Nandito Ako (3) [Nandito Ako]

Nandito Ako エピソード3


【アーニャの家】
テレサ:帰ったのね。
アーニャ:それ、おニューの服?
テレサ:そう、ウーカイ・ウーカイで買ったの。かわいいし安かったの。でもちょっと裾が長いから、仕事用に短くしてるのよ。どう、いい色でしょ?似合うと思わない?
アーニャ:うん、似合ってる。ねえお母さん、何度も言ってるけど、お母さんの仕事のことが心配なの。
テレサ:私のことなら心配ないよ。私は強いから。あっちのほうが私のこと、怖がってるんじゃない。待って、また近所のひとが私のこと批判してるの?なんて言ってた?
アーニャ:なんでもないから。
テレサ:ほんとに?もしなにか言われたら、私に言いなさいね。子供たちになにかあったら私が承知しないから!もうその話はやめましょう。ほら、食べなさい。疲れたでしょう?仕事はどうだった?
アーニャ:うーん、まあまあね。
テレサ:それはよかった。
アーニャ:ねえお母さん、きょうはお父さんの命日だから、あのホテルに行って、キャンドルをともしてくる。一緒に行きたい?
テレサ:今日だったんだね、忘れてた。というより、忘れていたいのかも。
アーニャ:ねえ、一緒に来て。もしお父さんがお母さんの姿を見たら、喜ぶはず。
テレサ:行きたくない。あんたが行きたいなら止めないけど、私は行かない。家族の夢が一瞬で壊れたのを思い出すなんていや。

【ホテルの噴水】
アーニャ:お父さん、私、どうしたらいい?仕事をクビになって、お母さんになんて話したらいいんだろ?お母さんはもうほかのことで手一杯なのに。お父さん、聞こえる?ときどき、お父さんが帰ってきたこと、約束してくれたこと、みんな夢だったように思える。(時計を取り出し)でもこれを見るたび、夢じゃなかったんだってわかるの。お母さんは、輝く鎧の騎士が迎えに来るハッピーエンドなんてないって言うけど、でもいつか、私の夢をかなえてくれる人が現れるって信じてる。

(ジョシュが現れる)
チー:ジョシュ、ここでなにしてるの?早く車に乗って。ひとに見られるわ、行きましょう。
ジョシュ:ちょっと待って。
チー:ジョシュ、行かなくちゃ。

【学校】
ホリー:ちょっとみんな、本当のこと行って。
ジェラルド:本当のことって?みんなあの場にいただろ?きみは関係ないって言ったって、だれも信じないさ。
ホリー:じゃあなんであれはあなたのだって言わないの?
ジェラルド:どうせ同じだよ。きみのバッグからハッパが落ちたのを見たんだから。どう頑張ったって、きみはこの問題から逃げられないだろうね。
ホリー:ティナ、お願いだから本当のことを言って。私、お母さんに殺されるわ。
友人:ホリー、みんなだって親とはなんとかやってきてるのよ。あなたとお母さんは仲がいいんでしょ?きっと話を聞いてくれて、理解してくれるわよ。さ、みんな、もう行こう。

【アーニャの近所】
テレサ:私の娘の悪口を言っていいだなんて、だれが言ってるんだ!?
ラントイの母:本当のことだろう?あんたは売春婦で、あの子も同じようになるさ!
アーニャ:お母さん、やめて!
自治会長:いったいなんなんだ!
ラントイの母:あんたの娘は、あんたと同じ道を歩む!
テレサ:あんたは嫉妬してるだけなんだ。うちの娘はあんたの中毒息子と違って、大学を卒業するんだから!
ラントイの母:中毒でけっこう!売春婦よりはマシだわ!
自治会長:もうやめろ!
ラントイの母:自治会長が来てくれてよかったわ。あの女がいつも問題起こすのよ!
テレサ:うそばっかり!あんたが私の娘の悪口を言うからだ!嫉妬してるくせに!
自治会長:もうやめなさい!二度とこんなこと起こすなよ。今日のところは見逃すが、また起こしたら、警察に通報するぞ。
ボルタ:あっちの女を通報しなさいよ!
自治会長:わかったな。もうやめなさい!

【ホリーの家】
マルガレート:あらホリー、帰ってたの。あなたのドレスは明日にはできてるはずよ。ちょっとデザインを変更したの。でもだいじょうぶなはず。ほら、私は「最高の母親」賞をもらうのは初めてだから、特別なのよ。あなたのお姉さんも出席できれば完璧だったに。 ・・なにかあったの?
ホリー:お母さん、事務長が・・・
お手伝いさん:電話です。
マルガレート:もしもし?ああ、あなたね。元気なの?

