Nandito Ako (6) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード6


【ホリーの家】(回想シーン)
マルガレート:あなた、どこ行ってたの?朝に帰ってくるなんて、いったいなにしてたの?
ジェイム:取引先と飲みに行ってたんだ。
マルガレート:なにこれ?口紅じゃない?
ジェイム:今はやめてくれよ。
マルガレート:今はやめろですって?じゃあ、いつになったら愛人のことを話すつもり?
ジェイム:なに言ってる?
マルガレート:あなたが浮気してることくらい、知ってるのよ。恥知らず!
ジェイム:なんだって!
マルガレート:あなたの娘の母親になるため、私はすべてを犠牲にしたのに!こんな仕打ち、あんまりだわ!!
ジェイム:やめろ!
マルガレート:恥知らず!ウソはやめて!!

【病院】(回想シーン)
(テレサがジェイムにすがって泣いている)
マルガレート:あなた誰?
テレサ:あなたに連絡した者です。ごめんなさい、ジェイムは亡くなりました。
マルガレート:あんたが夫と一緒にいた女ね!あんたが私の夫を殺したんだ!この愛人め!!

【ホリーの家】
マルガレート:あれ以来会ってなかったけど、きのう偶然見たの。まだ生きてた。
マルガレートの友人:どうするつもり?まさか、何年もたった今ごろになって、復讐するつもりじゃないでしょうね?
マルガレート:できるならものなら、してやるわ。私が味わったのと同じ痛みを、あの女に味あわせてやる。

【お店】
ホリー:(店員に)はい、お金。(CDを受け取る)
ホリー:もうすぐ売り切れるとこだった。手に入ってよかったわ。ジョシュってほんとすてきなの。保証する。彼こそ私の王子さまで、もう私にはほんとに彼しかいないの~。だから、このプロモ絶対にとれなくちゃ、ありえない~。
アーニャ:(クーポンを拾って)ホリー、落としたよ。
ホリー:どこにあったの?
アーニャ:そこに落ちてたの。
ホリー:じゃ、もらっちゃいなさいよ。なにか書いて出したら?
アーニャ:え?でも私、ジョシュ・ブラッドリーなんて興味ないもん。
ホリー:なんでもいいのよ、ジョシュに言いたいことを書けば。いいこと書くのよ。私は、すっごく素敵なことを書くわ、そしたらジョシュが読んで、選んでくれるはず。

【スタジオ】
チー:ジョシュ!いまレーベルが連絡してきて、Nandito Akoの許諾が取れたって。ライブで歌えるわよ。
ジョシュ:よかった!ありがとう、チー。
チー:いいのよ。歌ってみたら?
(ジョシュ”Nandito Ako”を弾きながら歌う)
スティーブ:ちょっと失礼するが、それは、タガログ語の歌では?
ジョシュ:そうだけど?今夜のコンサートでやるんだ。
スティーブ:えーと、いったい誰が許可したんだ?
チー:レーベルに確認して、許可はもらってるわ。
スティーブ:いや、だめだ。だめだめ。曲目からはずすぞ。
ジョシュ:いいや、叔父さん。ぼくは歌うよ。お母さんへ捧げるんだ。
スティーブ:母親のこととなると、父親と同じように強情だな、おまえは。弟は、あの女への愛のために破滅した。おまえも同じように、あの女への愛のために破滅する気か。おまえは今夜、この歌を歌っちゃいけない。

【夜道】
アーニャ:あれで夕ご飯にしよう。ホリー、これ食べてみて。何ごとも経験よ、おいしいんだから。
ホリー:なんなの?
アーニャ:なにが。
ホリー:わたしのこと見て、笑ったでしょ。
アーニャ:ううん、ただ以前は、あなたはえり好みするタイプだと思ってたから、仲良くなんてできないと思った。でも、違った。
ホリー:アーニャ、あなたは親切にしてくれたもの。それに、私は親切にしてくれるひとに対しては、親切なのよ。これ、おいしい。

