Nandito Ako (9) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード9


【学校】
ホリー:私たち、ボディガードの目を盗んで抜け出して、ブラブラ歩きまわって、バルートを食べたの。アーニャ、屋台の食べ物の食べ方を教えてくれて、ありがとう!・・・アーニャ、聞いてるの??
アーニャ:ごめん。お金の工面を考えてたの。
ホリー:なにそれ?
アーニャ:信じてもらえないかもしれないけど、あなたのジョシュ・ブラッドリーのせいで私、仕事をクビになったの。
ホリー:はあ?どういうこと??
アーニャ:身を隠すために、私の着ぐるみを盗んだの。ファンに追いかけられてたのよ。それで、私は仕事を失って、借金が増えたってわけ。
ホリー:ねえアーニャ、ジョシュはそうしたくてしたんじゃないはずよ。
アーニャ:ジョシュ・ブラッドリーがどういうつもりだったかなんて、どうでもいい。着ぐるみを返してほしい。ジョシュは余計な問題を増やしただけだわ。私も、お母さんも、ふたりとも仕事がないの。家からの立ち退きも迫られてる。ホリー、どうしよう、私。

【ホテルの廊下】
(回想シーン)
ミレーヌ:あなたのお母さん、カーラを知ってる、まだ生きててあなたを探してる!お母さんはバタンガスにいるわ!私の住所がその写真に書いてあるから・・・
ホリー:もし、またお母さんと会えるならば、すべてを捨ててもいい?一緒にいるためなら、名声も、お金も、捨てられる?・・・
ジョシュ:うん、もしまた会えるならね・・・
ホリー:人生には一度しか訪れないチャンスがある。それを逃しちゃだめ・・・

ビリー:ジョシュ?だいじょうぶか?おまえ、どうしたんだ。
ジョシュ:おまえの助けが必要なんだ。
ビリー:なんだ?なにを悩んでる?
ジョシュ:僕、ここから抜け出さないと。
ビリー:え!?

【ボルタのヘアサロン】
ボルタ:ねえもう、なんでこんなときに仕事をクビになっちゃうわけ?
テレサ:クビになりたくてなったんじゃないわ。ねえ、私に仕事くれない?掃き掃除でもなんでもいいから。
ボルタ:無理よお。お客さんなんて来ないもの。
テレサ:どうすればいい?どこへ行けば仕事があるのかしら?

【ホテルの廊下】
ジョシュ:お願いだ。
ビリー:そうしたいのは確かなんだな?
ジョシュ:そうだ。ほかの何よりも。
ビリー:なら、行けよ!でも気をつけるんだぞ。なにか問題があれば、電話しろ。
ジョシュ:ありがとう!
ビリー:気をつけろよ!

【ホリーの家】
ホリー:アーニャ、なにか特にやりたい仕事ってある?ここにいくつか載ってるから、申し込んでみたら?
アーニャ:なんでもいいの。皿洗いでも構わない。とくに今は、お母さんを助けてあげられるならなんでもいい。どうやらお母さん、仕事には戻れないみたいだから。
ホリー:アーニャ、なにがあったの?どうしてあなたのお母さん、クビになったの?
アーニャ:それは・・・、お客さんと揉めごとを起こしたんだって。
ホリー:いきなりクビになる前に、まずは警告を受けるべきじゃないの?そうじゃないと不公平だわ。会社へ申し立てしてみたらどう?どこに勤めてるの?
アーニャ:クラブなの。うちのお母さんは、エンターテイナーなの。
ホリー:エンターテイナーって、どういう意味?
アーニャ:クラブの、ホステスよ。
マルガレート:誰がホステスですって?あなたが?