【アーニャの家】
テレサ:あの女がなにをしたか、私に話してくれなかった。
アーニャ:お母さん、だって、こうなるってわかってたから言わなかったの。あの人をあんなふうに攻撃しなくてもいいのに。おかげでこんなことになっちゃった。
テレサ:別にいいのさ。それにあの状況を見ただろ?あの女が悪口を言ったのが悪いって、みんなわかってるんだ。
アラジン:ママ、ぼくにも言ってくれればよかったのに、そしたらママを守ってあげれたのに。
テレサ:まあ、優しい私の息子。私を守ってくれるの?

【ホリーの家】
マルガレート:なんですって?インターンシップになったの?と言うことは、6か月は帰って来れないってことね?待って、いまそちらは何時?朝早いんじゃないの?じゃあまたあとでかけるから、よく寝てね。愛してるわ~。(ホリーに向かって)なんだと思う!?あなたのお姉さんのオードリーからよ。ニューヨークの名門校のインターンシップになれたんですって!なんて賢い子なのかしら!
ホリー:賢いわね。
マルガレート:ほんとに。あ、さっき、なにか言いかけてなかった?
ホリー:なんでもないわ。
マルガレート:事務長がどうとか、言いかけてたはずよ。もし、事務長がまた学校にお金を寄付しろとか言ってるなら、お断りよ。これまでも大金を投じてるのに、見てごらんなさい。この娘ったら、まったく代わり映えのしないこと。お断りしてちょうだい。

【アーニャの家】
テレサ:アーニャ、約束して。学校を卒業して、いい仕事につくこと。そしたら、私はこんなだけど、あなたは私のようにはならないって、あいつらに見せつけてやることができる。それを忘れないで。私の娘は賢くてかわいいの!見てよこの顔!
アラジン:それに、ハンサムだ!
テレサ:あなたもハンサムよ!私がお姉ちゃんに言ったこと、覚えててね。
アーニャ:うん、お母さん。私、約束する。
テレサ:約束ね。
アーニャ:約束する。
3人:エイ・エイ・オー!

【ホテル】
スティーブ:どこへ行ってたんだ?どうしてあんなふうに立ち去る?
ジョシュ:あのホテルに行ってきた。
スティーブ:なんのホテルだ?
チー:スティーブ・・。
スティーブ:だまれ!なんのホテルだ?
ジョシュ:最後にお母さんに会ったあのホテルだ。
スティーブ:ジョシュ、そんなことはもう忘れろ。おまえの母親は死んだんだよ!
ジョシュ:あんたはいつもそう言うけど、一度も証拠を見せてくれたことがない!
スティーブ:証拠が欲しいのか?
ジョシュ:そうだ。
スティーブ:わかった。(書類を取り出して渡す)
ジョシュ:これは・・?
スティーブ:証拠だよ。お前の母親が埋葬されている場所だ。
ジョシュ:なんで今これを?
スティーブ:これが、おまえの問題を解決するいちばんの近道なんだ。これで、俺たちは前に進んでいける。



【アーニャの家】
家主:テレサ!テレサ!!
テレサ:そんなに怒鳴らなくても。
家主:なんですって?私と話をしたくないとでも?あなたが家賃を払ってくれさえすれば、私も怒鳴らなくて済むのよ!
テレサ:明日、払いますから。
家主:明日ですって?いつ私が来ても、あなたは寝ていたり外出していたりして会わないくせに。明日なんてもうないわ。今日払ってちょうだい!
テレサ:お願いします。
家主:前にも忠告したはずよ。なのにあなたは払わない。ほかにもこの家を借りたいって人はいるんだから!
アーニャ:もう少ししたら必ず払います。ただ、ほかにも支払が溜まってるので・・
家主:いいわけはもう結構!家賃が払えないなら、出て行ってもらいます。さあ、荷物を運び出して!
テレサ:待って!ほかにどこも行くところがないの。
アーニャ:あと1週間待ってください。そしたら全額お支払いしますから。
家主:1週間だって?これが最後だからね。もし払われなかったら裁判を起こすからね!行くよ!

【墓場】
ジョシュ:ほんとうにこの場所であってる?
(お母さんの墓を探す)
運転手:あった!ほら、ここですだ!

【学校】
ホリー:ジェラルドはどこ?みんな彼のせいなのに。
友人:彼の家族は仕事でアメリカに行ってるから、来週なら帰ってくるかも。
友人:あなたのお母さんはどこなの?来るはずよね?
友人:あ、来たわよ。
マルガレート:みなさん、失礼。娘と話をさせてくれるかしら。
ホリー:お母さん、説明させて。
マルガレート:あなたって子は!私に恥と頭痛の種でしかないわ!(ひっぱたく)
(アーニャに向かって)
ホリー:なんなの?私をあざ笑ってるんでしょ?
アーニャ:違う・・
ホリー:ほっといて!