【アーニャの家】
テレサ:おかえり!遅かったね。
アーニャ:うん、ホリーに誘われたから、出かけてきたの。
テレサ:ホリーって、このあいだ来た子?あの子とお友だちになったの?
アーニャ:うん、お母さん。親切にしてくれるし、それに一緒にいて息があうの。でも・・・。
アラジン:でも、なに?
アーニャ:いつまで仲良くできるか、わかんない。
テレサ:どうして?
アーニャ:あの子のうち、すごいお金持ちなの。それにひきかえ、うちは・・・。
テレサ:あの子が金持ちで、うちが貧乏なら、なんだっていうの?
アラジン:そうだよ、お姉ちゃん。
テレサ:うちは貧乏だけど、でも悪い人間じゃないんだ。ホリーと仲良すればいいのよ!ほらなんなの?食べなさい!

【ホリーの家】
友人:なにか悪いことでもあったって顔してるわね。またホリーのこと?
マルガレート:きまってるわよ、あの子しかいないわ。あの子、私の家に不法居住者を連れてきたのよ。それで、お友だちだなんて言うんだから。
友人:まあまあ、マルガレート。友達くらい自由に選ばせてやったら?
マルガレート:ふん、あの子のバカな真似や気狂い沙汰を許したりなんかするもんですか。
友人:そんな言い方しなくても。ホリーはそれでもあなたの娘でしょ?
マルガレート:そう、娘よ。でもあの子を養子にしたのは、ジェイムの望みだったから。
友人:それでも、あの子は法的にはあなたの娘で、旦那さんはあの子を本当の娘のように愛したのよ。
マルガレート:そうよ、ジェイムはあの子を愛した。自分の本当の娘であるオードリーを忘れるほどにね。私は、夫の幸せのためならと受け入れたわ。なのに結局、夫は私を捨てて、あの安っぽい女を選んだ。
友人:いつになったらあなた、その怒りから自分を解放するの?もう10年以上もたつのよ。あなたの心は、まだ憎しみでいっぱいだわ。
マルガレート:ジェイムが私にしたこと、忘れやしない。ホリーを見るたび、ジェイムに傷つけられた痛みを思い出すの。

【学校】
ホリー:アーニャ、きのうの夜の私のお母さんのこと、ごめんね。
アーニャ:いいの。少なくとも、あなたは私に対してあういう態度はとらないってわかってるから。
ホリー:お母さんのことがよくわからない。お父さんが死んでから、いつも怒ってばかりいるの。じつは、どんどんひどくなってる。
アーニャ:誰か大切なひとを失うと、そうなっちゃうのよ。辛いものなのよ。
ホリー:でもあなたのお母さんは?アーニャだってお父さんを亡くしたんでしょ?
(アーニャ、うなずく)
ホリー:私のお母さんはほんとうにへんなのよ。アーニャ、私たちの両親はそんなふうにぜんぜん違うけど、それでも私たち、友達でいられるよね?
アーニャ:うん。
ホリーの友人:あらまあ?いったいどういうこと、ホリー?お母さんにはたかれて、友達を選ぶ目まで狂っちゃった?
ホリー:その通りよ!私はお母さんにはたかれた。でも、あなたたちはどこにいたの?気にもしなかったくせに。
ホリーの友人:それで、その負け犬の側についたってわけ?
アーニャ:ちょっと、だれが負け犬だっていうの?おとなしくしてればいい気になって。受けてたつわよ。
ホリー:そうよ、やめたほうがいいわよ。
ホリーの友人:んまあ!なんて怖いのかしら。あんたたち2人で組んで、私たちをやっつけられるとでも思ってるの?
アーニャ:ふん、もしあんたが鼻の整形をしてなくて、あんたが英語の落第生じゃなかったら、私も尻込みするとこね。あんたたち、自分のことをさも偉大かのように言うけど、くだらない人たちだわ。行こう、ホリー。
ホリー:それに、あなたたちにはひとに言えない秘密があるのよね。気を付けてね。