【ホテルのロビー】
スティーブ:ジョシュはどこだ?見つけないと!
パブリート:ダンナ、どこにもいませんダ。
スティーブ:なにがなんでも見つけろ!
チー:ビリー、あなたの友だちを見かけなかった?
ビリー:いや。でも、そのうち帰ってくるだろ。だから、落ち着こうぜ。
スティーブ:なにしてんだ、探せ!!
ビリー:(独りごと)ジョシュ、なんでこんなことすんだ?ちゃんとやりとげろよ、さもないと、やばいことになるぜ・・・。

【ホリーの家】
ホリー:お母さん、なに言ってるの?アーニャと私は、学校での演劇の話をしてたの。私たち、エンターテイナー、クラブのホステスの役をやるの。
マルガレート:あら、そうなの?ちょっといらっしゃい。あなたのお友だちが、まともな生活してるのかどうか、よく確認することね。この子みたいに、ホステスになんかになったら困るでしょ?
ホリー:お母さん、もうやめて。
マルガレート:あら?もうお帰り?
アーニャ:私、そんな侮辱をされるような悪いこと、なにもあなたに対してしてません。
マルガレート:まあ、ごめんなさい。傷ついたのかしら?(お金を出して) これ、とっときなさい。これのために私の娘に近づいたんでしょ?お金よね?
ホリー:お母さん!もうやめて・・。やりすぎだわ。
(アーニャ、去る)
ホリー:アーニャ、アーニャ!待って!
マルガレート:戻ってきなさい!
ホリー:お母さん!なんであんな態度とるの!?
マルガレート:そんな口きくんじゃないよ!あの友だちから悪い影響受けてるんじゃないの?あの不法占拠者に!
ホリー:お母さん、なんでこんなことするの?
マルガレート:なぜって、あなたが聞かないからよ!あんなたかりみたいな人たちと友だちになるのは、やめなさいって、何度言えばわかるの!友だちにふさわしくないわ!

【アーニャの家】
テレサ:私は、子どもたちのために強くあろうと思ってます。でも現実は、厳しい。もうあなたのもと以外に、頼れる場所はありません。私の子どもたち、とくにアーニャを、どうか見守ってください。アーニャのために望むことはただひとつ、学校を出て、よりよい生活を手に入れること。私が経験してきた辛さを、あの子には味あわせたくありません・・・。

【道】
(アーニャがタクシーにひかれそうになる)
タクシー運転手:おい、死にたいのか!俺を巻き添えにするな!
アーニャ:ごめんなさい。
タクシー運転手:これからはちゃんと前を向いて歩け!
アーニャ:ほんとうに、ごめんなさい。
ジョシュ:(タクシーから降りて)そんなに怒鳴らなくても。あの子、謝ってるじゃないか。もう、先に行こうよ。
アーニャ:あなた・・・、あなただわ!ジョシュ・ブラッドリー!私の着ぐるみを盗んだでしょう!?どこへやったの!?
ジョシュ:ああ、きみのこと覚えてる。ごめん、着ぐるみを盗むつもりなんてなかったんだ。ただ、ほかのみんなから逃げなくちゃならなくて。
アーニャ:あんたのせいで仕事をクビになって、弁償もしなくちゃならなくなったのよ!いまさら「ごめん」って言われたって、あの夜稼ぐはずだったお金は戻ってこない!
ジョシュ:ほんとうにごめん。できることなら払ってあげたいけど、でも都合をつけて次回にしてくれないか?いま、ほんとに急いでるんだ。
ホリー:アーニャ、アーニャ!ああ追いついてよかった~!・・・ジョシュ? ここでなにしてるの?
ジョシュ:ホリー、きみがいてくれてよかった!アメリカへ帰る前に、お母さんを見つけなくちゃならないんだ!頼れるひとは、きみしかいない。
 
 

【道】
ホリー:ねえジョシュ、私、よくわからないんだけど、お母さんは亡くなったって言ってなかった?
ジョシュ:スティーブ叔父さんがウソをついてたんだ。お母さんは死んだって、僕に信じ込ませてきた。でも、お母さんはまだ生きてるって言ってる人がいて、僕は、その人が本当のことを言ってると感じるんだ。ホリー、きみが必要なんだ。お母さんを見つけたいんだよ。
アーニャ:でも、なんでホリーに助けを求めるの?警察に連絡したらどう?または、あなたのマネージャーとか。その叔父さんとか。
ジョシュ:スティーブ叔父さんにそんなこと言えないよ。お母さんを見つけるのを妨害するためなら、なんだってするさ。それに、ほかの誰かに頼んだら、すぐ叔父さんの耳にも入って、それこそ二度とお母さんを見つけられなくなる。
ホリー:心配しないで、ジョシュ。私、手伝うわ。

