーにそんなに借金したくない。それに、私がホリーの親切心に付け込んでると人に思われたくないもの。
ボルタ:まあねえ・・・。

【ホリーの家】
ジョシュ:僕のせいなんです!僕が、部屋に入れてくれるようホリーに強要したから!でも、ホリーはなにも間違ったことしてない!申し訳ありませんでした!
マルガレート:私の家から出て行きなさい。
ジョシュ:説明させてください。
マルガレート:私の家から、出て行くのよ!
ジョシュ:説明させて!
マルガレート:いいえ!出て行くのよ!
ホリー:お母さん!
マルガレート:あんたはここにいなさい!(ホリーを叩く) ここにいなさい!
(ホリー、部屋を出て行く)
マルガレート:ホリー!ホリー!!

【ボルタのヘアサロン】
(携帯が鳴る)
アーニャ:もしもし?・・・どうして?なにがあったの?・・・わかった、待ってて。今からそっちに行く。
ボルタ:だれなの?
アーニャ:ホリーよ。私の助けが必要みたい。
ボルタ:どうして?なにが起きたの?
アーニャ:ゴッド・マザー、私行かなくちゃ。
ボルタ:気を付けてね、バングス!
アーニャ:わかった。

【公園】
ホリー:さっきはありがとう。
ジョシュ:きみが僕のためにしてくれたことを思えば、なんでもないよ。お母さんと揉めてほしくない。
ホリー:いいの、もう慣れっこだから。家に戻ったらお母さんにちゃんと説明する。いまは、あなたを手伝うことのほうが大事だわ。
ジョシュ:きみには、感謝してもしたりないよ。
ホリー:どうってことない。あなたの笑顔でじゅうぶん報われるわ。
ジョシュ:僕は、ひとりでお母さんを探しにいったほうがいいと思う。バタンガスへの行き方を教えてくれれば、あとはなんとかする。
ホリー:道がわからなくて、迷子になっちゃうわよ。
アーニャ:ホリー!なんでまだここにいるの?なにか悪いことがあったの?
ホリー:なにもないけど、ただちょっと家でゴタゴタして。ジョシュがお母さんに見つかって、それでアーニャに助けてもらおうと思って電話したの。ねえ、アーニャの家にジョシュを泊めてあげてくれる?今夜ひと晩だけでいいの。ただ行って寝るだけ。
アーニャ:うそでしょ?だって、ホリー・・・。
ホリー:アーニャ、あなただけが頼りなの、わかるよね。あなたにしか頼めない。お願い、アーニャ。
アーニャ:ホリー・・・。あなたを助けたくないわけじゃないの。でも、うちにはなんにもないのよ。ジョシュは、ツヨやカンコンなんてきっと食べないでしょ。それに、私たちがどんなとこに住んでるか、知ってるでしょ?もしかしたら、ジョシュは不満を言うかも。
ホリー:なら、食料を買うお金を渡すわ。お願いアーニャ、ひと晩だけだから。明日になったら、私がジョシュを連れて行く。
ジョシュ:ホリー、いいんだ。アーニャには無理なお願いだってわかってるから。どこか、泊まる場所を探すよ。
ホリー:だめ、ジョシュ。アーニャと一緒なら安全だから。アーニャ、お願い、ひと晩だけ。もしジョシュになにか悪いことが起きたら、いやでしょう?