【学校の外】
アーニャ:あいつらの顔、おかしかった!
ホリー:ほんと!アーニャ、かばってくれてありがとう。
アーニャ:こちらこそ、ありがとう。私の味方をしてくれた。
ホリー:もちろんよ。なにがあっても私たちの友情を失わないでね。私、よくわかったの。もし友達になるなら、ただ私を利用しようとする人じゃなくて、本当の友達が欲しい。アーニャ、あなたが本当の友達だってわかるの。
アーニャ:ありがとう、ホリー。行こう!

【スタジオ】
チー:ジョシュ、最後のふたりまで絞り込んだわよ。私の選択はこれ。なにか意見あるなら聞かせて。読んであげようか?
(ジョシュ、無言)
チー:「目が覚めてあなたを思い、眠りについてあなたを思いこがれる。あなたの音楽は悲しみを遠ざけ、あなたを思う心が私を幸せにする。私はこの銀河一番のあなたのファンです。ホリー・ポサダス」 どう?
ジョシュ:どうでもいいよ。きみが好きなのを選べば?
ビリー:俺、選んでいい?これ、おもしろいんだ。ほら、ジョシュ、これおもしろいぜ。
チー:ああ、これね。おもしろいって言うか、普通じゃないわよね。「私は、あなたのことを知らない。あなたがどんな人なのかも、どうでもいい。私のお父さんは死んで、お母さんは私と弟を学校に通わせようと必死に働いてる。もっと大切なこと、考えなくちゃならないことを私は抱えている。だから、こんなことに興味ない。」この子、こんなデートには興味ないんだって。じゃあ、なんで申し込んだのかしら。
ビリー:変だよな。
チー:変よ。もう、こっちのにしましょうか。
ジョシュ:なんて名前?
チー:ホリー・ポサダス。
ジョシュ:もうひとつは?
チー:興味ないほう?
ジョシュ:そう。
チー/ビリー:エピファニア・ディオニシオ。
チー:誰を選ぶ?

 

【ホリーの部屋】
司会者:ジョシュ・ブラッドリーとのディナーを勝ち取った幸運な女性は・・・。
ホリー:どうか私でありますように・・・。ジョシュ、お願い私を選んで・・・。神さまお願い・・・。
司会者:エピファニア・ディオニシオさんです!おめでとうございます!
ホリー:アーニャ?アーニャが選ばれたの?

【アーニャの近所】
近所のひと:よかったわね!バングス、あなたほんとツイてるわ!
アーニャ:ええ、まあ・・。なんだかわかんないけど・・。
ボルタ:きゃあ~~~!あなたスゴイわあ!みんなをよくやぶったわネエ。
アーニャ:いったいなんなの?近所のみんなが、おめでとうって言うの。
ボルタ:あなた、選ばれたのよ!
アーニャ:なにに?
アラジン:デートだよ!
アーニャ:はあ?
ボルタ:あなた、知らないの?国際的人気歌手、ジョシュ・ブラッドリーとのデートの相手に選ばれたのよ。テレビで観たんだから。それでこれが送られてきたのよお。んもお~、おめでとう!
アーニャ:それで家賃が払えるっての?意味ないわ。
ボルタ:あなたって、えり好みするのねえ。ほらあ、白馬の王子さま、ジョシュ・ブラッドリーなのに、あなたったら。そうだ、あなたをう~んとかわいくしてあげる。行きましょ。なにが欲しい?すてきなヘア・スタイル?携帯?なんでも言って!
アーニャ:仕事が欲しいわ。それが、いま私に必要なもの。