【事務所】
スティーブ:おまえら、バカか!!
ボディガート:周辺も探しましたが、どこにもいませんでした。
スティーブ:この役立たずの間抜けどもめ!!世間にこのことが知れ渡るのを、ただじっと座って見てろっていうのか?!さっさと消えろ!甥っ子を連れてくるまで、俺の前に二度と顔を出すな!(チーが部屋を出ようとする) チー、どこへ行く気だ?
チー:あなたの頭を冷やすため、なにか飲み物をとってくる!そんなに怒鳴り散らしたって、なんの解決にもならないのよ!ちょっとは落ち着いたらどう?
スティーブ:バカいうな、ジョシュがどこかに行っちまったというのに、おとなしく座ってろって言うのか?
チー:ごらんなさいよ、みんな、ジョシュを見つけようと一生懸命なのよ。協力してくれてる人たちに、あんなふうに怒鳴ることないわ!
スティーブ:あいつらはそれで金をもらってる。それが仕事だ。俺のために働いてるんだ。
ビリー:叔父さん、ジョシュのことは俺、よくわかってる。もしあいつが、本当にどこかへ行っちまったのなら、それだけの理由があったんだよ。あいつは無責任なやつじゃない。必ず戻ってくるよ。

【道】
アーニャ:あの“混血”をほんとうに助けるつもりなの?
ホリー:アーニャ、そうよ。ジョシュと仲良くなれるチャンスだもの。この機会を無駄にしないわ。それに、お母さんにすごく会いたがってるのがわかるもの。
アーニャ:でも、もし面倒なことになったらどうする?
ホリー:だいじょうぶよ。これ、私のもうひとつの携帯、持ってて。いつでも電話して。
アーニャ:どうして?彼をどこに連れてくの?もしあなたのお母さんがジョシュを見たら、怒るわよ。
ホリー:どうだっていいわ!なんとかする。なにかあったら、あなたに電話するから、いい?
アーニャ:わかってるでしょ、あなたのことが心配なの。もしなにかあったら電話してよね。じゃあ、行かなくちゃ。
ホリー:待って、アーニャ。ここに住所が書いてあるから行くのよ。仕事があるはず。
アーニャ:ほんとに?どうもありがとう!すごく助かる!
ホリー:いいのよ。そのかわり、お願いがあるの。ジョシュが私といることを、誰にも知られたくない。だから、秘密にしてて。
アーニャ:でも、その人を助けようとして、面倒なことに巻き込まれたりしないって約束して。もし、ホリーになにか起きたらと思うと・・・。
ホリー:だいじょうぶ。

【事務所】
スティーブ:こんなバカげた話、もううんざりだ。重要なのは、このことを誰にも漏らすなってことだ。とくにマスコミにはな!さもないと、ヨーロッパ・ツアーを台無しにする恐れがある。
チー:あらまあ!あなたの甥っ子は失踪してしまったっていうのに、まだツアーのことなんて考えてるの?ジョシュのことは心配じゃないの?
スティーブ:おまえの意見など聞いていない。ただ自分の仕事をしろ。俺が言う通りにな。

【外】
ホリー:いつも顔を伏せて歩くのよ、そうすれば、誰にも気づかれない。
ジョシュ:きみとアーニゃは、いい友だちみたいだね。
ホリー:うん、アーニャは私の親友なの。姉妹みたいなものね。
ジョシュ:きみたちは、お互いにいい友達を持てて幸運だね。
ホリー:うん、すごく幸運だわ。さて、今日の予定は?
ジョシュ:ある女性が、この写真と、自分の住所をくれたんだ。お母さんを探すには、まずこの人の話を聞きにいかないと。連れてってくれる?
ホリー:この場所、知ってる。この近くよ。行こう!
ジョシュ:僕のためにこんなことしてくれて、ありがとう、ホリー。きみには大きな借りができたよ。このことはけっして忘れない。
ホリー:ジョシュ、あなたのためならなんだってする。あなたを喜ばせたいの。さあ、行こう!