【事務所】
(携帯が鳴る)
チー:スティーブに違いないわ!
ビリー:なにか進展あった?おい、電話が鳴ってるぞ。
チー:出てよ。
ビリー:きっとスティーブなんだぜ。もしもし?
ジョシュ:ビリーか?僕だ、ジョシュだ。
ビリー:おいおい!いまどこにいるんだ!?こっちは大変なんだぞ!
チー:いったいどうしてたの?心配したのよ!いまどこ?迎えに行くから!
ジョシュ:心配するな。ぼくはだいじょうぶだ。
チー:ほんとうに?いまどこにいるの?
ジョシュ:言えないんだ。でも、僕はお母さんを探しに行ってくる。本当のことがわかったんだ。スティーブ叔父さんはウソをついてた。お母さんはまだ生きてる。
チー:なんですって?いったいどういうこと?
ジョシュ:話せば長くなるから。でも、僕は無事だってことだけ伝えとこうと思って。これから、お母さんを探しに行ってくる。
チー:ジョシュ、あなたのことは大好きよ。でも、ヨーロッパ・ツアーはどうするの?いまさら中止にはできないのよ。もう契約も済んでるんだから。
ジョシュ:ほかのだれよりも、なによりも、お母さんのほうが大事なんだ。ツアーには間に合うように戻るって約束する。だから、お願いだよ、スティーブ叔父さんのことはなんとかしてくれる?
チー:あなたって、ありえないわ・・・。
ジョシュ:お願い。
チー:ちゃんと連絡入れるのよ、いい?スティーブ叔父さんはなんとかするから。
ジョシュ:ありがとう、チー。きみの僕への愛を感じるよ。
チー:叔父さんにしてみれば私は死んだも同然ね。
ジョシュ:じゃあ、またあとで、チー。
(スティーブが入ってくる)
チー:(装って)じゃあ、子どもの世話はお願いね。あなたに会えなくて寂しいわ~。私も愛してる♪
スティーブ:なんと、おまえの夫からの電話か?
チー:そうよ。それほど、私を愛してるの。
スティーブ:例の物議を呼んでる件について、なにか報告はあるか?
チー:あの件は落ち着いてるわ。もう心配しなくてだいじょうぶ。そうだわ、スティーブ、ちょっとリラックスしたらどう?ずっとストレスが多かったでしょ?あなたはゆっくりして、そのあいだにビリーと私でジョシュを探してくるわ。
スティーブ:そうだな。
チー:じゃ、行きましょ。
ビリー:よし行くか。

【公園】
ホリー:アーニャ、ありがとう。この埋め合わせはするから。ジョシュのこと、よろしくね。
アーニャ:なんでそんなにジョシュの面倒を見るの?つきあってるの?
ホリー:ううん、まだよ。でも、近いうちにそうなれるって気がするの。私、ジョシュのことがほんとうに好きで、お互いそういう気持ちだって感じてるの。 ジョシュ、もう私たち、行ったほうがいいわ。
ジョシュ:そうだね。きみのお母さんとはいつか話をつけるよ。
ホリー:ありがとう。じゃあ、明日ね。アーニャ、ジョシュをよろしくね。
アーニャ:わかった。ホリーのためなら。
ホリー:ありがとう。

【アーニャの近所】
アーニャ:いい? なにか必要なときは私に言って。私が用意するから。でも、私の家はぜんぜん広くなんかないし、あなたが慣れ親しんでるようなぜいたくなものはないからね。だから、無理なことは言わないでちょうだい。
ジョシュ:そうか、じゃあきみが、デートに本当は選ばれた人だったのか。きみがあの、おかしげなメッセージを書いた張本人か。「あんたが誰かも知らないし、どうだっていいわ~」ってヤツ。
アーニャ:そうよ!それがなにか?問題ある?
ジョシュ:違うんだ。じつは、そういうふうに普通の人たちのように扱われるのが嬉しいんだ。もちろん、音楽とかそういう活動を評価されるのは嬉しいよ。でも、スターとして扱われたくない。
アーニャ:なら、心配ご無用ね。うちではあなたを王様扱いなんかしないから。
ジョシュ:それはいいな。
アーニャ:待って、忘れないうちに言っとかないと。うちには、温かいシャワーも温かいお湯も出ないから、やかんで沸かしたお湯で満足しとくのよ。
(ジョシュ、道にとめてある自転車に飛び乗る)
アーニャ:ジョシュ、ジョシュ!降りて!降りてよ!
ジョシュ:ただちょっと乗ってみたかっただけだよ!
アーニャ:乗ってみたかった?どろぼうと間違えられたらどうするの?やめてよね。あなたのせいで、私が面倒なことに巻き込まれかねないわ!ここでは、あなたは顔を知られるわけにはいかないんだから、おとなしくしてて!もうこれ以上、私に面倒かけないで!
ジョシュ:そんなふうに思ってるの?面倒だって?
アーニャ:じゃあ、なんだと思うの?
ジョシュ:へ~え、お言葉ですが、じゃあなんで僕を手伝うことに同意したんだ?
アーニャ:面の皮が厚いヤツ!あんたのために同意したんじゃない、ホリーのためよ!私はあんたのことなんんかどうだっていいんだから、その態度を改めることね。どうしたら人に気づかれないか、ちょっとは考えたら?行くわよ!

【ホリーの家】
マルガレート:遊び人!それでもまだ家には帰ってこようという気はあるらしいわね!(ホリーを叩く)
ホリー:お母さん!ジョシュはただの友だちよ、お母さん!
 
 

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