【ホリーの部屋】
ヤヤ:なに考え込んでるの?悩みごとですか?
ホリー:ううん。ただ、落ち込んでるだけ。ジョシュとのデートに選ばれなかったから。ずっと夢見てたのに、負けちゃった。ジョシュと会って、たとえ少しのあいだでもお話したかった・・・。素敵な音楽で私に感動を与えてくれたお礼を言いたかった。
ヤヤ:そんなに落ち込まないでくださいな。ジョシュのコンサートに行くんでしょう?そうしたら、ジョシュに会えるじゃないの。
ホリー:私はだいじょうぶ、ヤヤ。私の友達、アーニャが選ばれたの。アーニャがかわりに私の夢を実現してくれるわ。

【ホテル】
チー:ジョシュ、デートにはなにを着てくの?
ジョシュ:なに?
チー:デートにはなにを着るのよ?
ジョシュ:ああ、いいよ、それで。ところで、今夜の段取りは?
チー:そうね、まずレストランに行って、そこでデートのお相手とディナーを食べるの。それがだいたい1時間くらい。そのあと、コンサート会場へ直行して、それからインタビュー。そんなとこね。
ジョシュ:わかった。それで、滞在を伸ばすことはできる?
チー:もうずいぶん長くここにいるでしょ。いったいまだなにがしたいの?
ジョシュ:もうちょっと長くいたいんだよ。
チー:悪いわね、ジョシュ。無理なのよ。あなただってわかってるでしょ。スティーブ叔父さんが許さないのよ。
ジョシュ:僕はずっと子供のころから、叔父さんの命令に従ってきた。もう、うんざりだ!もう子供じゃないんだ!

【アーニャの家】
ボルタ:トン、トン、トン。
テレサ:なに、それ?
ボルタ:私のお洋服。ミス・ゲイになるのよ。
テレサ:あなたが?あらまあ。
ボルタ:あなたの娘さんはどこ?これ、あの子に持ってきたんだけど。
テレサ:あなた、アーニャに甘いみたいだけど、デートの件はもうあの子とよく話したの。あんなデートに期待なんかしちゃだめって。
ボルタ:テレサ、あなた、自分の娘をどうしようと思ってるの?オールドミスにでもするつもり?ボーイフレンドは禁止?そんなのよくないわ。
テレサ:男なんて、トラブルのもとになるだけ。あの子には傷ついてほしくない。
ボルタ:テレサ、世の中の男すべてが、あなたのバーの客みたいなわけじゃないのよ。そうじゃないひとたちもいる。あの子に恋をさせてやりなさいよ。
テレサ:恋ですって?ふん、あの子が傷つくのを見たくない。
ボルタ:そりゃあそうだわ、傷つきたいひとなんていない。でも信じて、恋に落ちると、自分ではどうにもならないのよ。もう、どうしようもないの。私みたいにね。

【学校】
ホリー:アーニャ!アーニャ、信じられない!知ってるんでしょ?ジョシュ・ブラッドリーとのデートに選ばれたのよ!
アーニャ:うん、知ってる・・。
ホリー:行くのよ!あなたを大変身させなくちゃ!
アーニャ:ううん、デートには行かない。
ホリー:ええッ!?アーニャ、こんな機会、一生に一度もないのよ!行って、お願い!
アーニャ:じゃあ、ホリーが行ったら?ジョシュに会いたいんでしょ?
ホリー:でも、アーニャが選ばれたのよ。
アーニャ:なんで私が選ばれたのか、わかんない。メッセージ適当に書いたのに。
ホリー:そういうものよ。きっとツイてたのよ。
アーニャ:ホリー、もし私がほんとにツイてるなら、デートなんかより仕事が欲しいわ。
ホリー:アーニャ、とにかく行くのよ!もし私への借金を気にしてるなら、気にしないで。アーニャを大変身させるんだから~!
アーニャ:ねえホリー、もしほんとうに私を助けたいなら、デートに行かなくて済むよう手伝って。あなたが行ってよ。私じゃなくて、あなたが行くの。
 
 
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