【ホリーの家】
マルガレート:これがテレサ・ディオニシオよ。尾行して、どこに住んでるかを突き止めて。
男:テレサ・ディオニシオね。お安いご用だ。もしこの女を見つけたら、俺はどうすりゃいいんだ?
マルガレート:とりあえず見張ってちょうだい。どうするかは、あとで考えるわ。
男:わかった。

【ミレーヌの家】
ミレーヌ:来てくれて嬉しいわ、ジョシュ!あなた、すっかり大きくなったわねえ!最後に会ったときは、まだちっちゃかったのに。お母さんが今のあなたを見たら、喜ぶわよ~。まあ、私ったらしゃべりすぎね。今もタガログ語はわかるの?
ジョシュ:うん、わかるよ。
ミレーヌ:それはいいわね!あなたが小さいとき、よくタガログ語でお話ししたのよ。私たちみんな、あなたが英語で話すと鼻血を出してた。
ジョシュ:お母さんのことだけど、まだ生きてるってのは本当?
ミレーヌ:あなたとカーラが火事ではぐれてしまったとき、彼女は狂ったようにあなたを探したわ。やがて、あなたの叔父さんが、あなたをアメリカへ連れていったことを突き止めたの。
ジョシュ:お母さんはアメリカに行って、僕を探そうとした?
ミレーヌ:ジョシュ、お母さんはあなたを取り戻すために、あらゆる手を打ったわ。何度も何度も、アメリカ行きのビザの申請をしたけど、そのたびに大使館から却下された。アメリカへ連れてってくれるというアメリカ人と、恋人同士にもなったけど、結局うまく行かなかった。彼女があなたを思わない日は、1日だってなかった。だから、あなたを見たとき、お母さんは生きてるって伝えるチャンスを逃すわけにはいかない、って思ったの。
ジョシュ:お母さんのことを考えない日は1日だってなかった。お母さんに会いたくてたまらない。いま、どこに住んでるの?どこに行けばお母さんに会える?
ミレーヌ:最後に私たちが会ったとき、バタンガスに戻ってくるって言ってた。これが住所よ。
ジョシュ:ありがとう・・・。あなたには一生分の借りができた。
ミレーヌ:いいのよ。お母さんに無事会えるよう、祈ってるわ。

【公園のベンチ】
(アーニャ、時計を見つめながら火事を回想している)
アーニャ:あの男の子はどこにいるんだろう?名前すら聞けなかった。

【墓地】
チー:(カーラのお墓に向かって)あなたの息子をどうすればいいのか、私にはもう分からないわ。私はやるだけのことをやったのに、結局、あの子はどこかへ行ってしまった。どうか姿を現して、あの子と話してやって。

【道】
ホリー:どうしてそんなに悲しそうなの?お母さんが生きてるのがわかったんだから、喜べばいいのに。
ジョシュ:スティーブ叔父さんが嘘をついてたなんて、まだ信じられないんだ。お母さんが生きてるってこと知ってたくせに、僕をずっと惨めな気分にさせてきた。15年間ものあいだだ。
ホリー:あなたは15年間、ずっとひとりで生きてきた。でもこれからの残りの人生は、お母さんと一緒にいられる。だから、元気を出しなさいよ、ジョシュ!これまでの日々を取り戻すのよ。

【墓地】
パブリート:墓地の管理人と話しましたが、わしら以外には誰も来てねえつーことですだ。
チー:それはたしか?
ビリー:そ。ぜんぶ見てまわったけど、ジョシュがここにいる形跡はないね。
チー:なんてこと!ジョシュ、どこにいるの・・?(スティーブから電話) ほら、あなた出て。私はいないって言って。
パブリート:もし、電話をかわれって言われたらどうすんで?
チー:もう地獄に落ちたって言っといて!
ビリー:出ろよ。

【道】
ホリー:あなたは15年間、お母さんと一緒にいられなかったけど、でもこれからは、一緒に幸せになれるチャンスがある。私なんて・・・お母さんとずっと一緒だったけど、でも愛されていると感じたことがない。ともかく、私のことなんてどうでもいいわね。じゃあ、あなたのお母さんを探しに行こう。お母さんと一緒に幸せになれるチャンスをなくさないうちに。
ジョシュ:でも、どうやって?
ホリー:バタンガスに親戚がいるの。連れて行ってあげる。あっちに家があるから、お母さんを探すあいだそこに泊まりましょう。
ジョシュ:ほんとに?そんなことまでしてくれるの?
ホリー:もちろん。あなたのためなら、なんだってする。
ジョシュ:ほんとにありがとう!
 
 

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