【墓場】
ジョシュ:ぼくはどうしたら・・。お母さんはまだ生きてるんじゃないかって願ってたんだ。その希望も消えたよ。
ビリー:きみの叔父さんの言うとおりかも。これではっきりしたから、先に進んでいけるよ
ジョシュ:先になんて、進めそうにないよ・・。

【学校】
デニース:なんであの子に近寄ったの?
アーニャ:お母さんにあんなことされて、かわいそうだと思ったのよ。
ホリーの友人たち:さっきの見た?みんなに目撃されてたよね。
友人:ホリーが悪いのよ。家でちゃんと母親に本当のことを言っとけば、学校でじゃなくて家ではたかれるだけで済んだのに。
友人:でも、そもそもホリーは悪くないのに、心は痛まない?
友人:じゃあどうするっての?本当のことを言う?そしたら私たちが非難されるのよ。
友人:もうホリーのことはほっとこう。なんとかなるわよ。
デニーズ:なんてひとたち。友だちとは思えない会話ね。
アーニャ:ホリーがかわいそう。

【ホテル】
ジョシュ:叔父さん、ごめんなさい。
スティーブ:いいんだ、ジョシュ。お母さんを失って辛いだろう。でも、おまえは過去を振りほどかなくては。
ジョシュ:わかるよ。
スティーブ:これまで辛くあたってきたことも謝る。ただ、おまえには夢を実現してもらいたかったんだ。
ジョシュ:うん。失礼。

【学校】
ホリー:あんたがここでなにしてんの?ただ私をあざ笑いたいんでしょ?
アーニャ:悪い意図はなにもないわ。
ホリー:なんなの!笑いたいんでしょ?なら笑ったらどう?おかしいでしょうね、笑いなさいよ!
アーニャ:ホリー、もしあなたがお母さんともめてるなら、顔を突っ込む気はないわ。でも、いまのあなたの気持ちがわかるの。多くの人の前で屈辱を受ける気持ちがわかる。そして、そんな気分のときは、慰めてくれるひとが必要だってこともわかってる。
ホリー:私には友達がいるんだけど。だから、あなたは必要ない。
アーニャ:でも、その友達がいま近くにいないかな、あなたにはいま話す人が必要なのに、って思っただけなの。でもその友達はこれから来てくれるのかもね。だから私はもう行くわ。
ホリー:どうして?私はあなたとケンカしたし、あなたに恥をかかせた。私のせいで仕事も失ったわ。私に怒ったらどうなの?なんで私を助けるの?どうしてなの?
アーニャ:あなたには助けが必要だった。それでじゅうぶんじゃない?

【ホリーの家】
ヤヤ:もうじゅうぶんですよ。泣かないで。
ホリー:ねえヤヤ。違うお母さんが欲しいと思うのは悪いこと?
ヤヤ:そんなこと言わないで。それでもあの人はホリーのお母さんでしょう。
ホリー:わかってる。お母さんを愛してる。でも、私がお母さんの娘だと感じられないの。お母さんの血を受け継いでいると感じられないの。最後にいつ、お母さんが私を抱きしめて愛してるって言ってくれたか、私には思い出せないの。
ヤヤ:そうね、こんなときには、お気に入りのジョシュ・ブラッドリーの音楽をかけましょう。そうすれば気分が少し和らぐわよ。

【アーニャの家】
テレサ:5、16、3、11、12・・
アーニャ:なにそれ?
テレサ:あんたたちの誕生日の数字よ。宝くじを買おうと思って。もし運がよければ、お金の問題もなくなるからね。
アラジン:ねえママ、あとのふたつの数字はなに?だれの誕生日?
テレサ:お姉ちゃんのパパの誕生日。
アラジン:じゃあぼくのパパの誕生日は?それもいれてくれる?
テレサ:だーめ。数が超えちゃうから。それに、あなたのお父さんの数字は運が悪いのよね、だから別れたんだけど。せめてもの救いは、あなたがお父さんに会ったことないってことよ。よし、もう行かなくちゃ。早く寝なさいね。戸締りはちゃんとして、もう外に出かけちゃだめよ。
アラジン:わかった。
アーニャ:鍵しめてきて。
アーニャ:ねえ、落ち込まないでよ。
アラジン:ママはぼくのパパを愛してなかったんだ。名前すら教えてくれない。
アーニャ:ママのこと理解してあげようね?
アラジン:もしかしてパパはほんとうにママの悪運だったのかも。だからママは怒ってるんだ。
アーニャ:でも私たちには運がついてるよ、ママとあなたのパパの短い愛でも、あなたを授かったんだもの。そしてあなたがいるから、私たちが家族になれてるの。あなたのおかげよ。
アラジン:ほんとに?お姉ちゃん。
アーニャ:そうよ。あなた以外の弟なんて欲しくないわ。
アラジン:お姉ちゃん、ありがとう。

【ホテル】
ジョシュ:お母さん、会いたい・・。


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